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資源生物学入門作物学特論用語集も参照.

作物学ノート(作物栽培)

下の写真はビール大麦短稈品種育種の成果

短稈早生ビール麦育種    目次

   
作物の定義,分類
   生産概況
   分類表での位置,学名
   品種分化と品種改良
   品種の特性
   農耕の起源
   自給率
   栽培,減農薬,有機栽培
   採種・奨励品種制度
   花序,形態
   発芽,休眠,開花,結実
   最近の品種
   米の食味
   その他


作物の定義,分類

[作物の定義] 農業に利用するため人の保護管理のもとにある植物 星川 1980 (しかし農業とは?) 馴致せられた植物 Darwin 1867 (馴致してない作物もある) 人類の栽培する植物 吉川 1927 (栽培の定義は?) 人と共棲的関係にある植物  森永 1951 (状態を表現,条件ではない) 作物,作物学,農学,農業の私の定義は,用語集を参照. [作物の分類] 吉川 1924,佐々木 1942,戸苅 1957 ら 利用面から  
作物− ┌農作物 ┌食用作物 food crops
|field crops|飼料作物 forage crops
|   └工芸作物 industrial crops
└園芸作物 ┌野菜 vegetables
horticultural |果樹 fruit trees
 crops └鑑賞作物 ornamental crops 花き・花木

農作物と園芸作物の違いは,経営規模の大小,単価の高低であろう.

