こぶし(辛夷:Magnolia praecocissima

植物のある風景(その6)

コブシの花

コブシのつぼみ

 モクレン科モクレン属である。高さ10m以上になる落葉高木で山地に生えるが,観賞用としても使われている。早春,葉の展開に先立って,芳香ある白色6弁の大きい花を樹冠一面に咲かせる。

 つぼみや果実の形が「にぎりこぶし」に似ているのでこの名がついた。この花の開花は各地で農作業の目安にされる。花の下に小さな葉が1枚つくのが特徴で,よく似たタムシバ(M. salicifolia)とはここで区別される。果実は,長さ10cmほどであり,熟すと裂開して赤い種子を出す。

早春に見られる樹冠一面の花(宇都宮にて,2005年4月)