ヤマボウシ(Cornus属:ミズキ属)

植物のある風景(その17)

山法師,山帽子


ヤマボウシの花 宇都宮市内にて

参考:アメリカヤマボウシの花(下の2枚)

アメリカヤマボウシの花(峰キャンパスにて)

 ミズキ属。落葉性の高木あるいは低木で,日本には,ミズキ,サンシュユ,ゴゼンタチバナ,ヤマボウシなどの6種が自生し,北アメリカ原産のアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)が花木として栽培されている。

 ヤマボウシ(Cornus kousa Buerg. ex Hance)は白い花弁のように見える苞を頭巾に,つぼみを坊主頭に見立てて法師を連想したことに由来し,山帽子と表記することがある。落葉高木で高さ10mほどになり,横枝を水平に広げ,6〜7月に木全体多数の花を咲かせる。花は左写真の中央にある小さな塊で,よく見ると雄しべが4本ずつ出ている。花弁のように見える総苞片は白色で大きく,先端が尖り,淡緑色の平行脈がある。果実は石果で8〜9月に成熟し,互いに癒着して紅橙色の径約2cmの集合果をつくり,食べられる(下写真参照)。

 

 ヤマボウシの果実 宇都宮市内にて(8月末)

 

 ヤマボウシに良く似たアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)(Cornus florida L.)はアメリカ東部の温暖地やメキシコ北東部に分布する落葉小高木で,高さ4〜10mになる。

 春,4〜5月に開花し,総苞片は白色で4枚あり,先端が凹む。果実は石果で,鮮深紅色の卵球形または楕円形となり,数個が集まってつくが,ヤマボウシのように集合果をつくることはない(写真下参照)。果実は10月に成熟する。ベニバナハナミズキは総苞片が淡紅色となるものである(左写真:上下)。 

アメリカヤマボウシの果実(峰キャンパスにて)

    

 アメリカヤマボウシ(ハナミズキ) 峰キャンパスにて

(参考資料:園芸植物大辞典・小学館ほか)