[食用作物の植物学的分類] Poehlman(1979) 禾穀類 cereals:オオムギ コムギ イネ 繊維作物 fiber crops:ワタ ジュート 飼料作物 forage crops:アルファルファ クローバー 油料作物 oilseed crops:亜麻flax ナタネrape ベニバナsafflower 大豆soybean              ヒマワリsunflower まめ類 legumes and pulses:common beanインゲンマメ fieldbeanソラマメ いも類 root crops:サツマイモ ジャガイモ キャッサ 嗜好作物 stimulant crops:タバコ  糖作物  sugar crops:サトウキビ テンサイ 育種を行う場合には繁殖や受粉様式による分類が決定的に重要である. [食用作物の繁殖様式での分類] 1.栄養繁殖(asexual reproduction)   遺伝的にヘテロだが子孫は斉一.ウイルス病受けやすい.一般に高収.  1)塊根(root) カンショ,キャッサバ, 2)塊茎(tuber) ジャガイモ  3)茎(stem) サトウキビ 2.有性繁殖(sexual reproduction) 花器の構造により次の分類  1)両性花(perfect flower) 雌雄ずいを同一花にもつ 稲麦・・  2)単性花(imperfect flower)   雄花(staminate):雄ずいのみ.   雌花(pistillate):雌ずいのみ. 雌雄(異花)同株(monoecious):同一個体に雄花と雌花を持つ トウモロコシ 雌雄異株(dioecious):雄花と雌花が別株になる タイマ ホップ 3.無配(合)生殖(apomixis) 受精なしに子房(ovary)の刺激で種子を生産     同一遺伝子型の種子生産 ケンタッキーブルーグラス ダリグラス 交雑はまれ [受粉様式による分類] 1.自家受粉作物,self pollinated crops 稲麦 通常自然交雑が5%以下 開花しない,閉花で開葯. 2.他家受粉作物,cross pollinated crops トウモロコシ 他殖は5%以下,虫媒・風媒  他殖は以下の場合におきる 雌雄異株性 Dioecy[daii:se] ホップ,アスパラガス,パパイヤ  雌雄同株性 Monoecy トウモロコシ(雄穂と雌穂)自殖は可能 自家不和合性 self-incompatibility クローバー,タバコ,シュガービート  雄性不稔 male sterility  花器の構造 雄蘂先熟 3.その中間 ワタ 5-25%の虫媒他殖 無配(合)生殖(apomixis);受精なしでも子房へのなんらかの刺激で種子が生産されること. 遺伝子型は母親のものと同一.ケンタッキーブルーグラスやダリスグラス.交雑はまれにしかお きないので交配育種は困難. [実用として栽培されている作物の数は少ない] 星川(1980)による
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食用作物の種類 世界日本
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禾穀類 cereals54 14
豆類 pulses52 18子葉を利用.蛋白脂肪に富む
その他の穀類 13 1そば
いも類 tuber crops 42 9地下部利用.カロリー収量高
その他  8  0パンノキ,料理用バナナなど
計  169  42 
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[その中でも,エネルギーを多く供給している主要なのはわずか20程度である] 穀類(小麦トウモロコシ大麦ライ麦エン麦モロコシキビ類) 根菜類(ジャガイモ,サツマイモ(ヤム),キャッサバ) 豆類(大豆,インゲンマメ,落花生,ヒヨコマメ) その他(サトウキビココナッツバナナ) 飼料作は世界の耕地面積,約14億ha(FAO 1997)の約半分に栽培され家畜を経過することで, サトウキビとテンサイは糖作物としてエネルギー供給の重要な部分を担っている. [その他の分類] 1)日長反応での分類  a)短日作物 イネ,ダイズ,トウモロコシなどの通常の品種. イネの品種改良では日長を8時間に制限して開花を早め,世代促進を行う. 10Luxの夜間終夜照明は多くのイネ品種の出穂を遅延させる(笹村ら 1970).  b)長日作物 コムギ,オオムギ,テンサイなど.なおコムギ,オオムギでは長日条件のみでなく 幼植物の時期に低温が通常必要.  c)中性作物 照射時間や温度反応は品種間差が大きいが一般に極早生品種の開花迄日数は 日長条件にあまり影響されず中性的となる. 2)生存期間での分類 一年生作物,多くの牧草類のように多年にわたって生存し収穫されるものを永(多)年性作物. ソバ,キビのように特に生育期間が短いものを短期作物ともいう. 3)栽培時期での分類 主な生育時期が夏期であるものを夏作物,冬期であるものを冬作物. コムギ,オオムギは典型的な冬作物であるが,春に播種するムギ類は夏作物. 4)栽培場所が水田か畑かでの分類 田作物,畑作物. 5)栽培場所の環境条件での分類 温度条件により,寒地作物,温帯作物,熱帯作物とに,水分条件により,乾燥作物, 湿地作物とに分類. 6)栽培の目的の主従,順序での分類 主たる作物を主作物,副次的なのを副作物,それらを輪作するときは主作物を表作物, 副作物を裏作物,主従に関係なく輪作の後にくるのを後作物,前のを前作物. 7)特別な目的での分類  a)置換作物(catch crops) 主作物が生育途中で失敗し,その替わりに急きょ栽培されるもの.短期作物が使われる.  b)被覆作物(cover crops) 土壌を被覆し土壌保全や地力増進のために栽培されるもの.茎葉を緑肥としてすき込む.  c)随伴作物(companion crops) 他作物と同時に播種され収穫は別に行われるもの.牧草と禾穀類を同時に播種し牧草の 生育が不十分な初年目に禾穀類のみを収穫すると土地の有効利用が計れる. この場合の禾穀類. [作物学] 作物生産を高めることを目的として作物の性質を究明する学問.実学である. 育種学,栽培学,植物病理学,栄養学等を取入れ,その上に構築される.  Crop science アメリカ,遺伝的解明に重きを置く.  Agronomy 西欧,作物学と栽培学を関連させた技術学,作物栽培学.  agricultural botany 英国,応用植物学. [わが国作物学の発展過程]  当初より一貫して稲であった.  社会情勢により,   昭和初期,農村不況 陸稲   支那事変,軍需物資 トウモロコシ,サツマイモ,満蒙開拓のためのモロコシなど 戦後食糧難 麦,イモ,大豆,雑穀 畑作の減少 同上が減少   転作作物  ダイズ,コムギ,ソバなど  と対象作物が変化していった. 手法は:  当初は外部形態学的手法が以後,  内部形態, 化学分析,生理学的研究 作物栄養,呼吸,代謝,同化の機作,その調節ホルモン・・・     遺伝子  と新手法はとられていったが,あくまで作物の生産性向上が最終目的である. 今後は: 国内での生産力とさらに高めるための方策  国外・世界的視野での作物生産のためにはどんな方向づけか?  などが必要に. [実例] 地域に適する早生良食味品種の育成,食味試験法,物理化学的方法による推定, 耐病虫性品種の育成, 良食味品種の適応性, 多収栽培法の確立−施肥法,肥料吸収過程の解明,機械化栽培法, 水稲成熟期の予測・水稲生育の診断と制御技術の開発, 光合成・植物ホルモンの機作解明から利用技術へ.   その一例は直立葉品種の理論付けと開発があった. 戻る

