農学部に地質学研究室が存在するのは全国の国立大学でも唯一かもしれません.宇都宮大学教養部地学教室から農学部へ配置換えとなり,地質学研究室を立ち上げてからはや18年になります.地質学研究室では,珪藻や放散虫などの珪質殻を有する単細胞原生生物の化石に基づいて,地層や深海底堆積物の年代や過去の環境を解析する研究を伝統的に行なってきています.いわゆる「微化石」の研究と珪藻土やチャートなどの珪質堆積物の堆積学的研究に特化しています.その年代は第四紀から中生代まで,またフィールドワークの範囲は日本国内からニュージーランドまで,さらに現世の海洋中に生息する放散虫プランクトンの研究までカバーしています.
また「Joides Resolution号」や「ちきゅう」などの深海底掘削船に乗船して,深海底コアの微化石を解析する研究する研究を行ってきました.一方,土壌中に保存される植物珪酸体(プラントオパール)に関する研究にも携わっています.
以下に宇都宮大学地質研究室の沿革と行われている研究を紹介します。
1968年4月〜 1994年9月 宇都宮大学教養部地学教室
1994年10月 大学改組により地学教室教員2名は農学部へ配置換え
1994年10月〜 2013年3月 宇都宮大学農学部生物生産科学科 植物生産学コース地質学研究室(在学生が卒業する2016年3月まで)
2013年4月〜 宇都宮大学農学部生物資源科学科 地質学研究室
阿久津 純 名誉教授 (1951年4月〜1991年3月在籍)
酒井 豊三郎 名誉教授 (1980年4月〜2008年3月在籍)
相田 吉昭 教授 (1991年4月〜現在)
当研究室では,世界の主要な博物館( 米国スミソニアン自然史博物館,スイスバーゼル自然史博物館,ドイツベルリン自然史博物館,つくばの国立科学博物館) と研究機関( 米国テキサスA&M大学,ドイツブレーメン大学,ニュージーランド地質学・核科学研究所) に対して,宇都宮大学微古生物学レファレンスセンターとして放散虫の標準プレパラート標本を作成・提供している国際的な研究支援活動を1994年以降継続して行っております.
2000年に宇都宮大サテライトMRCとして国際認証を受け,国際深海掘削計画(ODP)により採取された深海底コア試料の処理と放散虫プレパラートの作成を担当し,放散虫プレパラート標本の保管・管理と研究者や学生への公開利用・データベースの提供などの活動を行っています。また,農学部地質学研究室は教育学部地学教室と工学部地域施設学研究室とともに共同して日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)の正会員として登録して,統合国際深海掘削計画(IODP) の研究教育支援活動を積極的に行っています.夏休みに開催される微古生物学サマースクールには研究室の学生が毎年参加しています.