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農学部について
農学部生物資源科学科・農学研究科生物生産科学専攻植物生産学講座
相田 吉昭

教 授

相田 吉昭

あいた よしあき

海洋中にプランクトンとして生息している放散虫はガラス細工のような繊細な殻をもった単細胞の生き物です。生物生産性が高い赤道太平洋や中高緯度の湧昇流海域では、放散虫が大量に生産されて、その殻は深海底に放散虫軟泥を形成します。このような珪質堆積物の成り立ちと化石放散虫の進化について研究しています。

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チャートや珪質泥岩の堆積過程を解明する

写真1-1. ニュージーランド,アローロックス島のオルアテマヌ層の赤色珪質泥岩.コノドント化石により三畳紀中期(Anisian前期)を示します.
写真1-2. ニュージーランド,モツタプ島の赤色チャート層の堆積断面.HF処理した断面を高精細SEMで観察すると海綿骨針と放散虫殻の密集層が挟まれることがはっきりと確認できる.

地質学研究室では栃木県内から日本全国各地さらに海洋底や海外のフィールド調査を行っています。研究室では,伝統的に珪藻土,珪質泥岩や放散虫チャートなどのSiO2成分に富む珪質堆積物の地質学的・古生物学的研究に取り組んでいます。とくに珪質堆積物の放散虫化石層序やチャートの堆積岩石学的研究がメインテーマです。ニュージーランド北島のワイパパ帯に分布する付加体の調査研究を長年継続して行っています。三畳紀からジュラ紀のチャートや珪質泥岩層(写真1-1)をつくる微化石の種類がどのように変遷しているのか?またチャートの単層がどのような堆積過程でできているのか? チャートの堆積断面をHFでエッチングした後で高精細SEMで観察することで,地層のはぎ取り標本のようにチャートの堆積過程を詳細に可視化することができます(写真1-2)。

現生放散虫の現存量や生息深度を解明する

写真2-1. 生きている放散虫と化石放散虫.生きている時は殻の中に原形質を持ち仮足を放射状にのばしている.原形質は種固有の色をもつ.観測時の船上での作業とVMPSを示す.
写真2-2. 現生放散虫Nassellaria目に属する放散虫.赤く染色された個体は生体を示し,染色されない個体は死骸を示す(加藤20111MS, 修士論文の図版から)

現在の海洋に生息している放散虫(写真2-1)の生態学的研究や生息深度を解明する研究を行っています。海洋調査船に乗船して、プランクトンネットや鉛直多層式開閉プランクトンネット(VMPS)を用いて4層毎の深度別プランクトン試料を採取します。船上ではCTD測定装置により得られた水深・水温・塩分・溶存酸素量・クロロフィルa濃度を連続測定して,各測点の水塊特性を明らかにします。とくに海洋中層から深層に生息する放散虫の種構成(写真2-2)や種毎の現存量を解明していきたい。これまで広島大学生物生産学部の附属練習船「豊潮丸」や北大水産学部の「おしょろ丸」に乗船して南西諸島海域の海洋調査航海に参加しています。放散虫は長期間の飼育ができないため,生きている放散虫の生態は,船上あるいは臨海実験所でしか観察できないことから,船上での生態観察は貴重な研究の場となっています.

文献リスト

  • Hollis, C.J., Luer, V., Aita, Y., Boltovskoy, D., Hori, R.S., O’Connor, B.M., and Takemura, A., Phylum Radiozoa radiolarian. Gordon, D.P. (Ed.) New Zealand Inventory of Biodiversity. Volume 3 Kingdoms Bacteria, Protozoa, Chromista, Plantae, Fungi. Canterbury University Press. 288-305, (2012)
  • Hori, R. S., Yamakita, S., Ikehara, M., Kodama, K., Aita, Y., Sakai, T., Takemura, A., Kamata, Y., Suzuki, N., Takahashi, S., Sporli, K.B., and Grant-Mackie, J.A., Early Triassic (Induan) Radiolaria and carbon-isotope ratios of a deep-sea sequence from Waiheke Island, North Island, New Zealand. Palaeoworld, 20: 166-178, (2011)
  • Suzuki, N. and Aita, Y., Radiolaria: achievements and unresolved issues: taxonomy and cytology. Plankton & Benthos Research, 6(2): 69-91, (2011)
  • 鈴木紀毅・相田吉昭, 放散虫の生物学―分布,現存量,共生生物;日本プランクトン学会報, 58(1): 19-27, (2011)
  • Aita, Y., Suzuki, N., Ogane, K., Sakai, T., Lazarus, D., Young, J. and Tanimura, Y., Haeckel Radiolaria Collection and the H.M.S. Challenger Plankton Collection., In Y. Tanimura & Y. Aita (eds.), Joint Haeckel and Ehrenberg Project, Reexaminationof the Haeckel and Ehrenberg Microfossil Collections as a Historical and Scientific Legacy, National Museum of Nature and Science Monographs, 40: 35-45, (2009)
  • Tanimura, Y. and Aita Y., Joint Haeckel and Ehrenberg Project: Reexamination of the Haeckel and Ehrenberg Microfossil collections as a historical and scientific legacy. National Museum of Nature and Science Monographs No. 40. National Museum of Nature and Science, Tokyo, 106p. ISSN 1881-9109, (2009)
  • 相田吉昭・ 鈴木紀毅・大金 薫・酒井豊三郎, 現世および中生代放散虫の両極性分布.化石, 85: 25-42, (2009)
  • Aita, Y. and Spörli. Geological framework for the pelagic Permian/Triassic oceanic sequence of Arrow Rocks, Waipapa Terrane, Northland, New Zealand. The Oceanic Permian/Triassic boundary sequence at Arrow Rocks (Oruatemanu), Northland, New Zealand. GNS Science Monograph 24: 1-16, (2007)
  • Spörli, K.B., Aita, Y., Hori, R.S. and Takemura, A., Results of multidisciplinary studies of the Permian-Triassic ocean floor sequence (Waipapa terrane) at Arrow Rocks, Northland, New Zealand. The Oceanic Permian/Triassic boundary sequence at Arrow Rocks (Oruatemanu), Northland, New Zealand. GNS Science Monograph 24: 219-229, (2007)
  • 相田吉昭・谷村好洋, チャレンジャー号の探検航海. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 15-21. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭・谷村好洋, ディスカバリー号の南大洋プランクトンの科学調査航海. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 22-24. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, エルンスト・ヘッケルの人物像:放散虫の造形に魅せられるまで. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 25-28. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 谷村好洋・相田吉昭, 深海掘削と微化石リファレンス・センター. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 43-50. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 鈴木紀毅・大金 薫・相田吉昭, 放散虫. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好 洋・辻 彰洋(編著), p. 76-91. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,微化石の玉手箱:ノジュールから産出する美しい微化石. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 177-181. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,世界で最も美しい玉石:ニュージーランド南島ウォード海岸. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 182-183. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭,微化石の3D写真. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 184. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2 ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭・谷村好洋, 生物岩としてのチャートと珪藻土. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 185-189. 東海大学出版会,(2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 鈴木紀毅・相田吉昭,放散虫の進化系列. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 200-205. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, 微化石の「示準化石」と「示相化石」. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 223-225. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
  • 相田吉昭, 微化石研究者への道. 微化石-顕微鏡で見るプランクトン化石の世界.谷村好洋・辻 彰洋(編著), p. 312-320. 東海大学出版会, (2012). ISBN978-4-486-01944-2
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