Sala de Visita - Sala de Aula - Sala de Honjo
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本條 均 教授 Hitoshi HONJO, Professor
Phone:028-649-5479 e-mail:honjo@cc.utsunomiya-u.ac.jp
Global Climate Changeによる影響は熱帯・亜熱帯地域の方が大きく,気温上昇や水の過不足のために農業限界地の増加が予想されています。私たちの研究分野では,温帯地域と熱帯・亜熱帯地域を対比しながら,農業生産活動の持続性のための研究を行っています。私は,特に農業気象学的な観点から植物と環境の問題に特に興味を持って取り組んでいます。
最近の研究トピックス
気候温暖化などの影響により,特に秋・冬が暖かくなりすぎることで,果樹の開花や成熟に影響が出ています。暖かすぎて栽培不適地となりつつある産地も顕かになりつつあります。将来起こるであろう影響をより少なくするため,亜熱帯から温帯に位置する国(例えば,ブラジル)との共同研究を行っています。
1.冬の間,樹体の上か下に1枚のフィルムを掛けるか敷くだけで,日平均気温を上げないにも関わらず,ニホンナシの開花時期を2週間くらい調節できる,従来の促成栽培とは異なる非常に簡単な方法を開発しました。詳しくは研究成果をご覧ください。 | |
2.気候温暖化を想定して冬の気温上昇をシミュレーションすると,ニホンナシの場合宇都宮では平年気温+4℃の上昇まで,鹿児島では+2℃までは,温度上昇とともに開花が早くなっていきますが,それ以上暖かくなると開花が遅くなるという予測になりました。実際にわが国の西南暖地では,開花時期が大きく変動し始めています。詳しくは研究成果をご覧ください。 | |
主な開講科目(学部・大学院)
比較農学・作物栽培学:吉田先生(作物栽培学)分担して開講し,比較農学では北に位置する先進国群と熱帯地域に集中する発展途上国との相互協力と共生を考えながら,温帯域から熱帯域での大きな気象環境の違いと主要な地域における農業・食糧生産への関心を高めてもらうことが目的です。
栽培気象学:農作物を対象に生産と環境との関係の理解が目的です。農業・植物生産力と気候,耕地の微気象,作物の生理・生態と環境,気象・気候環境の利用・改良,作物生育シミュレーション,などの項目を扱います。
国際農業協力論:「国際協力」は我が国の重要な課題であり,発展途上国や生産限界地への農業協力は重要です。実施上の問題点の把握と発展途上国での農業事情等の紹介や農業協力の具体的事例を取り上げ,国際協力のあり方を考えます。
人間生活と植物(共通教育科目・分担):山根先生とともに,私たちとなじみが深い植物と食物の面白さを「くだもの」と「花」を主テーマとして紹介します。比較農学特論:Vaclav Smil著「Feeding the World- A challenge for the 21st Century」を教材に「21世紀に100億の民を我々は如何にして養うことができるか」をテーマに発表形式で進めます。
農業気象学特論:R. Geiger著「The Climate Near the Ground 6th eddition」を教材に農業気象学の基礎的概念を学びます。
主な研究テーマ・関連研究プロジェクト・共同研究・国際協力
1.気候温暖化にともなう植物生産への影響解明
1)科研費(基盤研究C2):温暖化気候変動が落葉果樹の休眠と生育に及ぼす影響の解明
2002-2005年:冬季の温暖化に伴う花芽の生育異常・落葉果樹の生態情報データベースの構築(完了)
2)農水省プロジェクト研究:作物及び家畜生産における気候温暖化の影響解明とその制御技術の開発
2003-2007年:環境制御による気候温暖化の影響緩和技術の開発
3)変動気候下での植物生育予測モデルの開発
4)高炭酸ガス環境下での熱帯・温帯植物の生態反応の解明
5)環境ストレス下における熱帯・温帯植物の生態反応の解明
2.先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(H17年度 地方研究領域)
北陸の気象,重粘土条件等での高商品性・省力果樹栽培技術の開発(中核:富山県農技センター果樹試験場)
2005-2008年:細霧システム等によるリンゴ及びカキの開花時期の調節技術の開発
3.微気象環境制御による環境負荷の小さい植物生育制御技術の開発
1) 農水省連携開発研究「画期的園芸作物新品種創出による超省力栽培技術の開発」 1997/2000年(完了)
2) 農水省プロジェクト研究「画期的園芸作物新品種創出による超省力栽培技術の開発」 2001/04年(完了)
3) 微気象環境変化と果樹の生態反応の解明
4) 植物の生産構造の解明
4.共同研究
海外:EMBRAPA/CPACT(ブラジル農牧研究公社・温帯農牧研究所,ブラジル・RS州・ペロータス市)
1997年からブラジル南部における落葉果樹の休眠現象の解明と温帯果樹の適応に関する調査研究を実施している。
1)2001年には,EMBRAPA/CPACTの2名の上級研究員 Dr.Flavio G. Herterと Dr. Silvio Steinmetz を受け入れ,公開セミナーを開催
(1) Dr. Flavio G.Herter(2001年9月):Research in Ecophysiology in Temperate Fruit in the South Brazil.