生産等

主要作物の統計参照 人口の推移(Walton 1975, FAOから) -------------------------------------------------------------------- 年 BC8千 BC2千 0 1650 1830 1930 1960 1975 1980 1985 1988 2000 -------------------------------------------------------------------- 億人 0.1 1 5  6 10 20 30 40.8 44.5 48.5 51.1 60 -------------------------------------------------------------------- その60%がアジアに       人 I 百億 - * 狩猟による可能人口は2千万人. I * 平均カロリー:100万kcal/年・人 十億 - (2585kcalx365=944,000kcal)を得るには   I * 作物名 必要面積(a)  一億 - * サトウキビ 5 I * * コムギ 10  -*-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- 同カロリーを得ようとしたら BC 6 4 2 0 2AD ミルク 100  千 牛肉 500 *:yield(250kg/10a) → 250,000x4kcal=1,000,000 kcal/10a が必要とされる. 肉で1カロリー得るにはその6〜7倍のカロリーの穀類を必要とする. 米:1石=150kg 1年分の食いぶち.1g=3.5kcalとして1日に1400kcal (大人安静時の必要カロリー)が得られる. 昭和初期の米消費量=140kg位.1962年がピークで118kg. 2000年では64.6kgで1日の摂取カロリーの1/4 になった. (FAO,2003年から) 世界各国の(耕地+永年作物)面積とその対国土面積割合 −−−−−−−−−−−−−−− 百万ha  % −−−−−−−−−−−−−−− 1.アメリカ 175.5 18.2 2.インド 169.7 51.6 3.中国 155.0 16.1 4.ロシア 124.4 7.3 5.ブラジル 66.6 7.8 6.カナダ 52.1 5.2 7.豪州 48.0 6.2 8.インドネシア 34.4 18.1 9.ナイジェリア 33.4 36.2 10.ウクライナ 33.4 55.3 全世界 1,540.6 11.5 日本 4.7 12.5 −−−−−−−−−−−−−−− (農水省資料から) 農家1戸当たり農地面積国際比較(ha) −−−−−−−− 日本 1.8 アメリカ 178.4 ドイツ 41.2 フランス 45.3 イギリス 57.4 中国 0.5 −−−−−−−− 水稲作付面積別の農家数 平成15年産 −−−−−−−− 都府県  % 0.5ha未満 47.5 0.5〜1.0  29.5 1.0〜1.5  10.9 1.5〜2.0  5.0 2.0ha以上  7.1 計 100.0      北海道 1ha未満  10.5 1〜3    21.9 3〜5    20.8 5ha以上  46.9 計 100.0 −−−−−−−− 販売金額規模別農家数 % (平成16年) −−−−−−−−−−−−−−−   稲作 農産物販売農家  −−−−−−−−−−−−−−−     100万円未満 76.1 56.1 %      100〜500 21.7 30.0 500〜1000 1.5 7.1 1000〜2000 0.5 4.1 2000万円以上 0.1 2.7 −−−−−−−−−−−−−−− 圧倒的に経営規模が小さい. 農業総産出額 (平成16年)  8兆7,863億円 その内訳%  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米 22.8 野菜 24.6 (ねぎ 1.5,だいこん 1.2,きゃべつ 1.1 %) 畜産 27.9 (乳用牛 7.8, 鶏 7.0, 豚 6.1, 肉用牛 5.1 %)  麦類 1.7 豆類 1.1 いも類 2.2 果実 8.9 (みかん 1.7,りんご 1.6,ぶどう 1.1 %) 花き 4.9 工芸 4.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 米,野菜,畜産が各々1/4ずつである. 我が国農業の特質; *高温多雨に適した水稲作が広く展開.一部地域では二毛作体系.  *山地面積が全体の61%,農用地は約14%,農家一戸当たりの面積が狭小. *かんがい面積は高水準.水田は連作障害回避,雑草繁茂や土壌侵食の防止等の効 果があり安定的な農業生産を実現. *多数の人口扶養を可能,18世紀初頭には世界有数の高人口密度社会形成.  *共同体農業集落形成.相互扶助精神の醸成や独自の文化の形成・伝承. 農地; 昭和36年の609万haをピーク.平成17年には471万 ha.農地開発や干拓による約100万ha の拡張,転用や耕作放棄等により約220万haがかい廃.年約3万ha減. 消費の形態変化 生活スタイルの多様化等背景,消費形態大きく変化. 食料消費支出の1/4以上を家庭外に依存. 栄養面では栄養素摂取の過不足やバランスの崩れ. 
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分類表・学名

