ロウバイ(Chimonanthus praecox L.) 植物のある風景(その12)
自然の蝋細工

ロウバイの花(峰キャンパスにて)

ロウバイの偽果(7月末)

ロウバイ(峰キャンパスにて)

 中国原産のロウバイ科の落葉低木で,日本には17世紀初めに渡来したとされる。高さ2-4mになり,樹皮に横長の楕円形をした小さな皮目がある。葉は長楕円形または卵状で表面がざらつく。

 花は12月から2月に咲き,花被片は黄色であるが,内側のものは短く暗紫色をで,蝋細工のような光沢のある質感を呈する(写真下)。中国名は,蝋梅;英名はwintersweet。梅とついているが,梅の仲間ではない。

 果実を入れる肉質の果床(偽果)は長楕円形で,褐色となる頂部に雄しべや仮雄ずいが宿存する(左下写真参照)。 

ロウバイの花(峰キャンパスにて)

参考:クロバナロウバイ

 こちらは,ロウバイ科のクロバナロウバイ属(Calycanthus属 )である。北アメリカ東部原産,高さ1-2.5mの落葉低木である。花は側枝に頂生して,芳香がある。花被片が多数で暗紫紅色である。

 ニオイロウバイ(C. floridus)か,クロバナロウバイ(C. fertilis)のいずれかは未確認である。

クロバナロウバイの花(足利学校にて撮影

参考:園芸植物大事典,小学館(1994)