柿(Diospyros kaki

人間生活とくだものーくだもののある暮らしー

西村早生の♂花

富有(♀花のみ着生)

富有♀花(開花直前)

幼果(♀花が受粉し結果したもの)
♂花は集散花序:♀花は単生)

ラオヤーシ(2004年)

果実も紅葉も美しい

 カキは,東アジア原産で,中国から日本に分布。甘柿(富有や次郎のような完全甘柿)は日本独特のものである。

宇都宮大構内:禅寺丸と推定したが♂花が確認できないので品種不詳

 アメリカンパーシモン,ラオヤーシ,コクタン(黒檀)も仲間。欧米でもKakiで通じる。
 ビタミンCはリンゴの23倍,温州みかんの倍。カリウム,カロチン,繊維多い。大きい果実なら1個で1日分のビタミンCがある。また,身体を冷やすとされ,酔い覚ましに。「柿が赤くなると医者が青くなる」。若葉は柿の葉茶(例えば,十六茶など)として飲料にも,柿渋の利用。
 庭先果樹として利用され,5から6世紀の本草文献に医薬用として掲載あり,乾果は貯蔵食品。干し柿は歴史的な甘味資源。品種は1000以上ある?とも,果実の形には変異が多い。
 現在,大体30万トン/年,渋甘半々くらい。渋柿(平核無,刀根早生,堂上蜂屋),甘柿(富有,松本早生富有,次郎,西村早生)が多い。主産県は和歌山,奈良,福岡,岐阜,愛知他,干し柿は福島,長野が多い。

 8世紀ごろから栽培,江戸時代には渋抜き技術が発達

 禅寺丸:鎌倉時代にきこりが山中で発見し,川崎市の王禅寺の境内に移植。1214年。これが原木となり,普及。接木の技術もあった。不完全甘柿である。多量の雄花を着生するので受粉樹として利用
 平核無:八珍,核無,庄内柿,おけさ柿は同じものの別名。新潟原産。不完全渋柿。
 会津身不知:会津藩で庭先果樹として奨励。

カキの分類

完全甘柿:種子の有無に関わらないで甘柿。一般にゴマが入る。富有,次郎,伊豆,御所系
完全渋柿:種子の有無に関わらす渋柿。一般にゴマが入らない。西条,四つ溝,堂上蜂屋.
不完全甘柿:種子の周囲にゴマが多く,2〜3個の種子で甘柿。禅師丸,水島,甘百目.
不完全渋柿:種子の周囲に若干のゴマが入る,平核無,会津身不知,甲州百目,

 遺伝的には,完全渋柿が優勢,不完全甘柿が中間,完全甘柿は劣勢形質。それならば,自然には完全甘柿が生じる可能性は極めて低い。完全甘柿の原種は,「五所(御所ともいう,奈良県五所原産)」であり,これは非常に弱い品種で人の手がないと結実は無理,すると偶然に生じた御所柿が受精して子孫ができた。完全甘柿は完全甘柿同士の組み合わせでないと生じない!
 タンニン:未熟果では水溶性,成熟すると不溶性,ゴマの部分。寒冷地では渋が抜けにくい。

渋 抜 き

 無気呼吸を行わせて,アルコール,アセトアルデヒドを内生させ,タンニンを不溶化する。
温湯:風呂くらいに温度の湯につけて,日持ちが悪い.
アルコール:へたの部分につける,焼酎程度のアルコール,樽抜き。
炭酸ガス:日持ちがよい,流通に便利なので,輸送中に脱渋される。
熟し柿は樹上脱渋である。鳥がつつく → 種子が運ばれる。

 干し柿にすると渋が抜ける(伝統的な知恵)

 干し柿の表面に吹く白霜を「柿霜という薬品なり」と認識し,集めて将軍に献上する大名あり。