平井英明 教授 hiraiあcc.utsunomiya-u.ac.jp
フィールドに出て土まみれになって研究してきました.これからもその姿勢で,研究を続けたいと考えています.
現在は,地域資源を循環利用した水稲栽培に関する土壌肥料・作物学的研究や東南アジアの傾斜地および里山における農学的研究に取り組んでいます。
【近年の研究トピックス】
- 宇都宮大学農学部附属農場において実施されているコシヒカリの堆肥・化学肥料連年施用試験研究。
- 環境にやさしい養分の低投入型栽培と土壌肥料学的問題の解決方法を見いだすための研究。
- 那珂川流域における学生参加型コシヒカリ栽培と小学生のための里山教科書の製作。里山生業実習プログラムを里山の達人とともに考案しています。
- 学習指導要領における土の取り扱い方に関する変遷と今後の課題。
【開講科目】
- 分析化学実験(2年後期)
- 自然界とくに,植物や土壌・岩石中に含まれる様々な元素を化学的な手法を用いて分析する方法を,実験を通じて学びます。
- 基礎土壌学(3年前期)
- 自然体としての土壌の“顔”の見方,植物に欠かせない空気・水・養分,土壌がもつ機能に関係する構造(団粒)・粘土鉱物・腐植等について解説します。また,畑,水田,林地としての土地利用に関わる特性と管理について学習します。
- 植物生産学実験U(3年前期)
- 植物の生産基盤および養分供給の場である土壌特性を,分析化学的手法によって定量評価する手法を習熟します。
- 国際土壌環境論(3年後期)
- 土壌がおかれている環境要因と土壌の特性の関連性を国際的な観点から理解し,人類がそのおかれた環境において創出してきた生命維持に不可欠な農業の合理性を土壌学的側面から理解することを目標の一つとしています。
- 土壌学特論(大学院1年後期)
- ペドロジーの中で,人為という土壌生成因子に焦点を当てて,近年の最新の研究成果について,水稲生産,東南アジアの傾斜地農業,里山における生態系管理に関する最新の研究成果から,ペドロジーの考え方をベースにした考え方を習得します。
- この他に,生物科学実験(土壌の観察),植物生産学実験W(堆肥センター見学)を行っています。
【最近の研究業績】
- 平井英明,篠崎亮介,星野幸一.小学校理科,社会科および生活科の学習指導要領における土の取り扱い方の変遷と小学校理科における土の学習内容の提案.日本土壌肥料学雑誌,82(1):52-57
(2011).
- 平井英明,三瓶尚子,石井絵里,星野幸一,後藤貴子,栗田義之.栃木県育成イチゴ品種の葉身ケイ素含有率およびSi/Caモル比の品種間差.日本土壌肥料学雑誌,81(6):584-588
(2010).
- 付杰奇,星野幸一,平井英明,加藤秀正.経済的立地限界の茶栽培−被覆肥料の利用による化学肥料の低減が一番茶の生育と品質に及ぼす影響−.日本作物学会紀事,79(2):120-129
(2010).
- 斉藤奏枝,松野更和,平井英明,加藤秀正,前田忠信.アロフェン質黒ボク土水田における有効態リン酸の周年変動と牛ふん堆肥連用の効果.土肥誌,78:
283-289 (2007).
- 平井英明,高柳頼人,星野幸一,加藤秀正.タイ国北西部におけるカレン族の土地評価法に関する研究−陸稲の生育収量と土壌の理化学性からみた在来の土地評価法の吟味−.熱帯農業,49:
159-168 (2005).
- Hirai, H. and Hamazaki, T.: Historical aspects of soil classification in
Japan. Soil Sci. Plant Nutr., 50, 611-622 (2004).
- 平井英明,橋本均,田中治夫,伊藤豊彰.日本の統一的土壌分類体系−第二次案(2002)−を用いた男体山東麓地域に分布する土壌の分類と国土調査の土壌分類との対比.ペドロジスト,48:
16-23 (2004).
- 平井英明,高柳頼人,水口有里,加藤秀正.タイ国北部におけるカレン族の土地評価に関する研究−農耕民の雑草による陸稲栽培地の評価の可能性と雑草バイオマス・雑草種の元素組成・土壌特性との関連性−.熱帯農業,47:
98-108 (2003).
宇都宮大学農学部附属農場におけるアロフェン質黒ボク土におけるBray No. 2法抽出リン酸と鉄の周年変動
里山における耕作放棄水田を活用した無農薬水稲栽培の実習の様子