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作物学(農学実験作物)

  1. 水稲の幼穂,穂相,玄米品質調査
  2. 水稲分げつ・玄米品質調査
  3. 水稲穂相調査  
  4. 稲麦の穂の形態調査
  5. 麦類分げつ調査
  6. 麦類幼穂調査
  7. 登熟中期の麦類調査
  8. 成熟期の麦類調査
  9. 麦類収量調査
  10. 麦の生育調査と分散分析
  11. マニキュア法による表面観察
  12. 葯培養法

☆ ☆ 水稲の幼穂,穂相,玄米品質の調査 ☆ ☆
[実験の手順]
 材料は 月 日播種, 日移植,出穂期が 月 日,収穫が 月 日の品種  である.
1. 月 日(出穂前22日)の茎の基部近くを顕微鏡下でむいて幼穂を観察する(みるだけで
可).
2. 月 日(出穂前14日)の穂の観察をする.この頃が花粉母細胞分化から減数分裂期であ
る.葯をみよ.
3.成熟期の穂について,各人,追肥区と無追肥区ごと3穂の籾(もみ)の着生状況を,最後に示
した様式で調査する(穂相調査という).
4.追肥区と無追肥区の平均的な1つの穂の籾着生状況を等倍でスケッチする.1次,2次枝梗へ
の着生や穎・枝梗の退化に留意して描く.個々の籾は位置さえわかればよいので籾の形態を詳細に
描かなくて可(丸印ででも).
5.スケッチした穂の籾の穎を手でむいて玄米にし,外観を見る.1つずつむいて,スケッチ上に
置いておくとよい.完全米(被害がなく外観の良いもの),不完全米(腹白,乳白,茶米,青米,
胴割米,死米,しいな,不稔,等)をスケッチ上に注記する.着生位置別の玄米の外観に留意する.
観察したら一次枝梗着生籾と二次枝梗着生籾別に玄米を別々の箱に入れておく.
6.一次枝梗着生籾と二次枝梗着生籾別の玄米の数と重さを測定する.
7.データを整理してレポートを書く.スケッチとともに提出する.

[レポートの内容]
1.本実験のタイトル(レポートの内容を具体的に表現するように各自で考えてつけよ.おおむね
40字以内.)
2.穂相調査のまとめ;分化・退化1,2次枝梗数,分化・退化全穎花数,単粒率,1,2次枝梗
別の穎花数,の各平均.1次梗枝の番号別の籾数(1次,2次梗枝についたもの合計)及び2次梗
枝数の平均(ただしこれらは一次枝梗数が異なるものがでてくる.その平均はどうしたらよいか?).
3.不完全米はどの位置にでやすいか.1・2次枝梗着生別の1玄米重と外観.2次枝梗は肥料条件
が良いと発生しやすく,多収にむすびつくことと関連した考察をする.
4.結果の考察と実験への所感

[右図の場合の穂相調査例]
  12|_ _ _ _ _|
  11|_ _ _ _ _|分化1次枝梗数( )
  10|_ _ _ _ _|退化 〃      ( )
1 9|_ _ _ _ _|現存 〃      ( )
次 8|_ _ _ _ _|分化2次枝梗数( )
枝 7|_ _ _ _ _|退化 〃      ( )
梗 6|_ _ _ _ _|現存 〃      ( )
番 5|_ _ _ _ _|分化穎花数    ( )
号 4|_ _ _ _ _|退化 〃      ( )
   3|_ _ _ _ _|現存 〃      ( )
   2|_ _ _ _ _|単粒数( ) 単粒率( )
   1|_ _ _ _ _|単粒:1次枝梗に着いた籾

籾の外観   星川p.30.

