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宇都宮大学農学部生物資源科学科 地質学研究室 (生物生産科学科植物生産学コース)

電話 028-649-5427

〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350

スタッフ Staff Member

相田 吉昭 教授 (Yoshiaki AITA, DSc,Professor)    aida@cc.utsunomiya-u.ac.jp

相田

 様々な地質時代や日本および世界各地の地層を対象にして,地質学的・古生物学的手法を基本 にして解析を行い,その地層が形成された古環境や海洋古環境の変遷を解明する研究を行っています.
 現在,放散虫化石層序に基づいて日本及びニュージーランドの中生代の付加体地質を解明する研究をおこなっています.最近では,現在の海洋に生息する現生放散虫種の生態学的研究や生息深度に関する研究を進めています.

【専 門】地質学・古生物学・層位学

【最近の研究トピックス】
  • ・6年前から,広島大学の海洋練習船「豊潮丸」による南西諸島航海に参加して現生放散虫の鉛直分布に関する 研究を開始しました。
  • ・ニュージーランドをフィールド調査地として,中生代の付加体地質を解明するために地質調査隊を編成して 現地調査を毎年行っています.とくに2.5〜1.4億年前の三畳紀〜ジュラ紀の高緯度帯珪質堆積物が分布する ニュージーランド北島(当時の南半球高緯度帯)の放散虫化石を多産する地層について地質調査を行っていま す.      
  • ・南半球高緯度海域における中生代の化石放散虫の形態の分類学的研究と種分化の過程と両極性分布の形成過 程を研究しています.  
  • ・チャートや珪質泥岩の堆積岩石学的研究から堆積時の古環境を復元する研究を行っています.       
  • ・国内および国外の珪藻土や珪藻質泥岩,放散虫岩,放散虫チャートなどの珪質堆積物や深海底コアを研究対 象にして,微化石の層位分布を明らかにして過去の海洋環境の推定に役立つ生物事件を探求しています.

【開講科目】      
  • 地質学概説(2年後期)
    • 地質学は地表に分布する岩石や地層の成り立ちや生成過程,そして空間的広がりの状態を明らかにする学問です.地質学概説では,日本列島の土台の大部分を形作る付加体の地質学を理解し,付加体の形成プロセスを読み取ることができるための地質学的基礎を学び,理解・学習します. 
  • 層位学(3年前期)
    • 堆積学の基礎と地層の積み重なりの規則性を学び,さらに堆積構造の特徴や堆積岩の組成・組み合せや含まれる化石群集などからどのようにして,堆積環境を推定したり古環境の復元を行うのかを理解・学習します.毎回スライドとともに講義・解説します. 
  • 地球環境史(基盤教育科目,水曜前期3-4時限)
    • 過去の地球環境と進化や絶滅などの生物の変遷の記録をどのように読みとることができるのかを理解する事を目的としています.スノーボールアース事件,恐竜の絶滅の原因(K-T境界),古生代末の生物の大量絶滅事件(P-T境界),古生代初期の生物界と生物の多様性などを詳しく解説します.     
  • 野外調査論(基盤教育科目,水曜前期5-6時限)
    • フィールドにおける実際的な実習体験を通して,植物学・地質学・人文地理学・文化人類学におけるフィールドワークの概要を理解してもらう科目です.異なる4つの分野の世界各地における調査研究の体験や異文化体験などが講義・スライド・宿泊実習などで解説されます.私はニュージーランドの地質調査や地質学のフィールド調査のABCを解説します.      
  • 地質学特論(大学院1年後期)
    • この授業では地球の気候変化や変遷を理解し解釈するための過去の気候を記録するアーカイヴとしての堆積物・氷・サンゴ・樹木・年輪などについての事例をもとに学習する.また温室地球や氷室地球についての地球環境について検証する.      
  • この他に,生物科学実験(顕微鏡実習,微化石の形態),植物生産学実験II(ローム層観察と地層・化石観察)を行っています。

