施設栽培 (protected cultivation)

栽培気象学


山の斜面に広がるブドウの施設栽培(山梨)
手前のブドウは萌芽前で,モモ樹は満開(車窓から)

海岸に集中したイチゴのプラスチックハウス群(静岡)

背の高いサクランボハウスと露地のブドウ・スモモ(山梨)

参考:日本農業気象学会発行「新編 農業気象学用語解説集」(1997);日本施設園芸協会発行「園芸用ガラス室・ハウス等の設置状況(2000)

 

 ガラス室・プラスチックハウスやトンネル等を利用して,気象や根圏等の環境条件を人為的に制御しながら,作物の生産性や品質向上を図る栽培法であり,我が国の園芸生産には欠くことが出来ないものである。

 ガラス室とプラスチックハウスの合計面積は,2000年には,53518ha(野菜:37484,花き:8909,果樹:7124ha)であり,それに,雨よけ施設13571ha(野菜:7012,花き:1190,果樹:5370ha)と野菜のトンネル(38507ha)も加えると10万haを超えるほ場が何らかの施設を利用していることになる。

 

ブドウの雨よけ栽培

 使用する施設・装置の種類,被覆の方法の違いにより,栽培法が温室栽培,雨よけ栽培,遮光栽培,トンネル栽培などのように分類される。

 べたがけ栽培は通気性の不織布,寒冷紗,ネット類で作物を覆い,保温,高温抑制,防虫,防風をはかる栽培法である。露地,トンネル,温室内で使用される。

べたがけ栽培(沖縄)

 日長処理を目的とする電照栽培や短日遮光栽培,生育促進や品質向上を狙った補光栽培に加えて,植物工場のような完全人工照明による人工光栽培まで行われる。