農業を語るとき誰もが 「土壌はとても大切」 と言ってくれます。有難いことです。しかし,主役になることは決してありません。それを承知で基礎と応用に関わる二方面の研究を意識的に行ってきました。実学に徹しないのは,応用研究がしばしばサイエンスとして論理学的矛盾をはらんだ目標をもち,土壌学の発展に必ずしも寄与できないことがあると考えているからです。
以下に宇都宮大学土壌学研究室で行われている研究を紹介します。
土壌学研究室が水田やイネを主たる研究対象としていることから,附属農場での試験研究が中心となります。高橋行継研と密接に連携し,共同で作業や研究を進めます。
コシヒカリの堆肥・化学肥料連年施用試験研究
宇都宮大学農学部附属農場育成品種「ゆうだい21」の肥培管理法に関する研究
環境にやさしい養分の低投入型栽培と土壌肥料学的問題の解決方法を見いだすための研究
里山の未利用有機物資源の活用や地域の生物循環を生かした持続可能な農法の確立
那珂川流域の里山において,休耕田を利用した学生参加型の「ゆうだい21」栽培
小学生のための里山教科書の製作
「教科書から土が消えている」平井英明(PDFファイルが開きます)
出展:岩波書店/科学,vol.85, No.11, 1100-1101
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo201511.html