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☆ ☆ 水稲分げつ・玄米品質調査 ☆ ☆  −目的:形態の概略,穂の構成や品質観察と収量構成要素調査方法の修得− [実験の手順] 1.学生は3〜4つのグループを作る.グループごとに圃場の中央付近,生育中庸,異常株のない場所 を観察で選定し,そこ(まとまった1区画)から株を1人2株ずつ引き抜く.1株の占有面積は( ) 平方cmである.−以下は各人で行うが,全部の人の測定値がでないと最終結果が得られないから,遅 れないように.仲間との実験の協力や相談,計算結果の検討は大いに結構だが,レポートの取りまとめは 独力で考え,各自の創意工夫したものを提出しなさい.期限厳守.− 2.圃場で根の泥をとりあえず落とし,次に水洗して泥をよく落とす. 3.1株は( )個体からなっている.株を個体にわける.それには,ハサミで根を基部で切り,から まった根をていねいに箸でつっついてほぐし個体別にわける.その際分げつ(枝分かれ)をちぎらないよう に注意する.ちぎってしまったら(新鮮な切断面ができるのでわかる),個体ごとにゴム輪でくくっておく. 4.分げつの発生状況をスケッチする.それには,株基部中央をナイフで縦方向に切る.その際,次の“5” のため株基部がばらばらにならないように注意する.株基部から10cm程度の範囲を描く.有効(穂のつ いた)分げつ,無効(穂のない)分げつの区別を記す. 5.各個体を主稈と有効分げつにわける.無効分げつは捨てて可.主稈は通常一番太い株である.有効分げ つ数を記録しておく(主稈は1個体に1本). 戻る
 ☆ ☆ 水稲・穂相調査 ☆ ☆    −目的:形態の概略,穂の構成や品質観察と収量構成要素調査方法の修得− [実験の手順] 1.学生は3つのグループ(日本晴の薬剤散布区と無散布区,西海190号の無散布区を調査)を作る. 既に農場から5株ずつ一束になった標本がもってきてある.1人5株ずつ調査する.1株は3〜4個体か らなっている(現状では個体別はわからない).株間は20cm,条間は30cmで,1株の占有面積は 20×30cmである. 2.1株の穂数を数える.極小さい穂はねぐる.5株数えて平均する. 3.穂のある茎の稈長(稈基部から穂首節まで)を1株全部測定する.以下本実験での測定値は3桁計測 すること(答えも3桁で可).次に稈長の長いものから短いものへと並べ中央の3本をとり,その稈長を 測定して平均し,全部測定したものの平均値と比較する.大差ないはず.もう1株同様なことをする.残り の3株は,中央の3本のみ測定する. 4.穂長(穂首節から先端まで)を3.と同様に1株測定する.残りの4株は中央の3穂を測定する.5株の 中央の3穂を,穂首節の少し下で茎を切断し,全部の穂をいっしょにする.残りの茎や穂は捨てて可. 5.中庸の穂5本を残し,他の10本の穂の籾をしごきおとして,いっしょにし,10穂の籾の重さを測定す る.株当り総籾重と総穂数を計算する.レポート作製用に同一グループ内単位で公開する.1株籾重は20〜 50g位のはず.桁が違っていたらどこかおかしい. 6.残した5穂の籾の着生状況を,最後に示した様式で調査する(穂相調査という).注:レポートの4ー2) 参照.  ここらで1日目終了.穂相調査した穂を各自で保存しておき次回にもってくる. 7.穂の籾着生状況を等倍でスケッチする.1次,2次枝梗への着生や穎・枝梗の退化に留意して描く.個々 の籾は位置さえわかればよいので籾の形態を詳細に描かなくて可(丸印ででも). 