【最近の研究業績】      
  • Hollis, C.J., Luer, V., Aita, Y., Boltovskoy, D., Hori, R.S., O’Connor, B.M., and Takemura, A., Phylum Radiozoa radiolarian. Gordon, D.P. (Ed.) New Zealand Inventory of Biodiversity. Volume 3 Kingdoms Bacteria, Protozoa, Chromista, Plantae, Fungi. Canterbury University Press. 288-305, (2012).
  • Hori, R. S., Yamakita, S., Ikehara, M., Kodama, K., Aita, Y., Sakai, T., Takemura, A., Kamata, Y., Suzuki, N., Takahashi, S., Sporli, K.B., and Grant-Mackie, J.A., Early Triassic (Induan) Radiolaria and carbon-isotope ratios of a deep-sea sequence from Waiheke Island, North Island, New Zealand. Palaeoworld, 20: 166-178, (2011).
  • Suzuki, N. and Aita, Y., Radiolaria: achievements and unresolved issues: taxonomy and cytology. Plankton & Benthos Research, 6(2): 69-91, (2011).
  • 鈴木紀毅・相田吉昭, 放散虫の生物学―分布,現存量,共生生物;日本プランクトン学会報, 58(1): 19-27, (2011).
  • Suzuki N, Ogane K, Aita Y, Kato M, Sakai S, Kurihara T, Matsuoka A, Ohtsuka S, Go A, Nakaguchi K, Yamaguchi S, Takahashi T, Tuji A., Distribution patterns of the radiolarian nuclei and symbionts using DAPI-fluorescence. Bull Natl Mus Nat Sci B 35: 169−182, (2009).
  • Aita, Y., Suzuki, N., Ogane, K., Sakai, T., Lazarus, D., Young, J. and Tanimura, Y., Haeckel Radiolaria Collection and the H.M.S. Challenger Plankton Collection., In Y. Tanimura & Y. Aita (eds.), Joint Haeckel and Ehrenberg Project, Reexaminationof the Haeckel and Ehrenberg Microfossil Collections as a Historical and Scientific Legacy, National Museum of Nature and Science Monographs, 40: 35−45, (2009).
  • Tanimura, Y. and Aita Y., Joint Haeckel and Ehrenberg Project: Reexamination of the Haeckel and Ehrenberg Microfossil collections as a historical and scientific legacy. National Museum of Nature and Science Monographs No. 40. National Museum of Nature and Science, Tokyo, 106p. ISSN 1881-9109, (2009).
  • 相田吉昭・鈴木紀毅・大金 薫・酒井豊三郎, 現世および中生代放散虫の両極性分布.化石, 85: 25-42, (2009).
  • Ogane, K., Suzuki, N., Aita, Y., Lazarus, D. and Sakai, T., The Ehrenberg type species of flat-shaped radiolarian genera(Spongodiscidae and Stylodiscidae, Spumellaria, Polycystina). Journal of Systematic Palaeontology, 7(1): 81-94, (2009).
  • Aita, Y. and Sporli. Geological framework for the pelagic Permian/Triassic oceanic sequence of Arrow Rocks, Waipapa Terrane, Northland, New Zealand. The Oceanic Permian/Triassic boundary sequence at Arrow Rocks (Oruatemanu), Northland, New Zealand. GNS Science Monograph 24: 1-16, (2007).
  • Sporli, K.B., Aita, Y., Hori, R.S. and Takemura, A., Results of multidisciplinary studies of the Permian-Triassic ocean floor sequence (Waipapa terrane) at Arrow Rocks, Northland, New Zealand. The Oceanic Permian/Triassic boundary sequence at Arrow Rocks (Oruatemanu), Northland, New Zealand. GNS Science Monograph 24: 219-229, (2007).
著 書】
  • 相田吉昭・谷村好洋, チャレンジャー号の探検航海. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 15-21. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭・谷村好洋, ディスカバリー号の南大洋プランクトンの科学調査航海. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 22-24. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, エルンスト・ヘッケルの人物像:放散虫の造形に魅せられるまで. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 25-28. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 谷村好洋・相田吉昭, 深海掘削と微化石リファレンス・センター. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 43-50. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 鈴木紀毅・大金 薫・相田吉昭, 放散虫. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好 洋・辻 彰洋(編著), p. 76-91. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,微化石の玉手箱:ノジュールから産出する美しい微化石. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 177-181. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,世界で最も美しい玉石:ニュージーランド南島ウォード海岸. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 182-183. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,微化石の3D写真. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 184. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2 ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭・谷村好洋, 生物岩としてのチャートと珪藻土. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 185-189. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 鈴木紀毅・相田吉昭,放散虫の進化系列. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 200-205. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, 微化石の「示準化石」と「示相化石」. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 223-225. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, 微化石研究者への道. 微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 312-320. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭 (分担執筆) アスパイリング・テレーン,オテケ統,カウヒア統,クラレンス統,ケープルス層群,ゴル統,タイタイ統,ツアペカ層群,トーレス累層群,バルフォア統,ヘランギ統,マイタイ層群,マタ統,ムリヒク累層群,ラウクマラ統,リーリバー層群,ワイパパ・テレーン「新版地学事典 (地学団体研究会編)」,p.21, 180, 216, 356, 394, 466, 747, 847, 936, 1048, 1191, 1244, 1258, 1296, 1359, 1404, 1437,平凡社, ISBN 4-582-11506-3 C3544, (1996).

微化石表紙 微化石裏表紙

微化石−顕微鏡で見るプランクトン化石の世界 谷村好洋・辻彰洋(編著), 東海大学出版会, (2012)


Haeckel-Ehrenberg

国立科学博物館 モノグラフNo.40, JOINT HAECKEL and EHRENBERG PROJECT: Reexamination of the Haeckel and Ehrenberg Microfossil Collections as a historical and scientific legacy. Yoshihiro Tanimura and Yoshiaki Aita (Eds.) (2009)


  • ヘッケル・エーレンベルグプロジェクト(Joint Heackel and Ehrenberg Project)のページへ(PDF論文ダウンロードできます)











    JSM-6100 JSM-T220 SUP-7707











    【地質学研究室の研究機器】
    • 走査型電子顕微鏡 JOEL JSM-6100    
    • 走査型電子顕微鏡 JOEL JSM-T220      
    • 高精細仕様デジキャプチャー装置 SANYU SUP-7707       


  • 地質学

    宇都宮大学農学部地質学研究室
    〒321-8505
    栃木県宇都宮市峰町350
    TEL.028-649-5427

    この放散虫ステンドグラスは平成22年度農学研究科修士課程を修了した加藤摩利子さんのお姉さん,加藤摩耶子さんが制作された作品です.

    ホームページの作成にあたっては,土壌学研究室HPのテンプレートを利用させていただきました.快く提供していただきました土壌学研究室の星野幸一氏に感謝いたします.