マンゴー くだもののある風景(その4)
mango( Mangifera indica L. )

露店に並ぶマンゴー;1袋100円程度(ブラジルにて)

 

マンゴーの花(花序)

マンゴーの成木(インドネシア:西ジャワにて)

 

着果状態のマンゴー(上)とその樹(Hawai'iにて)

 マンゴーはウルシ科の植物で,マンゴー属には約40種あるが,うち15種が食用として利用されている。

 そのうち,このマンゴー(M. indica)がもっとも利用され,「果物の王様」と呼ばれる。

 北部インドからマレーシアにかけてが原産地とされる。直立性の常緑高木で,高さ10-40mに達する。花は頂生の円錐花序(10-60cm)につき,1花序は数百から数千個の花からなる。花には雄花と完全花があり,完全花の割合は1-36%である。しかも,受粉が必要なため,訪花昆虫が重要である。そのため,花が咲く割には結実率はきわめて低く0.1から0.02%ほどで,結局1花序に数個しか着果しない。このため,インドでは仏教の悟りを開くことが難しい喩えに使われると云う。

 乾燥により花芽分化,開花・結実が促されるので,3ヶ月以上の乾期が必要とされる。亜熱帯では秋期に花芽が形成され,早春に開花する。熱帯では,乾期が長いと乾期の終わりに,短いと雨季の始めに開花に至る。

 果実は勾玉状をした丸形,倒卵形,長楕円形でやや扁平である。大きさは栽培品種により,50から1400gと大小の差が大きい。果色は黄や緑色が単独あるいは両方が混在したり,赤色が発現するものなど(左上写真参照)。開花後3-4か月で一定の大きさに育つ。

参考:園芸植物大事典,小学館(1994)