摘果:果樹の栽培管理 |
人間生活と植物 |
摘果(摘蕾・摘花)の目的
開花や果実の成長には貯蔵養分,光合成産物,根から吸収された無機成分を多く必要とするため,花数や果実数が多いと果実が小さくなったり,樹体生育などに様々な悪影響がある。そのため,余分な果実,蕾,花を間引くことにより, a)花芽分化に必要な体内養分を確保し,隔年結果を防ぎ連年安定生産,b)着果数を適正に管理し,果実の大きさや商品性の向上,c)新梢を適度に生育させて樹勢の維持を図ること,などである。 |
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リンゴの花が咲き,幼果ができるまで
受精した果実は開花後1ヶ月くらいは盛んに細胞分裂を行い,その後は細胞の肥大成長により果実サイズを増加する。気温(夜温)が高いほど肥大が良い。幼果期の平均気温が高いと満開から収穫までの日数が短くなる(例:ニホンナシ「幸水」)。
参考資料:新編果樹園芸学(化学工業日報社,2002) |
摘果の時期は?
つぼみ時に行う摘蕾(らい),開花時に行う摘花,幼果期に行う摘果がある。摘果の時期は早いほど良く,摘果<摘花<摘蕾の順に効果が大きい。しかし,摘果の後で晩霜害や早期落果があると過剰に果実を落とすことになるので,予備摘果と仕上げ摘果ので果実数を調整する。 予備摘果は,細胞分裂の終了以前に行うことが望ましく,リンゴでは満開後25日頃までに予備摘果,60日までに仕上げ摘果を行う。ニホンナシでは満開後14日頃までに予備摘果,30日頃までに仕上げ摘果を,モモでは同20-30日後までに予備摘果,40-50日頃までに仕上げ摘果を行う。カキの場合は開花前10-15日頃に摘蕾,7月上旬頃に仕上げ摘果を行う。 1果当たりに葉は何枚必要か?
摘果程度
ニホンナシ棚仕立て園 |