相田 吉昭 (あいた よしあき) 准教授 地質学研究室 (共通教育C棟4F)
e-mail: aida@cc.utsunomiya-u.ac.jp; 内線5427

A.自己紹介
 山形県米沢市生まれ.教官になって15年ですが,いまだに先生と呼ばれるのに抵抗感があります.秋田大に6年,宇都宮大は10年目に今年から突入です.
 大昔の地球の海洋に生きていたプランクトン化石の研究をやっています.地質学と海洋微古生物学が専門です.微化石から海洋の古環境や気候の変遷を探ろうとするロマンに満ちた分野?です.実際は山の中を歩き回り調査したり,海へ出て深海掘削調査船に乗って深海底の試料を採集したりするフィールドサイエンスを重要視しています.ニュージーランドの中生代の地質の研究を15年続けており,ニュージーランドに行くために研究をやっているといううわさを打ち消すため,真剣な毎日の日々を送っています.
 現在の研究テーマは5本柱です.
1.足尾山地の中生代層の層位学的研究
2.ニュージーランドの中古生層の地質学的研究
3.南半球高緯度帯の中生代放散虫化石に関する研究
4.珪質堆積物における古海洋環境変遷に関する研究
5.国際深海掘削計画(ODP) に基づく深海底堆積物を用いた新生代古環境解析

 農学部植物コースと教育学部理科地学の卒論生/大学院生が,一緒に研究を行っているという学部の枠(もしあれば)を越えた教育・研究を行っているオープンな研究室です.
キーワードは各人がおもしろく研究することです.

B.愛読書紹介
「アラスカ風のような物語」 星野道夫(1999) 小学館文庫 
「表現者」 星野道夫(1998) スイッチ・パブリッシング
「ノーザンライツ」 星野道夫(1997)  新潮社
「森と氷河と鯨」  星野道夫(1996)  世界文化社
「アラスカ光と風」 星野道夫(1995)  福音館日曜日文庫
 これら5つの本は,アラスカの大自然とそこに住む人と動植物の生きざまを愛した男・星野道夫のすべて を表現する本です.あなたも星野道夫を好きになるでしょう.
「シャーマンの弟子になった民族植物学者の話(上・下)」マーク・プロトキン(1999) 築地書店
 シャーマンは洋の東西を問わず,太古からつい最近まで人々の生活に密着して存在してきており,人と人 の結びつき・人と自然との結びつきを介在させる能力を持った人です.

C.主要な開講科目
層位学(3年生前期):堆積学の基礎と地層の積み重なりの規則性,海洋微古生物学の初歩に関する基礎的内容 を講義します.
 教養教育科目・自然系地学に関する科目,地球環境史・古生物学原論・日本列島の成立・応用古生物学や地学野外実習,地学実験など,また複合系科目の野外調査論を担当しています.

D.今後の研究課題
 宇都宮大学・山口大学・東北大学の共同研究プロジェクト,「三畳紀前期珪質頁岩層の高精度地質調査と微化石層序の確立」の研究で,東京農工大農学部附属演習林の地質学的調査をこれまで5回の泊まり込み共同調査を実施しています.
 当研究室では,1994年から国際深海掘削計画(ODP)の微古生物学レファレンスセンター(MRC)の組織に加わり,深海底堆積物の処理と放散虫プレパラートの作成を担当し,世界8カ所にあるMRCセンターへ送付しています.今年度からは宇都宮放散虫サテライトMRCセンターとして国際的に認知され,活動を継続して行く予定です.

E.研究室行事
 新入研究室生歓迎バーベキュー,夏休み前フィールド突入コンパ,など各種事欠きません.南半球の赤ワインにこだわる先生が多いので,おいしいワインが飲めます.
昨年の卒業旅行は中禅寺湖金谷ホテル1泊ツアー.

F.モットーは「研究室の伝統は自分たちが新たに創り出すものだ」のもとに新企画を打ち出せる人.着実さと大きくジャンプしたいという心の双方を持つ人.化石やフィールド調査に興味を持つ人.ニュージーランドに関心がある人など大歓迎です.


地質学研究室

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