8.スケッチした穂の籾の穎を手でむいて玄米にし,外観を見る.1つずつむいて,スケッチ上に置いておく とよい.穎は紙で箱を作りその中に入れておく.完全米(被害がなく外観の良いもの),不完全米(腹白,乳白 ,茶米,青米,胴割米,死米,しいな,不稔,等)をスケッチ上に注記する.着生位置別の玄米の外観に留意 する.観察したら一次枝梗着生籾と二次枝梗着生籾別に玄米を別々の箱に入れておく. 9.あと2穂について同様にする.穎,一次枝梗着生籾と二次枝梗着生籾別の玄米,は3穂をいっしょの箱に 入れて可.一次枝梗着生籾と二次枝梗着生籾別の玄米の数と重さを測定する. 10.穎の重さを測定し,穎の籾(玄米+穎)に対する割合を計算する.一次枝梗着生と二次枝梗着生別の区 別はしなくて可(できない).0.16位のはず. 11.以下は籾の図を参考にして,自分で観察して行う.籾の外観をスケッチし,次に籾を上部から外・内穎 (穎とは外皮のこと.外頴は短い芒を持つことがある),小穂軸(内・外穎と次の護頴の間,極小さい),護穎 (2つある.護頴は通常小さいが,長いものもある),副護穎と小枝梗(副護穎は護穎の下に一対あり,小枝 梗とつづいている)と,玄米に分解して,各々をスケッチする(籾1個で可.各器官の位置関係がわかるよ うに図中に配置せよ). 12.データを整理してレポートを書く.スケッチとともに提出する. [レポートの内容] 1.本実験のタイトル(レポートの内容を具体的に表現するように各自で考えてつけよ.おおむね40字以内.) 2.名前 3.実験方法 4.実験の結果(結果は工夫してわかりやすく,表で示せ.計算方法を注の形で脚注に簡単に示せ.単位は0 をあまり付けずにすむように考えよ). 1)稈長,穂長の5株の平均値と変異.  2)穂相調査のまとめ;分化・退化1,2次枝梗数,分化・退化全穎花数,単粒率,1,2次枝梗別の穎花数, の各平均.1次梗枝の番号別の籾数(1次,2次梗枝についたもの合計)及び2次梗枝数の平均(ただしこれ らは一次枝梗数が異なるものがでてくる.その平均はどうしたらよいか? 考えよ). 3)不完全米はどの位置にでやすいか.1・2次枝梗着生別の1玄米重と外観.2次枝梗は肥料条件が良いと 発生しやすく,多収にむすびつくことと関連した考察をする. 4)5.で自分の株から推定した1株穂数,1株籾重,1株玄米重(玄米と穎の比から算出).1株当りを 10a当りに換算した穂数,籾重,玄米重.9.から算出(着生位置別をこみにした値)した1玄米重. 7.から計算した1穂籾数. 5)グループ内の全体の値を平均し,10a当りの総穂数と総籾重(各自で別々に計算せよ).他グループ の値(これは該当グループの計算結果を使って可)との比較.1株籾重と1株穂数のグループ内の値の頻度 分布,その中での自分の値の位置を図示する.その他・・・・ 5.結果の考察と実験への所感 [右図の場合の穂相調査例]   12|_ _ _ _ _|   11|_ _ _ _ _|分化1次枝梗数( )   10|_ _ _ _ _|退化 〃 ( ) 1 9|_ _ _ _ _|現存 〃 ( ) 次 8|_ _ _ _ _|分化2次枝梗数( ) 枝 7|_ _ _ _ _|退化 〃 ( ) 梗 6|_ _ _ _ _|現存 〃 ( ) 番 5|_ _ _ _ _|分化穎花数 ( ) 号 4|_ _ _ _ _|退化 〃 ( ) 3|_ _ _ _ _|現存 〃 ( ) 2|_ _ _ _ _|単粒数( ) 単粒率( ) 1|_ _ _ _ _|単粒:1次枝梗に着いた籾 籾の外観 星川p.30.
