森林科学科のカリキュラムの特色は、森林の育成・管理から生産物の加工利用までの一連の流れを基軸として、森林の持つ木材生産機能と環境保全機能を総合的に学習する点にあります。 そのため、学科の授業科目は、自然科学から社会科学までの広範な分野から構成されている。また、演習林を中心とした実践的野外実習が重視されており、森林に関わる専門分野の基礎から応用にわたる科目と、実習科目が機能的に組み合わされたカリキュラムになっています。
森林科学科では、カリキュラムを育林学、森林社会科学、森林工学、林産学の4つの教育分野に分類しています。また、各教育分野で開講する科目の位置づけが明らかになるように、全ての分野の基礎となる基軸科目群(導入、総合)、各専門分野の基礎となる専門基礎科目群、分野ごとの専門科目群の3つに大別しています。これらの科目群を、基礎から応用に向けてバランス良く修得していくことによって、森林科学の教育分野全般を体系的に学習出来る構成になっています。
ⅰ)基軸科目(導入)
基軸科目には、以後の学習をして行くうえで不可欠な科目群が設定されており、森林科学及び各教育分野の全体像を理解することを目的とした、森林科学論I・II、国際森林科学論、農学部コア実習(演習林)、および後の学習で必要になる基礎知識を学習する、樹木学、森林測量学Ⅰ・Ⅱなどが含まれています。
ⅱ)専門基礎科目
専門基礎科目は、各教育分野の専門科目を理解するのに必要となる科目群であり、森林基礎生物学、森林基礎化学、森林基礎経済学、基礎統計学、森林基礎力学などの科目が含まれます。
ⅲ)専門科目
各教育分野の専門科目には、4つの教育分野の専門科目が含まれます。これらの専門科目には、森林科学科の学生が必ず修得すべき学習領域が必修科目として設定されています。さらに、各自が希望する専門選択科目を学習することによって、森林、林業、林産業に対する専門知識を深めて行くことができます。
ⅳ)基軸科目(総合)
基軸(総合)科目は、森林科学の思想と技術を学習・修得した後、さらに専門家としての資質を高めるために設定された科目群であり、特別講義Ⅰ、特別講義Ⅱ、森林インターンシップ、森林科学総合実習、卒業論文が含まれます。これらの科目では、それまでに学んだ知識を活用して、専門領域の体験学習や研究、実験、企画立案などに取り組み、森林専門家・技術者としての総合力を身につけます。