バラ科(Rosaceae)の花
撮影地表示がないものは宇都宮大学内で撮影

 バラ科の仲間には,多くのくだものがあり,モモ,ウメ,スモモ,アンズ,イチゴ,キイチゴ,リンゴ,ナシ,ビワ,カリン,マルメロが知られています。ここでは,果実ではなく,花の色や形態をお楽しみください。

1.桜,梅,桃の枝垂れ性の花

 枝垂れとは,ジベレリン(植物ホルモンの一種)の供給バランスがくずれて,枝の生長速度が速すぎて,新しい枝が硬く(木化)なる前に伸びすぎてしまって垂れ下がることになると考えられている。

ヤエベニシダレ(Prunus pendula f. pendula

ハナモモ(枝垂れ性)

ウメ(Prunus mume):枝垂れ性(つくば市にて)

シダレザクラ(Prunus pendula f. pendura

2.一重咲きと八重咲き・花の色は?

八重咲き(オオシマザクラ系)

一重咲き(ソメイヨシノ:P. ×yedoensis)

緋寒桜(久能山にて,2004年2月始め)

ニワウメ(P. japonica
果実は食用,種子は薬用となる

モモ(P. persica):京更紗枝垂れ?
観賞用のハナモモ(枝垂れ性,咲き分け)

同左:このような咲き分けはキメラ状の変異

寿星桃(P. persoca var.)矮性で節間短い。
一重・八重があり,白,紅,桃,咲き分けがある,(手前から紅,白,桃の順にならぶ)

 

ホウキモモ
 

 ハナモモのほうき立ち品種で,ほとんどの枝が直立する。一重が多く,花色は桃,白,咲き分けである。

オヒヨモモ(P. triloba

キクモモ(P. persica )花弁が細く菊咲き

生食用モモ品種「白鳳」:一重咲き

 
 サクラ属(Prunus)は,以下のように分類
1.ウワミズザクラ亜属
2.サクラ亜属
 サクラ節
 セイヨウミザクラ節:サクランボ
 マハレブ節
 フィロケラスス節
 ミヤマザクラ節
 ユスラウメ節:ユスラウメ・ニワウメ
3.スモモ亜属
 アンズ節
 スモモ節
 プルノケラスス節
4.バクチノキ亜属
5.モモ亜属

 リンゴ(Malus domestica)バラ科リンゴ属
蕾は始め桃色であるが,次第に淡色化し,開花中の花弁は白色である。花弁・萼片・花柱は5本で子房は5室に分かれる。リンゴは先端の中心花から下位に順次咲いていくが,ナシは下位の小花から順次咲き上がる。写真は品種「こうたろう」。

  ニホンナシ(Pyrus pyrifoliaナシ属
 セイヨウナシはP. communisである。7世紀頃から栽培されている。花弁・萼片は5本で,花は白色である。写真は品種「豊水」

  クサボケ(Choenomeles japonica
 本属で自生する唯一の種で,本州と九州の野山に生息する。花は朱色に近い淡紅色。C. speciosaが多くの園芸品種を持つ。

ビワ(Eriobotrya japonicaバラ科ビワ属
中国と日本の原産で,花は白色で,開花期は11月中旬から翌年2月くらいの長期間に及ぶ。1花序当たりの花数は,60から200にも及ぶ。果実は初夏に成熟し,多くの栽培品種がある。

バラ(Rosa cvs.)バラ科バラ属
ハイブリッド・ティー系園芸品種「丹頂」

バラ:一重咲き

3.バラ科ではないもの
 名前に「梅」が付いているが,梅の仲間ではない:「ロウバイ:蝋梅」

  ロウバイ(Chimonanthus praecox
 ロウバイ科ロウバイ属
 花被片は黄色であるが,内側のものは短くて暗紫色。蝋梅とかかれるが,梅の仲間では無い。



クロバナロウバイ(Calycanthus属 )ロウバイ科
C. floridusか,C. fertilisのいずれかは未確認。(足利学校にて撮影)

 蔓苔桃と「桃」モモがついているが,モモの仲間ではない。
 オオミノツルコケモモ
Vaccinium macrocarpon
 Cranberry
 ツツジ科スノキ属
 花は淡紅色で,4裂して反り返る。

続く