☆ ☆ 稲麦の穂の形態調査 ☆ ☆ [実験の手順] まず,次の文を読みながら各作物の穂を観察せよ.  稲:中央の穂軸(すいじく,rachis)は8ー10節あり,各節から1本ずつ1次枝梗(しこう, primary rachis-branch)がでる.1次枝梗にも節があり,基部からは2次枝梗がでる.枝梗の各節から短い 小枝梗(pedicel)をだし,その先に小穂(しょうすい,spikelet)がつく.穂軸先端の一次枝梗は上を向き, その基部近くに小さい瘤状の節があり生長点の退化したものである.  1小穂は1小花(floret)からなり,小花は2枚の護穎(glume)と,内穎・外穎(palea,lemma)に包 まれる.その最下部外穎側に鱗被(lodicule,花弁に相当),その上部に6本の雄蕊(stamen,葯,anther と花糸からなる)がある.雌蕊(pistil)は長円錐形で,基部は子房(ovary)で,その上部に花柱(style) の先端が二分し,各々羽毛状の柱頭(stigma)となる. 小麦:穂軸は約20節あり,各節から小穂が互生する.但し穂の頂点の小穂は上を向く.小穂基部の2枚 の護穎に囲まれて5ー10の小花が互生する.小花は稲と異なり小枝梗はなく小穂軸(rachilla)に直接つく. 小穂内の上位位置の小花は発育不全で,基部の3ー5小花が稔実する.外穎の先端は長く,「芒」(ぼう,awn) となる.小花の内部構造は雄蕊が3本である以外稲と同様である.  大麦:穂軸は10ー14節あり,小麦と異なり各節に3個ずつ小穂が互生する.小穂は直接穂軸につき, 1小穂は1小花からなる.六条大麦では3個の小花がすべて稔性だが,二条大麦では中央の小花のみが稔性 で両側のは不稔小花である.不稔小花の内部をみよ.稔性の小穂では,外穎の外側に小さい2枚の護穎があ り,先端は細長くなっている.外穎の先端は極めて長い芒となる.小花の内部構造は小麦と同様である.  穂−小穂−小花の関係を理解せよ.  観察が終ったら,次に稲,小麦,大麦の 1.穂の全体(大麦では二条と六条大麦別に)の外観 2.小穂と小花の外観 3.小花の内外穎を除いて内部の構造 をスケッチせよ.また,上の文中にでてきたアンダーラインを付した器官名を附記せよ (大小麦も稲にでてきた器官名を付する). 1.の小麦と大麦では,穂中央付近の2ー3小穂を取り除いて,穂軸が見えるようなものを描く.また小麦で は1つの小穂から小花を除いて小穂軸がみえるように描く. 2.の小麦では,小穂と小花別に描く. 3.の大麦では,二条大麦の小花を描く.  できたら,後日でよいから図書館なりで本をみて自分の観察が正しかったか確認する.誤りを赤で訂正 し(元のは消さない)提出する. 戻る
☆ ☆ 麦類分げつ調査 ☆ ☆ −目的:麦類分げつ発生の規則性を理解する− [分げつの出かたの規則性]  稲麦の分げつ(枝分かれ)の出かたは,母茎の葉の抽出と時期的に規則的な関係をもっている. 主稈の第N葉が抽出したとき,第N−3葉の葉腋から分げつの葉が出現する.その後は,主稈が1枚 葉を出すごとに分げつも1枚ずつ葉を出す.この関係は1次分げつ(主稈から出た分げつ)と2次分 げつ(1次分げつから出た分げつ),2次分げつと3次分げつとの間でも原則的に成り立つ.このよ うに同時に出葉する何群かの葉(同伸葉)と,同時に出現する数群の分げつ(同伸分げつ)とに類 別できる(同伸葉,同伸分げつ理論.片山佃 1951). 主稈の第4枚   同5枚  同6枚    同7枚 の葉がでたとき 分 主       6/0 2 ┌ げ 稈   1/3  ┐   次 ┐ つ ↓  ┌  3/1 ↓ ┌ 2/2 分   ┌ ↓ ┐ ┐ ↓ ↓ ┐ ↓ げ ┌ ┌ ┐__┌ ┐  ↓ ┌    ┌ ┐ ┐__┌ ┌ つ ┐ ┐__┌ ┌ ↓ ┐ ┌__┐__┌ ┌ ┐__┐ ↓ ┌ ┐_____┐ ┐__┌ ┐__┌ ┐_____┌ ┌__┐_____┌ 分げつ記号 → 1 0 2 1 3 0 2 11 1 3 0 4 2:2号分げつ 最上位葉を,6/0(主稈の第6葉),3/1(主稈第1葉葉腋からの一次分げつの第3葉)のごとく表記. 実際には第1葉の前に主稈では鞘葉,分げつでは前葉がでる.