にわか雨(shower)驟雨あれこれ

栽培気象学


突然のシャワー

晴れるとこの通り(いずれもJakartaにて,1982年3月)

 雨量(rainfall)と降水量(precipitation)は厳密には異なる。雨は雲から落下する水滴であるが,降水には雨,雪,霙(みぞれ),雹(ひょう),霰(あられ)が降る現象の総称である。露や霜も広義の降水に含められる。

 にわか雨は,急に降り始め,短時間のうちに止む雨で,降り方も急速に変化する。我が国では,熱帯地方の驟雨(にわか雨)の類義語として,「スコール:squall」が使用されることが多い。スコールは,風が急激に強まり,数分間にわたり突風が吹くことを指し,類義語のガストより継続時間が長い。降水や雷の有無により,無降水の場合のwhite squall, 降水有りのblack squall, 雷を伴うthunder squallと名前が異なる。

 また,雷雨(thunderstorm)は雷を伴う驟雨の1種で,寒冷前線や台風などに伴う発達した積雲・積乱雲によって生じることが多い。しぐれ(時雨)は短期間の比較的弱い降水で,断続的に降り,雪や霰(あられ)を付随することが多い。冬季に日本海側などでしばしば発生する。

 雨の降り方と1時間あたりの降水量

雨の降り方
時間降水量
弱 雨
weak rain
3mm未満
並 雨
moderate rain
3 - 15mm
強 雨
strong rain
15mm以上
微 雨
light rain
1mm未満
大雨・豪雨
heavy rain
50mm以上

出典:日本農業気象学会発行「新編 農業気象学用語解説集」(1997)