分類表からは・・・ 科(family),属(genus),種(species)二命名法(属+種+(命名者))   属と種はイタリック表記する. (分類,学名は岩波生物学事典,分類表より)  動物界 Animal Kingdom  植物および菌類   菌界 Fungal Kingdom    植物界 Plantae クロロフィルを持ち光合成を行う.    9門 緑色植物門 Chlorophyta E亜門 維管束植物亜門 Tracheophytina      ]T綱 被子植物類 Angiospermopsida [被子植物類(Angiospermopsida)心皮が胚珠を覆い子房をもつ<>裸子- ]T−1亜綱 双子葉類(Dicotyledoneae) 最初に出る子葉が2枚  下綱 バラ花類 Rosaefloriidae   バラ目 Rosales     マメ科 Leguminosae     Glycine(ダイズ)属 (ダイズ G.max Merr.)     Phaseolus(インゲンマメ)属 (インゲンマメ P.vulgaris L.) Vigna(ササゲ)属 (アズキ V.angularis,リョクトウ V.radiata) Arachis(ラッカセイ)属 (ラッカセイ A.hypogaea)     Pisum(エンドウ)属 (エンドウ P.sativum) 下綱 ムクロジ花類 Sapindaifloriidae   トウダイグサ目 Euphorbiales    トウダイグサ科 Euphorbiaceae     Manihot属 (キャッサバ M.esculenta Crantz)  下綱 ナデシコ花類 Caryophylliidae アカザ目 Chenopodiales   アカザ科 Chenopodiaceae (テンサイ Beta vulgaris L.)   タデ目 Poygonales    タデ科 Polygonaceae     Fagopyrum属 ( ソバ F.esculentum Moench) 下綱 シソ花類 Corollifloriidae   ハナシノブ目 Solanales    ヒルガオ科(Convolvulaceae)     Ipomoea属 (サツマイモ I.batatus Lam.)    ナス科(Solanaceae)     Solanum属 (ジャガイモ S.tuberosum L.) ゴマ科 Sesamum (ゴマ Sesamum indicum L.) ]T−2亜綱 単子葉類 Monocotyledoneae    下綱 蕚花類 Calyciferiidae ショウガ目 Zingiberales バショウ科 Musaceae  Musa属 (バナナ)   下綱 花冠類 Corolliferiidae サトイモ目 Arales   サトイモ科 Araceae (サトイモ,コンニャク) ヒガンバナ目 Amaryllidales     ヤマノイモ科 Dioscoeaceae (ヤマノイモ,ヤム) ヤシ目 Palmales (ヤシ)   下綱 穎花類 Glumifloriidae    イネ目 Graminales     イネ(禾本)科 Gramineae      Oryza属 (イネ O.sativa L.)       日本型イネ subsp. japonica,インド型イネ subsp. indica      Hordeum属 (オオムギ H.vulgare L.)      Triticum属 (コムギ T.aestivum L.)   Avena属 (エンバク A.sativa L.)      Sorghum属 (モロコシ S.bicor Moench)      Zea属 (トウモロコシ Z.mays L.)
食用としている主要な植物は,茸,海藻などを除くとすべて植物界,被子植物類の双子葉類と単子葉類に属す.双子葉類で重要な作物はマメ科のマメ類.ムクロジ花類にキャッサバ,ナデシコ花類アカザ目にテンサイとタデ目にソバ,ヒルガオ科にサツマイモとナス科にジャガイモが位置.

禾穀類のすべては単子葉類イネ目イネ科に属している.植物全体のうち,極めて狭い範囲の植物が人類に利用.

[学名]
種の学名は属(Genus)と種(species)名の二名法で表記.イネは
Oryza sativa L.
と記す.属名は大文字で始め,L.は命名者(この場合はLinneの略),属名と種名はイタリック表記.

日本型イネとインド型イネは亜種(subspecies)として区別され,前者が
O.sativa L.subsp.japonica
後者が
O.sativa L.subsp.indica
である.亜種名もイタリック表記する.Oryzaと直前にある場合はO.と略して可.

変種(variety)は種の下におかれた階級で,基本種と形質が若干異なるものとされ,農業的な品種(variety, cultivar 後者が望ましい)は内容的には変種と同じであるが,分類学では種分化の見地から変異をとらえるのに対し,作物学では種分化より,むしろ実用性で品種を位置づけるので,品種の違いを同一種内での変種としては扱わない.

品種コシヒカリ,まで記載するときは,
Oryza sativa L.cv.Koshihikari

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品種分化と品種改良

[品種の定義]
同一作物に属すが遺伝的構成が異なり,ある形質,特に農業上重要な形質において他と異なる集団を品種(variety,またはcultivar)という.

品種と認められるためには,識別性(なんらかの特徴的な形質を有した集団で,その集団内の個体は相互に十分類似しており,集団として他と明確に区別できること),および永続性(その集団の特性が通常の繁殖法で維持できること)が必要である.

[品種の分化]
作物は起源の地から人類とともに環境条件の異なる場所へと移動し,新しい環境に適する生態型も同時に分化した. その分化には当初自然淘汰が主であったろうたが,よりよいものを得ようと意識的な選抜も同時に行われたはずである.このような長年にわたる淘汰や選抜の結果によって初期の品種が分化した.

以後も経験に則った選抜が繰り返され(作物により選抜効率に差があったものと推察される.他家受粉作物では,自家受粉作物と異なり優良個体のみを選抜し,採種してもなかなか希望どおりにならなかったに違いない),近代科学の誕生以前に今日の品種の基となる多くの品種ができていた.