その葉腋からも分げつがでることがある. また,通常同伸葉は横一列に書く.I;鞘葉,前葉 1号 主稈 2号 C号  分げつ 分げつ 分げつ 1/1 ┌ 4/0 ┐ P/2I 2/C ┐ P/1 I 3/0 ┌ : 1/C ┌ : 2/0 ┐_______: P/C I :___1/0__┌ :    C/0 I___________________: 2/1P 4/1 1/11 2/3 7/0 1/4 3/2 1/2P   ┌ ┐ ┌ ┐ ┌ ┐ ┐ ┌ ┐ ┌ I ┌ ┐ I ┌ I I ┐ : I ┌ : ┐ : 2/C : ┌______:   : ┐_______: I_____: ┐ :______I   :_____┌ : ┌ : ┐_______________: I :_______________________┌ : I____________________________: 図.主稈が7葉時の標準株の葉,分げつの模式図 (┌;:完全葉,I;CまたはP) 不完全葉のみしか出現してないものは省略.Cは不安定なので,規則通りには書いてない. C:coleoptile 鞘葉(子葉鞘):発芽の際に最初に出る葉.形態的には不完全で,薄く,管状をなす. P:prophyll 前葉:分げつの最初に出る葉.葉身を欠き形態的に鞘葉と類似. 二次分げつは1P;1号分げつ(主稈第1葉からの一次分げつ)の前出葉の葉腋からでた分げつ,のごとく表記. [実験の手順]  圃場から麦を抜いてくる.分げつがちぎれないようにする.材料は10月24日と11月7日播きの ビール大麦アサカゴールドと小麦のニシカゼコムギである.  各々1株づつ観察して植物体をスケッチし,葉に記号(2/3のような)を記す.前葉はあまり気にしな くてよい.同伸葉,同伸分げつを確認する.主稈の葉数を数え,理論どおりだとした上図のような模式 図を作る.最上位の葉は未展開のときは,全体(を推察して)の4割位出ているときは“0.4”のごと くに葉の横に記す.規則性からのずれを模式図中に注記する. [レポートの内容] 1.本実験のタイトル(レポートの内容を具体的に表現するように各自で考える.おおむね40字以内.), 氏名,実験年月日 2.結果の作表・作図(理論値からのずれを考察) 3.図のC号分げつが順調に育ったとして,C号の分げつ体系図を完成せよ(分げつの記号を付記する).    分げつの出現比率と収量    に占める割合(%)の例    −−−−−−−−−−−−        出穂1 成熟 収量へ       月前 期 の割合    −−−−−−−−−−−−    主稈 100 99 34   1号 100 91 25   2号 100 90 24      3号   98 50 12      他  135 28 6 図 小麦の発芽(cが鞘葉で管状,   −−−−−−−−−−−−   lは第1葉で先が丸い) 六条大麦,200/u播種 戻る
☆ ☆ 麦類幼穂調査 ☆ ☆  −目的:麦類の幼穂分化の調査− 小麦:穂軸は20節位分化し,各節に交互に1小穂が着生する.1小穂に3〜9小花分化するが, 稔実するのは通常3〜4小花程度である. 大麦:穂軸は10〜14節分化し,各節に交互に3個づつ小穂が着生する.1小穂は1小花から なる.3小穂すべて稔実したのが六条大麦,3小穂の内の中央のみが稔実し,その両側の小穂が 不稔または退化したのが二条大麦である. 11月下旬に播種された麦は,以後葉数を増加させ,分げつを発生させていく.年による変動が大 きいが,通常1月中〜下旬には幼穂(麦の花芽)が分化しだす. 稲では幼穂の長さが2mmに達した時を幼穂形成期とするが,麦では冬期で伸長・分化が緩慢であ るので,時期を特定するのは困難である. 幼穂分化程度の基準を以下のごとくとする. 第1期 幼穂分化期.生長点は長くなり,基部に葉の始原体の突起ができ,一重の隆起. 第2期 苞が分化.生長点はかなり長くなるが,依然として一重の突起. 第3期 二重の隆起になる. 第4期 小穂,護穎が分化.幼穂の長さはほぼ2mm位. 第5期 小花が明確になる.穂首節が分化. 第6期 雌雄づい始原体が分化. 第7期 雄づい,子房が明確になる. 第8期 芒が分化.花器の構造がほぼ完成. [実験の手順]  練習用の材料で慣れるまで何本か解剖する.株元から1cm位の所で切断する.ピンセットの先端を 使って,解剖顕微鏡下でていねいに葉を剥いていく.内部の若い葉になったらピンセットで挟んで先端 をさらに短くして剥きやすくする.幼穂を露出する(この間できたら葉数を数えよ).