雹(ひょう)と霰(あられ)

栽培気象学

hail / snow pellets, ice pellets, small hail 関東内陸の夏の風物詩「ひょう」

上:雹が直撃した桃果実

下:激しい降雹により幹が損傷した傷跡(ニホンナシ)


上:冬季の霰(1987年12月,福岡にて) 

 雹と霰は,その大きさで区別され,直径5mm以上の固形の降水粒子を雹粒と呼び,それが降る現象は降雹という。直径が,2から5mmのものを霰という。

 霰には,雪の結晶に過冷却雲粒が付着し凍結した白色不透明な雪霰(上の写真),粒が半透明か透明な氷の氷霰がある。凍雨は雨滴が落下中に凍結したものを言う。

 雹は大きいものでは数cmに達し,10cmを超える雹も観測されている。雷雨時に降る場合が多く,しばしば激しい突風やダウンバーストを伴う。

 雹粒の衝突により,枝幹の折損や葉・果実の損傷,それが誘引となった病虫害の発生,農業施設への被害などを雹害という。

 関東内陸の頻発地域の果樹園では,防鳥・防虫を兼用した防雹(防災)網の設置が常識になっている。

 ニホンナシ幼果に残る降雹の傷跡(2005年5月17日 附属農場にて)

追加資料:激しい降雹により損傷したソバ(2005年10月調査)