キャッサバ(Cassava)

比較農学

熱帯アメリカ原産の貴重な食用作物  学名(Manihot esculenta,マニホット,マンジョーカ,イモノキ

cassavaの葉

堀り上げたcassava塊根(宇都宮大学にて栽培)

Pelotas市の日曜市場にて(2002年12月):0.6R$/kgの表示

 ファリーニャ(右の写真)はブラジルのスーパーマーケットで購入したものです。袋に入っているものが,ファリーニャのなかでも精製されているほうです。料理に入れて使います。皿に入っている,少し粒の粗いざらざらしたものが,本来のファリーニャです。ソーセージや豚肉のバーベキュー(シュラスコ)時につけたり(繊維が多いので消化が良くなると彼らは云っています),伝統料理(フェィジョアーダ)に混ぜたりするようです。

 ファリーニャの作り方を述べますと,さらしてすりおろし,毒(青酸配糖体)の混じった汁液を大部分とり除いてから,鉄鍋で炒ります。すると青酸化合物の含量が食用に大丈夫な程度に減少します。

 通常の芋のままでも,皮をむき,煮る,焼く,油で揚げる,水でさらす,発酵させる,切り干しにするなど,多くの加工方法が知られています。

 原産は熱帯アメリカであり,トウダイグサ科の低木で約1〜5m,葉は掌状で互生,葉柄が長く,木質化した茎には中心に柔組織があり,水分調節に重要な役割を持つらしい。根には,サツマイモに似た巨大な塊根ができる。挿し木で繁殖される。

 栽培は,南北緯30°以内、標高が2000m以下の熱帯を中心に(インド,西アジア,北アフリカ等の乾燥地帯を除いて)広く栽培されています。アジアやアフリカの重要な食用作物です。生育途中の干ばつにも耐え,雨があると生育を再開する非常に強い作物で,デンプン含量は30〜40%に及び,収穫指数は60〜75%に達する。

 ただ,塊根中に有毒な青酸配糖体が含まれ,その含量により,甘味種から苦味種に分けられる。青酸の含量は甘味種といわれる品種は青酸含量が低く,おいしいのですが,収量が低く病気にも弱いようです。これが人の食用になっています。苦味種は青酸配糖体の含量が多いのですが,収量が大きいので,通常は食用とせず,デンプン(タピオカデンプン),飼料用のペレット・キューブに加工されて,我が国やEUへ輸出されています。

インドネシアのcassava畑

上の中央がcassava,左がポンカン(SC州,Brazil)

ファリーニャ

上の袋のcassava(Mandioca)の絵柄に注意:右は,ファリーニャ