学科概要


森林科学教育に対するわたしたちの理念と使命

宇都宮高等農林学校建学以来、実学、すなわち現場(フィールド)に根ざした実践的・体験的教育を根幹した農学教育をその基本的スタンスとしてきた経緯があります。森林科学科ではこの教育目標の伝統を受け継ぎ、今後の森林科学の新しい展開方向を加味しながら、よりよい教育プログラムへの改良に向けて今後も鋭意研究努力を重ねていく予定です。森林科学科の「理念と使命」は以下のように設定されています。


理念:
森林と人間との多様で持続的な関係の構築をめざす。

使命:
人間社会の持続的発展のための森林資源の利活用を探求することを通して森林に関わる実践的専門家を育成する。

宇都宮大学森林科学科の教育体系

 森林科学科の特色は、森林の育成、管理から生産物の加工利用までの一連の流れを基軸とし、森林の持つ木材生産機能と、環境保全機能を総合的に学習する点にあります。本学科の授業科目は、自然科学系から社会科学系までの幅広い分野から構成されていますが、特に演習林を主体とした実践的野外実習が重視されており、森林に関わる専門分野の基礎から応用にいたる科目と、実習科目が有機的に組合されたカリキュラムとなっています。

カリキュラム構成

 カリキュラムでは、専門分野を体系的に学習していくために、育林学、森林社会科学、森林工学、林産学の4教育分野に大別されており、授業科目は、すべての分野にまたがる基軸科目(導入、総合)、専門基礎科目および各教育分野の専門科目の3つに分類されます。
 1・2年次では、森林科学の全体像を把握するための基軸科目(導入)である森林科学論I,II,国際森林科学論、農学部コア実習(演習林での基礎実習)をはじめ、樹木学、同実習、森林測量学、同実習、森林基礎生物学、森林基礎化学、森林基礎力学、森林基礎経済学、基礎統計学など、後の学習を進める上で不可欠な専門基礎科目を必修科目として学習します。さらに学年の進行にともない、各4教育分野の根幹をなす必修科目や、幅広い分野の講義、実験、実習、演習を選択科目として学習します。また、3-4年では、学んだ知識を活用して、卒業論文ゼミ、卒業論文、森林科学総合実習、森林インターンシップなどの基軸科目(総合)に取り組み、森林技術者(フォレスター)としての総合力を作り上げます。
 3年次前期の「オープンラボ」による研究室ガイダンスを経て、3年次後期から全学生が研究室に分属し、研究室での学習活動(卒論ゼミ等の演習科目)を通じて卒業研究を行ない、それを卒業論文として完成し、内容を卒業論文発表会で公開します。当該プログラムの主たる構成員である森林科学科および演習林専任教員は単独、または複数で研究分野(研究室)を構成しています。研究室は、森林生態学・育林学研究室、森林計画学、森林政策学、森林工学、砂防工学、森林資源利用学、木材材料学、演習林研究室の8研究室があります。