居城幸夫(いじろ ゆきお) 教授 農場園芸研究室(園芸生産技術学)

Yukio IJIRO, Professor
e-mail :  ijiro@cc.utsunomiya-u.ac.jp   Phone:0285-84-1254

●自己紹介
出身地は新潟県新発田市,現住所は栃木県鹿沼市(園芸用土の鹿沼土やサツキの産 地)です.専門は園芸学ですが、なかでも花卉園芸学を研究の中心にしています.しかし、専門に拘らず,園芸関係の農業実習や園芸生産技術学の授業を担当し、園芸作物[果樹,野菜,花卉(草花,花木,観葉植物等の観賞植物)]について生産現場に応用できることを目的に鉢栽培,露地栽培及び組織培養を通して,教育および試験・研究を行っている.新しい種類の花卉の導入についての研究も行っている.市民に対しては【楽しい趣味園芸】なるものをやっています.



●最近の研究トピック

 
切り花や鉢花で需要の高いサンダーソニアの種子の発芽は非常に遅く、6か月を要し、種子出芽促進には種皮除去後の低温処理が優れ、種皮無し種子を振とう後低温処理すると効果があることが明らかにされた。サンダーソニアを昼
/夜の温度が高温(30/24),中温(24/17)および低温(17/12) で育てると,中温が地上部(葉・茎・花)および地下部(球根、根)の生育に適しており、特に塊茎の形成・肥大に適していることが明らかにされた。最近話題になっているゴヨウツツジ(シロヤオ)をはじめとするヤシオツツジの仲間は栃木県花にもなっているが種子繁殖では開花まで20~30年を要し,挿し木や接ぎ木などの栄養繁殖は困難とされてきたが、発根まで2か月かかるが、挿し木繁殖は可能であることが明らかにされた.


●開講科目

【学部】 園芸生産技術学果樹・野菜・花卉と大きく分けられる園芸作物も,またそれぞれ多くの種類や品種を含んでおり,栽培方法も異なる。これらの園芸作物を生理生態学的に明らかにしつつ、効率的な栽培・生産技術さらに環境保全型・持続的農業としての園芸生産について学習します。

 農業実習T:果樹・野菜・花卉の栽培の基礎について体験してもらいます。

 農業実習U:果樹・野菜・花卉の専門的な生産技術について、理論と実際の融合できるような実習を行います。

【大学院】   園芸生産技術学特論、生物生産学特別研究、生物生産学特別実験

愛読書

 園芸や植物さらに環境や生態に関するもの.

今後の研究課題

 球根植物の球根形成・肥大および開花生理、花卉の組織培養、花木の開花生理と繁 殖・増殖、園芸と人とのかかわり、園芸作物の循環型生産技術開発、矮性果樹の生育 と収量、野菜の育苗と栽培法の違いによる生育と収量

研究室行事

 飲み会や旅行は園芸学研究室と一緒に随時行っています。農場の花見会や収穫祭で は当研究室の学生も自由に参加しています。

希望学生

 植物や園芸作物を育てることが大好きで、また実験・研究に対して熱意のある学 生、あるいは理由はないが当研究室でやりたい学生大歓迎

●主な研究業績

 居城幸夫・堀  裕. 1983. グラジオラス及びオキザリス(Oxalis  bowieana   Lodd.) におけるけん引根の肥大・収縮と子球の肥大について. 園芸学会雑誌. 51(4):449ー458.

 居城幸夫・堀  裕. 1983. 生育温度がグラジオラス及びオキザリス(Oxalis

bowieana   Lodd.)  のけん引根及び子球の形成・肥大に及ぼす影響. 園芸学会雑誌. 51(4):459ー465.

 居城幸夫・堀  裕. 1983. グラジオラス及びオキザリスにおける母球の植え付け深さがけん引根及び子球の形成・肥大に及ぼす影響. 園芸学会雑誌. 52(1):51ー55.

 居城幸夫・堀  裕. 1983. グラジオラス及びオキザリスのけん引根に貯蔵された光合成産物の子球への再転流について. 52(1):56ー64.

 居城幸夫. 1984. 球根植物における球形成に対するけん引根に対するけん引根の役割に関する研究. 宇都宮大学農学部学術報告特輯第41号:1ー90.

 居城幸夫. 1985. 生育前期の高温に伴うフリージア, 球根アイリス及びスイセンの葉数の増加が子球の形成・肥大に及ぼす影響. 宇都宮大学農学部学術報告. 12(3):25ー29.

 居城幸夫. 1986. ゴボウの空洞に関する研究(第1報). 各部位の発育経過と空洞の発生について. 宇都宮大学農学部学術報告. 13(1):111ー121.

 居城幸夫・生田目 功・菊池貞夫. 1986. ゴボウの空洞に関する研究(第2報).空洞の発生に及ぼす深耕ならびに株間の影響. 宇都宮大学農学部農場報告第2号:11ー17.

 居城幸夫. 1987. ゴボウの空洞に関する研究(第3報). 品種と空洞の発生について. 宇都宮大学農学部学術報告. 13(2):1ー8.

 居城幸夫・一前宜正・若林荘一. 1988. 熟畑化に伴う農耕地雑草(第1報). 耕地および未耕地の雑草の種類と生活型について. 宇都宮大学農学部農場報告第4号:1ー25.

 居城幸夫. 1989a. ゴボウの空洞に関する研究(第4報). 空洞の発生及び生育に及ぼす温度の影響. 宇都宮大学農学部学術報告. 14(1):79ー84.

 居城幸夫・菊池貞夫. 1989b. ゴボウの空洞に関する研究(第5報). 葉の切除方法及び切除時期が空洞の発生に及ぼす影響. 宇都宮大学農学部農場報告第5号:15ー19.

 Ijiro, Y  and  R. Ogata.  1997.  Effect  of  ambient  temperature  on  the  growth  and   development  of  amaryllis  ( Hippeastrum  hybridum  hort. )  bulbs.   J.  Japan .  Soc. Hort. Sci.  66(3・4) :575ー579.

 Ijiro, Y  and  R. Ogata.  2000.  Effects  of  different  diurnal  temperatures  on  the  growth  of  sandersonia  (Sandersonia  aurantiaca  Hook.)  plants.   J.  Japan .  Soc. Hort. Sci. 69(4): 410-415.

 居城幸夫・上野 久.2002. サトイモ栽培における種イモとしての親いも利用が生育・収量に及ぼす影響.農作業研究.37(2):61−66.

●所属学会

園芸学会、アメリカ園芸学会、日本農作業学会、日本植物細胞分子生物学会、日本 

生物環境学会、日本植物工場学会、日本農業教育学会

●略歴

 昭和28年 6月 生まれ

 昭和57年 3月 東北大学大学院農学研究科(農学専攻)博士課程修了

   農学博士(東北大学):球根植物における球形成に対するけん引根の役割に関する研究

 昭和59年 9月 宇都宮大学農学部助手

 昭和63年11月 宇都宮大学農学部助教授

 平成14年 4月 宇都宮大学農学部教授

         現在に至る


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