(2) Dr. Silvio Steinmetz(2001年8月):Main Aspects of the Rice Production in Brazil and Possibilities of International Cooperation in Research.
2)2005年には,第2回Workshop開催後にEPAGRI/Cacadorの研究者もグループに入り,今後の研究推進計画について協議 :共同で,RS州とSC州のニホンナシ園の現地調査を行い,花芽異常に関しての研究の成果,見解,制御法等について論議を行った。また,EMBRAPA/CPACTが主催するリンゴ生産組合(AGAPOMI)のセミナーにて講演を行った(Vacaria市,RS州)。
(1) H. Honjo (2005年9月):Fruit Production under Cover - in the Face of Global Warming-
3)2006年 8月 Dr. Flavio G. Herter(EMBRPA/CPACT)とDr. Gabriel B. Leite(EPAGRI/Cacador)の来訪を受け,公開セミナーを(独法)果樹研にて開催 演題:Temperate fruit production in warm conditions in south Brazil: problems and perspectives.
4)2007年10月 SC州フローリアナポリス市にて,ISHS国際シンポジウム開催予定(主催:EMBRAPA/CPACT & EPAFGRI/Cacador)New
国内機関:独立行政法人 農業・生物系特定産業技術技術研究機構 果樹研究所
公立研究機関など
4.国際協力
1) JICAプロジェクト「南ブラジル小規模園芸研究計画」に「農業気象」短期専門家として参加
(1997年6-10月・1999年11-12月)。
EMBRAPA/CPACT(ブラジル農牧研究公社・温帯農牧研究センター),
EPAGRI/Sao Joaquim & Cacador (サンタカタリナ州農牧研究公社サンジョアキン,カサドール試験場)。
担当課題:ニホンナシの花芽異常の発生要因の農業気象学的解明と対策技術の策定
2) JICAインドネシア作物保護計画 短期専門家(1982.2-4.) インドネシア作物保護総局(ジャカルタ・パッサルミング)
3) JICAトルコ半乾燥地域農業開発現地実証調査 調査団(1994.4.)農林村落省農場経営総局(アンカラ),チュクロバ農場他(アダナ)
主な研究活動業績
論 文(2001年以降):
8.