幼穂の分化程度 を判定し,長さを測定する.慣れたら小麦(ニシカゼコムギ)と大麦(ビール(二条)大麦,アサカゴ ールド)を3株づつ調査する.判別可能であれば主稈,1号,2号分げつを捜してラベルを根元に付け ておき,分げつごと(分げつをちぎらないよう)に幼穂を観察する.上級者はできるだけ多くの分げつ の幼穂を,分げつ番号を判別しながら露出させ,かつ主稈,分げつの最終葉数を数える. [レポートの内容] 1.タイトル,名前,方法等 2.大・小麦の株を三つずつ,幼穂を露出した全体像のスケッチをする(幼穂の細かい部分の絵は不用). 幼穂の分化程度(第1〜8期.小麦も5にならう)と長さ(mm),可能なら分げつ番号, 最終葉数を付記する. 3.一番分化の進んだ大麦,小麦の幼穂をスケッチする.各器官を判別可能なかぎり観察して器官名を 付記する. 4.考察 (参)分げつの出現比率と収量に占める割合(%)の例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−      出穂1  成熟  収量へ       月前    期   の割合 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 主稈   100   99  34 1号   100   91  25 2号   100   90   24    3号     98  50  12 その他  135   28  6 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 六条大麦,200/u播種 戻る
☆ ☆ 麦 類 収 量 調 査 ☆ ☆ [目的] 出穂前,出穂後,成熟期の小麦の穂形成,収量構成要素の調査 [実験の手順] 4月20日 出穂直後の穂の器官観察.  1.圃場から大きい穂を一つとり,小穂(互生している)を除いて穂軸を観察し,さらに小花 (互生している)を除いて小穂軸を観察する.小穂(護穎)の外観及び小花の着生状況(小花を基部 から除いていってみよ)を観察(小花の順番と大きさは一致しているか).一番大きい小花を一つとり, 小花内の雄ずい(葯・花糸),雌ずい(柱頭・子房),内外穎の観察をする.さらに2〜3個の穂をとり, 後で室内で以上の点を留意しながら穂,小穂,小花の外観,小花内の各器官のスケッチをする.  2.圃場で生育中庸な部分を観察で各自が決めて,すじ播きしてある1条から,1mの長さで小麦 を根元から引き抜く.泥を落として個体別に分け,個体数を数える.穂数をこみで数える.後で単位 面積当り個体数,穂数を計算する.そのために条間の距離を測っておく.  3.2の中庸2個体を選定して以後の調査を行う.(出穂前なら茎を手かカミソリで縦断して穂を 露出する).全分げつの稈長(株元から穂首まで)を計測する(主稈と分げつの区別はつかないから, 最長稈のものを1番とし,以後番号を茎別につける).1個体が7本以上の穂をもつときは,奇数番 号の分げつのみ以下の作業をする.穂にラベルで番号を付けて穂首の節で切り,穂だけをとる.以後 室内で,穂長(穂首から上端の小穂まで)を計る.1穂内の小穂ごとに(基部を1番とする.基部では 小花が分化していないが1番とする)1小穂内の分化小花数を数える(先端,基部では雌雄ずいが分化 していない.小花数には,雌雄ずいが分化しているのと,していないものを分けて記す).縦軸に雌雄 ずいが分化している小花数,横軸に小穂の位置をとったグラフを書く.同一個体の分げつ別のものを 一枚のグラフに書く.穂につけたラベルの番号,穂長,雌雄ずいが分化してない小花総数を附記する. 2個体分書くことになる. 4.本日はここまで.生育調査結果つまり,a当り個体数,同分げつ数,同穂数(有効分げつ)数, 個体当り穂数,平均稈長,平均穂長の計算結果,花のスケッチ,3のグラフを提出.所感は今回は不用.  次回以降の農場調査では小花が稔実してくる.本日の調査結果と稔実の良否との対応,粒発達の様子の 観察をする予定. (花の構造の図) 戻る