日本のイネでは篤農家が雑ぱくな集団から優良個体を積極的に選抜した結果,江戸時代既に各地域の土壌や気象条件に適した多くの品種があり,また各々の品種に適した栽培法が工夫されていた.

[品種改良]
メンデルの法則の再発見(1900年)以後,交配育種法による品種改良が科学的,組織的に行われるようになり,多くの優良品種が育成されて生産性向上に大きく寄与した.

品種改良では非常に数多くの系統(line,strain)を検定して選抜し,各種の評価に最終的に合格したものが新品種となる.系統はここで定義した品種に含まれるので系統も品種である.品種改良上の狭い意味で両者を区分すれば,系統は実験中のもの,品種は何らかの公的な認定を得た系統,あるいは実質的にかなりの規模で栽培がなされているものである.

品種の条件の一つである「特徴的な形質」を「有用形質」とし,品種たるには単に特徴的な形質を持つのみでは充分でなく,農業上のなんらかの有用形質を持つことが必要であるとする場合もある.

[自家受粉作物の遺伝的構成と固定度]
通常自家受粉作物のすべての対立遺伝子は同型接合(ホモ,あるいは固定の状態)である.全遺伝子座が同型接合の個体を純系という.異なる遺伝子型間(例;AAbbCC・・×aaBBcc・・)の人工交配や偶然の交雑,または突然変異により異型(ヘテロ)接合体(AaBbCc・・)ができても,自家受粉のたびに任意の遺伝子座で異型接合は半減し,最終的には遺伝子型がAABBCC・・,AAbbCC・・,aaBBCC・・,aabbCC・・,・・の純系が得られる.

野生の自家受粉の植物はこのような多様の同型接合体からなっていた.この中から優良な遺伝子型を選抜する純系淘汰がなされた.

交配育種では互いに長所を補うあうような品種間の交配後,数回の自家受粉をして同型接合体が充分多くなってから希望する遺伝子型の個体選抜をする.全遺伝子座が同型接合であれば,この個体を自家受粉して増殖した後代の遺伝子型はすべて親と同じで固定している.自殖を10回程度繰り返すとほぼどの個体も純系で固定している.

[他家受粉作物の遺伝的構成と選抜効果]
自家受粉作物は遺伝的に固定しており,自殖して採種した後代が親と同じとなるのに反して,他家受粉作物集団では常に異なる遺伝子型間での交配が行われているので,多くの遺伝子座が異型接合であることがその遺伝的特徴である.

そのため他家受粉作物では集団選抜の効率があまり良くないが,トウモロコシでは長期間にわたる選抜をアメリカ大陸の原住民が繰り返した結果,コロンブスの新大陸発見時にはデントコーン,フリントコーン,スイートコーン,ポップコーンなどの品種が分化していた.

[雑種強勢の利用]
他家受粉作物は集団選抜の効果が低い.また集団の個体数が少ないと近親交配(その極端が自家受粉)になりやすく,他家受粉作物は近親交配で自殖弱勢がおきる.

しかし自家受粉やきょうだい交配を繰り返した育種材料(近交系)を作り,近交系同士の交配をすると,組合せが適切である場合その雑種第1代(F1)の生育はきわめて旺盛となる(雑種強勢).

雑種強勢(ハイブリッドまたはF1)育種法により他家受粉作物の品種改良は非常に進んだ.米国では1940年代からトウモロコシの品種改良にこれを応用し,以後優良な近交系の育成や,組合せ能力の組織的な検定により収量が飛躍的に上昇した.雑種強勢育種法はトウモロコシ以外にも,ソルガム,タマネギ,テンサイ,その他多くの野菜などにも応用され成果をあげている.

自家受粉作物でも,花粉親での花粉の良く散る特性と,種子親での雄性不稔遺伝子による雄ずいの不稔と細胞質稔性回復遺伝子を組合せて,異品種間の他家受粉による雑種強勢を利用した品種の開発が試みられている.

雑種強勢がなぜ生じるかについては,優良形質は優性遺伝子によっており,F1にそれらの優性遺伝子が集積されるとする説と,異型接合性は同型接合性より生育が優るとする両説あるが,どちらも決定的な説明とはなっていない.トウモロコシで成功した最大の理由は,採種量が多く,多収で広い環境に適するF1を生み出す優れた近交系(両親)が育成されたことである.

[栄養繁殖作物の品種改良]
栄養繁殖作物の遺伝子型は通常異型接合だが子孫はすべて同一遺伝子型で,斉一.開花,交配,採種の困難な場合が多いが,交配して得た種子由来の実生を増殖,評価するだけであり,育種方法は単純.遺伝的には変化しないが,ウイルス病に侵されることが多く,品種劣化がおきる.対策は,品種交換か,茎頂培養によってウイルスフリー株を作る.