著 書(2001年以降):
3.耕地環境の計測・制御,(分担執筆),養賢堂,2001年
4.新訂 園芸被覆資材,(分担執筆),園芸情報センター,2004年
5. 栃木から環境をのぞくーみんなの環境学ー,(分担執筆),下野新聞新書1,下野新聞社,2005年
国際学会・研究集会(発表・講演)
1.Ecophysiological effects of global warming on Japanese pear production in Japan. Hitoshi Honjo and Toshihiko Sugiura, 2nd International Workshop -Temperate Fruit Trees Adaptation in Subtropical Areas-, 2005年9月,ブラジル・RS州ペロータス市で開催(招待講演)
2.Effects of global warming on Fruit production in Japan. Toshihiko Sugiura and Hitoshi Honjo, 2nd International Workshop -Temperate Fruit Trees Adaptation in Subtropical Areas-, 2005年9月,ブラジル・RS州ペロータス市で開催(招待講演)
3.A dynamic model for predicting the flowering date in Japanese pear. Toshihiko Sugiura and Hitoshi Honjo, 2nd International Workshop -Temperate Fruit Trees Adaptation in Subtropical Areas-, 2005年9月,ブラジル・RS州ペロータス市で開催(招待講演)
4.Ecophysiological effects of global warming on Japanese pear production in Japan, H. Honjo, R. Fukui and T. Sugiura, The 6th International Sympsium on Plant Responses to Air Pollution and Global Changes (APGC2004) , p.201, 2004年10月茨城県つくば市で開催
5.Dormancy and flowering control for Japanese pear by micrometeorological modification, H. Honjo, R. Fukui and T. Sugiura, International Symposium on Food Production in the Face of Global Environmental Deterioration, p.108, 2004年9月福岡県福岡市で開催
6.The DTS accumulation model for predicting the flowering date in Japanese pear trees in Japan, H. Honjo, R. Fukui, Y. Aono and T. Sugiura, 7th International Symposium on Computer Modelling in Fruit Resarch and Orchard Management, p.23, 2004年6月デンマーク・コペンハーゲン市で開催
7.A model to simulate the endodormancy development in flower buds of Satonishiki sweet cherry, T. Sugiura, H. Honjo and H. Sugiura, 7th International Symposium on Computer Modelling in Fruit Resarch and Orchard Management, p.25, 2004年6月デンマーク・コペンハーゲン市で開催
8. Effect of global warming on temperate fruit crop production . Yearly variation of flowering date for Japanese pear trees in Japan, Hitoshi Honjo, Ryo Fukui, Toshihiko Sugiura, International Workshop -Temperate Fruit Trees Adaptation in Subtropical Areas-, 2002年12月,ブラジル・RS州ペロータス市で開催(招待講演)
9.A new approach to controlling the flowering date for Japanese pear using reflective film technique, H. Honjo, Y. Kobayashi, M. Watanabe, R. Fukui, International Symposium on Asian Pears, 49, 2001年8月鳥取県倉吉市で開催
10.Effect of intermittent warm periods on bud break and carbohydrate contents of Japanese pear (Pyrus pyrifolia Nakai) in different endodormancy stages, H. Honjo, Y. Kobayashi, M. Watanabe, R. Fukui, International Symposium on Asian Pears, 91, 2001年8月鳥取県倉吉市で開催