☆ ☆ 登熟中期の麦類調査 ☆ ☆ [目的] 前回の小麦小花の調査結果と稔実程度との対応.粒発達の様子の観察. [手順] 1.圃場で生育中庸な部分,すじ播きの1条から1mの長さで根元から引き抜く.泥を落として個 体別に分け,個体数を数える.穂数をこみで数える.条間は15cm. 2.中庸2個体を選定して以後の調査を行う.稈長の長い順に穂にラベルで番号を付けて穂首の節 で切り,穂だけをとる.残りの穂は全部いっしょにしてから,粒重調査用に中庸20本をとる.以後は室内. 3.1穂内の小穂ごとに(基部を1番とする)1小穂内の稔実粒数を数える.縦軸に稔実粒数,横軸 に小穂の位置をとったグラフを書く.同一個体の穂別のものを一枚のグラフに書く.2個体分書くことになる. 4.本日はここまで. 5.収穫物調査用の穂を各自持ち帰る.1週間日当りの良い場所に吊るしておき風乾する.穂内,小穂内 位置別の粒重をみるため,穂の上位,中位,基部付近(3のグラフを参考にして穂の代表となるように分け る.どの程度で分けたかレポートに記す)から小穂をいくつかづつとり,小花の位置別に粒をとり,重さを みる1粒だけ測るのはたいへんだから,最低10粒位にまとめて(第1表のX11・・と袋にNo.をつけ てためる)測り平均する.小穂内小花数は小穂ごとで異なるから考えてやる(平均的なものを決めてから測 定すれば良いであろう).その経過もレポートに記す.以下のようにする.      第1表  穂内,小穂内での1粒重の変異 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  小穂の位置  第1小花 第2 第3 第4  ・・ 平均 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基部  X11 X12 X13  X14 ・・ X1・ 中位 X21 X22 X23  X24 ・・ X2・ 上位 X31 X32 X33  X34 ・・ X3・    平均  X・1 X・2 X・3  X・4 ・・ X・・ a当り粒重(注) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− X11:穂基部の第1小花(基部に一番近い小花)の1粒重. (注):3.の結果から小花別のa当り粒重と全粒重(今日現在のa当り子実重)を計算する. レポート;タイトル,日時名前等,方法の概略,a当り個体数,同穂数,個体当り穂数,平均1穂 稔実粒数,3.のグラフ,5.の表(計算方法も),考察.締切は. 戻る
☆ ☆ 成熟期の麦類調査 ☆ ☆ [目的] 成熟期の小麦小花別粒発達の観察. [手順] 1.圃場で生育中庸な部分,すじ播きの1条から1mの長さで根元から引き抜く.個体別に分けな くて可.穂数をこみで数える.a当り穂数を後で計算する.条間は15cm. 2.中庸20穂を選定して以後の調査を行う. 3.小穂内位置別の粒重をみるため,穂の上位,中位,基部付近から小穂をいくつかづつとり,小花の 位置別に粒をとる.1粒だけ測るのはたいへんだから,最低10粒位にまとめる(第1表のX11・・と 薬包紙にNo.をつけてためる).小穂内小花数は小穂ごとで異なるから考えてやる(平均的なものを決 めてから測定すれば良いであろう).その経過もレポートに記す.  4.乾燥後重さを測る.以下のようにする.      第1表  穂内,小穂内での1粒重の変異 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  小穂の位置  第1小花 第2 第3 第4  ・・ 平均 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基部  X11 X12 X13  X14 ・・ X1・ 中位 X21 X22 X23  X24 ・・ X2・ 上位 X31 X32 X33  X34 ・・ X3・    平均  X・1 X・2 X・3  X・4 ・・ X・・ a当り粒重(注) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− X11:穂基部の第1小花(基部に一番近い小花)の1粒重. (注):小花別のa当り粒重と収量(a当り子実重)を計算する. 小穂の位置別の稔実粒数は前回の値を使用して可. 5.小穂・小花位置別に粒の外観を上,中,下と判定し,第1表のようにまとめる. レポート;タイトル,日時名前等,方法の概略,a当り穂数,4の表(計算方法),粒発育程度の グラフ(開花・授精日は4月7日で粒重は0,前回が5月13日,及び本日を横軸)を小穂・小花 の位置別にかく.位置別の粒の外観.今回が最終レポートだから各ステージを通した考察をする. 戻る