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品種の特性

[収量性]
品種改良の最大の目標で多くの遺伝子によって支配される量的形質.多収を目標にした品種改良では作物の生産過程における個々の過程の改良や,各種障害への抵抗性の付与に関する多くの遺伝子の集積がなされてきた.大きな穂や多数の穂,全乾物生産における収穫部分の割合(イネではもみわら比)の向上,上位葉の直立化による群落内への光投射の改善,耐倒伏性の付与,病虫害抵抗性,耐肥性などを目標にした.

アメリカのトウモロコシは1930年代には従来の自然受粉品種が1.5t/ha程度の収量であったのが,最近の一代雑種品種では8t/haを超える.日本のイネでは明治以前には2t/ha以下の収量だったのが,最近は約5t/ha.

収量増加には栽培方法の改善の寄与も大きいが,新しい栽培法,例えば安価な化学肥料の入手による多施肥,機械利用による密植などを可能にしたのも,それらに向く品種の開発があったからで,品種と栽培方法の両面での改善によって収量増加が実現したといえる.

[早晩性]
いずれの作物でも品種間差が大きく,早生,中生,晩生と分類され,この品種間差は環境条件が違ってもあまり変わらない.普通早生品種が有利である.

日本のムギ類は輪作や梅雨前の収穫のために早生化が品種改良の重要な目標であり世界で最も早生である.あまり早いと早春の凍霜害を被るので,花芽分化への低温要求度を残して幼穂の発育はできるだけ遅らせ,しかも早く出穂させる必要があること,出穂期が1週間早まっても成熟期は3〜4日しか早まらないことなどの問題点がある.

[耐冷性]
熱帯アジア原産のイネが北部九州へ二千年前に導入されて以来,その作物としての優秀さゆえに日本列島の北進を続け,ついには北海道で栽培されるようにまでなった.そのためには水田の新規開発とともに,冷害に強い品種を,当初は在来品種からの選抜,後には交配による品種育成で手に入れることが必須であった.

耐冷性は低温発芽性,晩秋の低温襲来以前の収穫を可能にする早生,低温で発生の多いいもち病などへの抵抗性,低温へ耐えるその他の生理的機能などの複合した形質である.

低温のために生育が遅れて稔実不良となる遅延型冷害と,花粉の発達時期(特に出穂12日前の減数分裂期頃)の低温で花粉が不稔になる障害型冷害とがある.遅延型冷害には早生化が有効.障害型冷害への耐性にわずかながら品種間差がある.品種育成のための試験圃場に冷水をかけ流し,耐冷性品種を選抜することが継続されている.

[耐病性]
作物は多くの種類の病気にかかるが,病害に対する抵抗性の品種間差も大きく,極めて抵抗性の強い(免疫性)品種もある.このような品種との交配により耐病性品種が育成されている.

しかし耐病性品種が広範囲に栽培されると数年後に罹病するようになり,そのため常に新しい品種と交替し続けなければならないことがある.イネのいもち病,コムギのさび病にその典型がみられる.これは病原の系統(レース)が変化して,それまで抵抗性だった品種を侵すようになるからである.

対応策として異なるレースごとの抵抗性品種を作り(抵抗性以外の形質は同じにしておく),それらを混合した多系品種が試みられている.これは多系品種を栽培して均一な遺伝的組成にならないようにし,変化したレースの急速な増殖を防ぐことを目的としている.

また罹病しても病状があまり進行せず収量には大きな影響がないものを耐性,または圃場抵抗性といい,この抵抗性は多数の遺伝子によって支配されているので永続性が高い.

[耐虫性]
作物は虫害への抵抗性の品種間差もある.イネでメイチュウ,ウンカ類,ヨコバイ類,ダイズでカメムシ類,ムギ類でヘシアン蠅やアブラムシ類など重要な害虫への抵抗性品種があり,農薬散布を減少させるため耐虫性品種の育成が試みられている.

抵抗性が充分でない場合や,病害同様新しい害虫のバイオタイプの出現により抵抗性品種だったものが感受性となる問題をかかえている.

[環境適応性]
ある作物を栽培するとき良好な条件下ではもちろん,少々不良な環境でも多収を得られることが望ましい.このように幅広い環境条件下で安定収量となる品種を適応性(adaptability)が高い品種,あるいは広域適応性品種といい,日本で広く栽培されているコムギの農林61号やジャガイモの農林1号,および世界中に広く栽培され緑の革命の原動力となった半矮性コムギがよい例である.

広域適応性は各種の病害虫への抵抗性,気象や土壌条件の変動に対する耐性などを複合した形質である.適応性には品種間差があるので品種改良上の重要な目標である.そのため,選抜されてきた品種の最終段階の評価として多くの条件(異なる施肥量,裁植密度,作期,場所,年次など)での収量試験を行い,安定多収をあげるかの検定をすることが必須である.コシヒカリは,収量性はさておくとしても,食味に関する広域適応性を持つ品種といえよう.

