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宇都宮大学農学部 生物資源科学科 地質学研究室 (生物生産科学科植物生産学コース)

電話 028-649-54247

〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350

NZ調査隊の記録 History of NZ Field Research Team

2012年2-3月 (February- March in 2012)

モツタプ島      
モツタプ島チャートアローロックス島

2012年2月28日〜3月13日 New Zealand 地質調査(Motutapu島およびArrow Rocks島の調査)
宇都宮大学:相田吉昭, 田村 隼人(3年生)
兵庫教育大学:竹村厚司教授,宮崎大学:山北 聡准教授,東京大学:高橋 聡助教
GNS Science: Hamish Campbell博士,Chris Adams博士
本調査は科研費 基盤研究(C) 「パンサラサ高緯度海域における中生代海洋プレート層序の構築とシリカオーシャンの解明」研究代表者:相田吉昭 平成23-25年度 課題番号:23540528に基づく海外調査である.

【研究成果】
  • モツタプ島の西岸のアドミニストレーションベイにおいて,地質調査を2012年2-3月に実施した結果,三畳紀中期(early Anisian)の赤色層状チャートの層序断面から連続的な岩石試料を多数採取した.
  • アローロックス島の地質調査を行い,三畳紀前期の層状チャート層を多数採取した.
  • スペインのCadizにおいて,2012年3月26-30日に開催されたINTERRAD13(国際放散虫研究会議13ー化石および現生放散虫会議)で口頭発表を行ないました.発表タイトル:An ocean plate stratigraphy and endemic radiolarian faunas in the Triassic and Jurassic sequences, Waipapa Terrane, New Zealand.
  • 2012年度MRC研究集会がつくばの国立科学博物館において 2012年11月16-18日に開催され,シンポジウム「MRCの再構築」で講演を行いました.発表タイトル:深海掘削からニュージーランド陸域の遠洋性堆積岩の微化石研究へーMRC再構築とその意義.

    2011年11月 (November in 2011)

    NZ調査隊NZ調査隊

    モツタプ島チャートモツタプ島炭酸マンガン

    モツタプ島dinnerHamish & Atsushi

    2011年11月19日〜29日 New Zealand 地質調査隊 (Motutapu島の調査)
    宇都宮大学:相田 吉昭, 品川 美里(3年生)
    兵庫教育大学:竹村 厚司教授,宮崎大学:山北 聡准教授,東京大学:高橋 聡助教
    University of Auckland: Jack A.Grant-Mackie博士,Bernhard Sporli博士
    GNS Science: Hamish Campbell博士,Chris Adams博士
    本調査は科研費 基盤研究(C) 「パンサラサ高緯度海域における中生代海洋プレート層序の構築とシリカオーシャンの解明」研究代表者:相田吉昭 平成23-25年度 課題番号:23540528に基づく海外調査である.

    【研究成果】
  • モツタプ島の西岸のアドミニストレーションベイにおいて,地質調査を2011年11月に実施した結果,三畳紀のチャート,珪質泥岩,塊状砂岩からなる海洋底プレート層序が好露出しており,それらの層序断面から連続的な岩石試料を多数採取しました.
  • その岩相層序は,下位から黒色葉理チャート/黒色珪質頁岩互層(0.5m),緑灰色チャート(0.5m),緑色/紫色頁岩(1.5m),灰色チャートを上部に伴う赤色チャート(10.5m),赤紫色-緑色頁岩(7.5m),炭酸マンガンノジュールを伴う紫色頁岩(0.5m),紫色/緑色珪質頁岩(6.8m),赤紫/緑色頁岩 (13.5m),緑色等量互層頁岩(3m),黒色リン酸塩ノジュールを含む緑色泥岩(3m),塊状砂岩(5m+)に至る.      
  • 赤色チャート層からはコノドント化石Chiosella timorensisを産出することから,三畳紀中期のearly Anisianを示すことが明らかになりました.また紫色頁岩に含まれる炭酸マンガンノジュールから保存良好な放散虫群集を産出し,ファンガロア地域のマヒネプア半島の緑色珪質泥岩から報告したlate Anisianを示す群集と似るが,より下位の層準から産出する群集により類似することが明らかになりました.チャート層のSEM観察から,海綿骨針が密集する生物源チャートが多くの層準に含まれることが判明しています.

    2011年2-3月 (February-March in 2011)

    カフィアハーバーカフィア

    オークランドモツタプ島

    2011年2月28日〜3月15日 New Zealand 地質調査(Kawhia地域,Pakihi, Motutapu島の調査)
    宇都宮大学:相田 吉昭, 愛媛大学:堀 利栄准教授,宮崎大学:山北 聡准教授,東北大学:高橋 聡博士
    University of Auckland: Jack A.Grant-Mackie博士,Bernhard Sporli博士
    GNS Science: Hamish Campbell博士,Chris Adams博士
    本調査は国立科学博物館からの出張、MRCの再構築プロジェクト「オークランド地域並びにカフィア地域に分布する中生代付加体の地質調査」により海外調査を行いました.