☆ ☆ 麦の生育調査と分散分析 ☆ ☆ 1.圃場で,6品種,3反復のビール大麦の 1)草高(cm単位.芒は除く.中庸10本計測して平均), 2)1mあたりの穂数(稈長がおおむね平均の半分以下のものは数えない.後でuあたりに換算. 条長は1.5m,畦間は0.5m.) 3)一穂の小花数(上下端の不稔小花を除く.中庸10本計測して平均)を計測し,以下を各区の平均 値について計算する. 2.レポート 1)各形質別に分散分析をする(穂数は欠測値あり).lsdを計算. 2)Duncanの方法により品種間差の多重検定を行う. 3)各形質相互の間の散布図を書き,相関係数を計算する(平均値にしないn=18).相関係数から, 形質相互間の関係を考察する.    品種名      草高      穂数(/u)   小花数       A C B     A C B    A C B     アサカゴールド  _ _ _    _ _ _   _ _ _   三重ゴールデン   _ _ _    _ _ _     _ _ _     あまぎ二条  _ _ _    _ _ _   _ _ _   関東二条26号   _ _ _   _ _ _    _ _ _   ふじ二条  _ _ _   _ _ _   _ _ _   関東二条5号    _ _ _    _ _ _   _ _ _ ┌───────────────────┐ │C 関 関 三 ふ ア あ │ 品種名; ↑│  東  東  重 じ サ ま │ │  二 二 ゴ 二 カ ぎ │ 1.5│  条 条 │ 条 ゴ 二 │ A,B,C区の別; m│  5  26 ル │ 条 │ │ 号  号  デ  ル │ ↓│     ン ド  │ ├───────────────────┤ 草高 _ _ _ _ _ │B 三 関  ア ふ  あ  関 │ │ 重 東  サ じ  ま  東 │ _ _ _ _ _ │ ゴ 二  カ 二  ぎ  二 │ │ │ 条   ゴ 条   二  条 │ 平均   cm │ ル 5 │ 条  26 │ │ デ 号 ル     号 │ │ ン ド   │ ├───────────────────┤ 穂数 _ (u当たり  本) │A ア あ  ふ  関  関  三 │ │ サ ま  じ  東 東 重 │ │ カ ぎ  二 二 二 ゴ │ 小花数_ _ _ _ _ │ ゴ 二  条 条 条 │ │ │ │ 条   26 5 ル │ _ _ _ _ _ │ ル    号 号 デ │ │ ド ン │ 平均 └───────────────────┘ ← → 1998年12月3日播種. 0.5m 200粒/u播種.
☆ ☆ 葯培養法 ☆ ☆ 1.脱分化培地作成 植付培地;N6培地(T〜Y) + Fe・EDTA 2,4−D   2mg/l Sucrose    50g/l pH             5.8 寒天 8g/l 各100mLづつ作り,5シャーレに分注する. 2.葯の置床 イネ日本晴の1核期中〜後期(葉耳間長4〜7cm)の穂 70%エタノール浸漬後,2%次亜塩素酸ナトリウム溶液で10分消毒 1シャーレに50個位置床し,25℃,暗黒条件で1月培養 3.再分化培地 上記培地から2,4−Dを除き, +Kinetin 1.0mg/l   NAA     0.1mg/l  9時間明〜15時間暗条件下において不定根,茎葉の発生をめざす. 4.可能なら, 再分化個体を順化して育てる. 染色体数をみる(イネの染色体数は24). 戻る
☆ ☆ マニキュア法による葉表面の観察 ☆ ☆ 方法;葉表面と裏面にマニキュアを薄く塗り,乾燥後ピンセットではがし,鋳型を上にして,水を一滴のせた スライドグラス上にのせ,紙で上からかるく抑えて水をとる.これで永久プレパラートができる. 材料;大小麦,サツマイモ,トウジンビエ,ソルガム,ナタネ,キャベツ,サザンカ,ツバキ,その他 まず1視野内に20〜30位の気孔がはいるように倍率を決め,その面積を計算する. ランダムに2カ所,3視野内での気孔の数を数え,単位面積あたりの気孔の数をだす.裏表する. レポート; 葉表面の異なるいくつか(2〜3)を選んでスケッチ. 文献で該当作物の気孔の分布(数,大きさなど)を調べ,自分のみたものと比較する. 戻る

以上