[品種と環境の交互作用]
環境が異なると品種により反応が違ってくることを品種と環境の交互作用(genotype × environmental interaction)という.多肥でA,B両品種ともに同じだけ増収するとは限らない.Aは施肥反応が良いが,Bは多肥でも収量があまり増加しない,あるいはBは耐肥性がなく多肥ではかえって減収してしまうことが起き得る.多肥でBは倒伏,病気,草型の乱れ(上位葉の湾曲や過繁茂)などが生じるためである.

[品質]
最近の品種では必須である.

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農耕の起源

1万〜8千年前に採集から栽培・飼育,定住が始まった.それ以前,5百万年以上の間,遊牧・採集により明日の食糧を心配していた人類は, 定住して食糧を生産する農夫になり,生活の手段を得,ある程度の余裕さえ楽しむようになった.

当時全世界では3千種以上の植物を食用にし,そのうち主に広く栽培されてきたのは150程度で,今日その20が世界の食糧の90%を賄っている.エネルギー供給の面から重要なのはそのうちわずか約10である.

農業の始まりは,人類が昔は食用のために遠く広く捜しまわらなければならなかった大きくてたくさん実がなる野生の草を,自分がコントロールできる場所に育てて,後にその実を収穫することができることを発見したときである.(その直前に,地面に落としたその草の実が自然に翌年生えてきて実をまたつけたのを見,収穫したことが伏線になっているであろう.しかしこのことのみではで農業が始まったとはいえず,人為的にある程度大規模に育てだして初めて農業が始まったといえるであろう.)

その起源は中国,西インド,東地中海地域,エチオピア,メキシコ,中央アメリカ等で,互いに独立に始まったの であろう.

バビロフの,作物の起源地には多様なその作物の遺伝変異があるとの説によれば,作物の起源の中心は
 1.中・西中国:大豆,大麦,エンバク,ソバ,・・136種
 2.インド(含ビルマ,アッサム):米,綿,ささげ・・117種
 3.中央アジア:パン小麦,綿,ゴマ,・・42種
 4.中近東:小麦祖先種,二条大麦,ライムギ・・83種
 5.地中海沿岸:durum,emmer,spelt小麦,・・84種
 6.エチオピア:6条大麦,durum,グレインソルガム,・・38種
 7.メキシコ南部,中米:トウモロコシ,サツマイモ・・49種
 8.南米特にペルー,ボリビア:ジャガ,タバコ,落花生,トマト・・45種

新石器初期の遺跡90カ所のC14の年代測定から,(キャバリ・アムアーマン)は作物の伝搬速度を1k/年とした.

[野生型と栽培型]
1.非脱粒性;穀類の穂が折れない(離層),豆類のさやが開かない(ねじれない).大麦では1遺伝子で非脱粒性が発現.
2.非休眠性;稲では劣性遺伝子で非休眠.休眠は種子の酸素透過性,胚の発芽活力,非吸水性などが関与.毎年特定時期の収穫が収穫期の 変異幅を狭め,休眠性消失の方向へ働く.
3.穂摘み(弥生の石包丁)から刈るへ(改良され一斉の成熟へ).
4.長期の選抜による原始的な品種分化.長短粒,もちうるち,赤白米,・・
[例]アブラナ科Brassica oleracea L.は人為淘汰の結果,光合成産物の貯器官が;頂芽→キャベツ,側芽→芽キャベツ, 花全体→カリフラワー,茎→コールラビ,葉→ケール,茎と花→ブロッコリー
5.受光態勢.水平葉と直立葉,特に上位葉.自然植物群落では1.22g/m2/day,作物では20-22.5g/m2/day.
6.雑草から.燕麦,ライ麦は大小麦畑の雑草として進化した.大粒で初期生育が盛ん,大小麦がより高地,北方に広まったとき, 耐寒性,耐乾性の強い燕麦ライ麦が選抜されて,作物化し,飢饉を救った.
7.雑草遺伝子の寄与.小麦.トウモロコシのテオシント.

農業進歩の歴史は平坦でなく,
 1.人類誕生から3百万年の間,未開の状態が停滞し,植物と動物を採集していた.
 2.ここ1万年の間で,動植物を家畜化しだした.最初の栽培記録は,タイで1万年前の米,大豆の種子が発見されている.イラクのJarmo遺跡では穀類生産の証拠がみつかっており,6750BCの大小麦種子が発見されている.
 3.ここ150年間に科学的な進歩がみられた.
と区分できる.
また,
 17ー18世紀にローテイションや堆厩肥で収量が増加し,
 1892年にガソリンエンジンのトラクターが導入され,
 第一次世界大戦前にカリフォルニアでコンバインが最初に使われ,
 19世紀になってから科学的な方法による品種改良が始まった.
1930年代から化学肥料,1935年頃から農薬散布,1950年代から窒素肥料の大量施用,1960年代から除草剤使用などにより生産が安定的可能となった.