    【研究成果】
  • ニュージーランドへ向かう機内では,クライストチャーチの地震災害現場へ向かう日本の国際救難隊の一行と乗り合わせました.
  • 相田,愛媛大学の堀先生,東北大学の高橋 聡さんの3名は,Lower HuttのAvalonにあるGNS Scienceを訪問し,Chris Hollis博士やHamish Campbell氏らと旧交を暖め,研究討論を行いました.またCEOであるProf. Alex Malahoff博士と正式な会合を持ち,ニュージーランドと日本の若手研究者の交流を今後とも促進していく事を確認しました.
  • Kawhia地域のジュラ系下部のウルロア層の調査を,Jack A.Grant-Mackie博士およびHamish Campbell博士,Chris Adams博士とともに相田,堀,高橋の6名で行いました.
  • オークランド近郊のKawakawa Bayの北にあるPakihi島に分布する三畳系・ジュラ系境界の層状チャート層の調査を,堀・相田・山北・高橋・Bernhard Sporli・Hamish Campbellの6名で行った.
  • オークランドの北東に浮かぶ Motutapu島について,予察的な地質調査を行い,柱状図を作成しチャートや炭酸マンガンノジュールを採取した.Motutapu島の調査には,相田・堀・山北・高橋・Hamish Campbell博士・Chris Adams博士の6名が参加した.  
  • 3月10日に地質調査隊のメンバー全員でオークランド市内の日本食レストランで打ち上げを行いました.    
  • 翌日の3月11日の現地時間18:00(日本との時差は4時間+です)からのTV1 Newsを高橋くんと2人で見ていると,突然途中から"Breaking News"が飛び込んできました.日本で大地震が起こったということと仙台空港に津波が押し寄せてくる映像でした.それが3.11の東日本大震災のことを知った最初でした.当日はそれからほとんど寝る事なく,twitterやU-streamで日本の地震の情報や家族の安否,学生の安否情報を確認することを続けました.    
  • 3月12日には,ニュージーランドへの津波警報によりフェリーなどはすべて運行中止となりました.予定していた島の調査は中止しました.結局,ニュージーランドでは潮位の上昇が15cm確認されただけでした.3月15日に成田に帰国した際には, Air New Zealandから一人2littleの水ボトルをいただいたことは鮮明な記憶として残っています.

    2010年3月 (March in 2010)

    WhangaroaWhgaroa

    Arrow RocksWhangaroa

    Rakino IslandRakino Island

    Rakino cottageAuckland

    2010年3月6日〜3月24日 New Zealand 地質調査(Arrow Rocks,Waiheke島,Rakino島,Karamuramu島の調査)
    宇都宮大学:相田 吉昭,藤口 匠吾(3年生), 兵庫教育大学:竹村 厚司教授,小森はる奈(修士2年)
    宮崎大学:山北 聡准教授, 松本鉄平, 前山(3年生),東北大学:高橋 聡(博士2年),東京大学:池田昌之(博士1年)
    愛媛大学:堀 利栄准教授
    University of Auckland: Bernhard Sporli博士
    GNS Science: Hamish Campbell博士,Chris Adams博士
    本調査は国立科学博物館からの出張,MRCの再構築プロジェクト「オークランド地域並びにファンガロア地域に分布する中生代付加体の地質調査」により海外調査を行いました.


    【研究成果】
  • GNS ScienceのHamish Campbell博士がNorthlandのKaeoのコミュニティーハウスでNZ地質調査隊の研究の意義や放散虫について講演を行いました.
  • アローロックス島のP-T境界層のチャートおよび三畳紀下部Dienerian(late Induan)の赤色珪質泥岩層の調査を行った.
  • Laate Dienerianの赤色珪質泥岩層中の赤色チャートから大型化石の破片を松本くんが発見し,オークランド大学のJack Grant-Mackie博士に標本を渡して研究を委託しました.その後,サメの垂直ヒレの部分に相当する化石であることが判明しました (Grant-Mackie, et al., 2013 in press).
  • ワイヘケ島の再地質調査を愛媛大学の堀先生とともに行い,試料を採集しました.
  • 昨年度の調査に引き続き,ラキノ島のコテージに宿泊して4泊5日の集中的な地質調査を行いました.コノドント化石および放散虫化石用の試料を多数採集しました.その結果は2011年の愛媛大学で開催された放散虫研究集会で発表しました.
  • NZ地質調査隊の記録 2 (History of NZ-Japan field research team for NZ geology in 2006-2009)


  • 地質学

    宇都宮大学農学部地質学研究室
    〒321-8505
    栃木県宇都宮市峰町350
    TEL.028-649-5427

    この放散虫ステンドグラスは平成22年度農学研究科修士課程を修了した加藤摩利子さんのお姉さん,加藤摩耶子さんが制作された作品です.

    ホームページの作成にあたっては,土壌学研究室HPのテンプレートを利用させていただきました.快く提供していただきました土壌学研究室の星野幸一氏に感謝いたします.