11.Estimativa do final da endodormencia em Pereira asiatica, cv. Nijisseiki, pelo metodo cinamico, em Pelotas , RS.,
Flavio. G. Herter, Hitoshi Honjo, Maria de Freitas Oliveira, XI Congresso Brasileiro de Agrometeorogia - Reuniao Latino-Americana de Agrometeorologia(第11回ブラジル農業気象学会・第2回ラテンアメリカ農業気象研究集会),1999年7月,ブラジル・SC州フローリアナポリス市で開催
第10回ブラジル農業気象学会(1997年7月,パラナ州ピラチカーバ市)
国内学会(最近のもの)
1.微気象環境制御による気候温暖化の影響緩和技術の開発,本條 均,中西達郎,坂本あすか,福井 糧,朝倉利員,杉浦俊彦,日本農業気象学会2007年春季大会,27,2007
2.細霧装置等の利用によるリンゴの開花時期の調節技術の開発(第1報)リンゴの発芽・開花への影響,本條 均,西野真太,船橋志津子,福井 糧,大城克明,関口英樹,園学雑,Vol.75(Suppl.2),131,2006
3.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第6報)ブラジル南部におけるニホンナシの開花異常現象,本條 均,杉浦俊彦,朝倉利員,F.G.Herter,G.B.Leite,J.L.Petri,日本農業気象学会2006年春季大会,78,2006
4.園芸学会平成17年度秋季大会シンポジウム:果樹における気候温暖化の影響解明と制御技術 4.寒候期の気候温暖化が落葉果樹の休眠・開花現象に及ぼす影響,本條 均,園学雑,Vol.74(Suppl.2), 64-65, 2005(依頼講演)
5.微気象改変による落葉果樹の新作型の開発,本條 均,福井 糧,朝倉利員,杉浦俊彦,農業環境工学関連7学会2005年合同大会,p.643,2005
6.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第5報)ニホンナシ‘幸水’果実の発育・生長に及ぼす幼果期気温の地域・年次間変動,本條 均,青木俊輔,金原啓一,吉田 亮,福井 糧,朝倉利員,杉浦俊彦,園学雑,Vol.74(Suppl 1), 257, 2005
7.ハナモモの切り枝促成温度が開花に必要な低温遭遇量とHeat requirementとの関係に及ぼす影響,パワス アチャラー,藤重宣昭,山根健治,八巻良和,本條 均,園学雑,Vol.73(Suppl 2),310,2004
8.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第4報)ニホンナシ‘幸水’,’豊水’,’二十世紀’の開花・収穫日の年次変動,本條 均,小滝真知子,島田裕一,金原啓一,吉田 亮,福井 糧,杉浦俊彦,園学雑,Vol.72(Suppl. 2),338,2003
9.ハナモモの開花におけるGDH蓄積と低温遭遇量の関係,パワス アチャラー,藤重宣昭,山根健治,八巻良和,本條 均,園学雑,Vol.72(Suppl 2),129,2003
10.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第3報)ニホンナシ’二十世紀’の開花日の年次変動,本條 均,小滝真知子,島田裕一,吉田 亮,福井 糧,杉浦俊彦,農業環境工学関連5学会2003年合同大会, p.59, 2003
11.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第2報)ニホンナシ‘幸水’開花日の年次変動,本條 均,島田裕一,金原啓一,鈴木信男,福井 糧,杉浦俊彦,園学雑,Vol.71(Suppl.2),288,2002
12.冬季の温暖化が落葉果樹栽培に及ぼす影響(第1報)ニホンナシ開花日の地域・年次間変動,本條 均,島田裕一,内藤明子,鈴木信男,金原啓一,福井 糧,杉浦俊彦,農業環境工学4学会合同大会,150,2002
13.ニホンナシ自発休眠進行に及ぼす高温と低温の影響について,杉浦俊彦,黒田治之,伊藤大雄,本條 均,農業環境工学4学会合同大会,152,2002
14.光環境の変化がニホンナシの果実品質に及ぼす影響,磯 靖憲,本條 均,渡邉美菜子,小林由起,福井 糧,農業環境工学4学会合同大会,327,2002
略 歴
1974年4月 農林省果樹試験場栽培部 研究員 (1984年4月以降 主任研究官)
1987年4月 農水省九州農業試験場環境第一部 主任研究官
1990年4月 農水省果樹試験場栽培部 気象研究室長
1995年10月 宇都宮大学 助教授 農学部生物生産科学科
1999年6月 宇都宮大学 教授 農学部生物生産科学科
2001年4月 東京農工大学大学院 連合農学研究科 併任
所属学会(役職等)
日本農業気象学会(1991〜2003,2005〜07:評議員,1991〜95:編集幹事,2001〜05:編集委員・副編集委員長(2003-05),2004国際シンポジウム組織委員他)
日本熱帯農業学会(1996〜2002:編集委員)
園芸学会(2003〜05:編集委員)
米国園芸学会
国際園芸学会
気象利用研究会
社会活動
財団法人アジア農村交流協会(1999年〜2006年:評議員)
栃木園芸懇話会(2001〜04年:会長)
独立行政法人農業技術研究機構果樹研究所 試験研究推進会議外部委員(2002,03,04,05年度)
取得特許
1997年9月5日登録 特許第2692048号 「非破壊モモ糖度測定法」特許権者 農水省果樹試験場長発明者 杉浦俊彦・本條 均