[作物導入]
意識,無意識に交換,購入,贈与で旅行者,移民,商人によってなされた.積極的なのうは導入育種で,代表はコロンブス(新大陸から旧大陸へ).
例;中国原産のマタタビ科のシナスグリがニュージーランドへ行ってキウイに.

1950年頃日本から米国へ大豆が導入され,世界最大の生産国へとなった.
ブラジルのコーヒーはエチオピアの1本の木が起源である.
マレーシアのゴムがアマゾンから,ウィッカムが英国キュー植物園へ7万粒の種子を持ち込み.2625が発芽,苗木をシンガポールで育て,12本が大木となりマレーのゴム園のもととなった.

日本では,明治政府の勧業政策で,明治初期に内藤新宿試験場などで積極的に導入がなされた.

[植物検疫]
フランスでアメリカのうどんこ病抵抗性のブドウ苗木を導入したとき,ブドウネアブラムシも持ち込まれ,19世紀後半に120万haのブドウ畑が壊滅した.以降,病害虫の侵入を防ぐため各国は港湾や空港での検疫を行っている.

輸入禁止になる作物・地域も多く,しばしばそれは“非関税障壁”であると非難されることがあるが,その区別はなかなか困難である.

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自給率

[農水省,食料需給表から]
平成15年度,一人当たり消費;米は前年の0.8kg減の61.9kg(S35; 114.9).小麦は32.6kg. 
国民1人・1日当たりの供給熱量;2,588kcal(内米から602kcal).

自給率
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品目別自給率(平成16年) %;
 米(主食用)100,小麦 14,ダイズ 3,野菜 80,果実 39,
 飼料 25,肉類 55,魚介類 49
供給熱量総合食料自給率     40
主食用穀類自給率           60
穀類(食用+飼料)自給率   28
金額ベースの総合食料自給率 70
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自給率の推移
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         H9 H11 H12 H14 H16  
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     
供給熱量総合    41 40  40 40  40
主食用穀物    62 59  60 61  60
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各国の自給率 (2002) 
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     供給熱量総合 穀類(食用+飼料)自給率 
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フランス   130   186
ドイツ      91   111 
イギリス     74   109
スイス       54    59
アメリカ    119   119
中国        -    101
インド       -     91
インドネシア -     85
韓国         -     30
オランダ     -     25
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(2004農林水産物輸出入概況より)

農林水産物輸入総額   7兆4554億円. 全輸入金額の15%
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輸入品目   輸入量(万t) 金額(億円)    (相手,金額%) 
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農産物                     45,739(61%)
 1.豚肉             86        5,104  (EU 39.0,米 30.0)
 2.とうもろこし  1,648        3,175  (米 95.1,中国 4.0%)
 3.生鮮・乾燥果実  200        2,312  (米 37.4,フィリピン 28.1)
 4.牛肉             43        1,984  (豪 91.9,NZ 6.8%)
 5.大豆            441        1,923   (米 70.2,ブラジル 16.7)
 6.小麦            549        1,382  (米 53.4,カナダ 23.6)
 7.生鮮野菜         89          952   (中国 40.4,米 17.1)
 8.冷凍野菜         71          945  (中国 41.4,米 28.8)  
 (米          66      372      (米 56.1, 中国 16.8)
林産物                     12,446(17%)
水産物                     16,370(22% エビ類がトップで約3700億円)
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栽培,減農薬,有機栽培

[栽培法]
作物学ノート(稲)作物学ノート(麦)作物学用語集を参照. [環境保全型農業] 農業の持つ物質循環機能を生かし,生産性との調和などに留意しつつ, 土づくり等を通じて化学肥料,農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した 持続的な農業. [低投入持続型農業(LISA, Low Input Sustainable Agriculture)] できるだけエネルギーや化学物質を投入することなく生産をあげ, その生産が長年月にわたって可能にしようとする方式. [有機農産物と特別栽培農産物の表示] ここ参照 [雑草防除] 昔除草作業は水稲作での最大の労働であったが有効な除草剤開発により著しく軽減された. 雑草の種類(実物写真は他の参考書を参照)  発生期;冬期雑草(11〜12月出芽,5〜6月成熟.スズメノテッポウ,ハコベ,ヤエムグラ) 夏期雑草(3〜5月出芽,9〜10月成熟.タイヌビエ,メヒシバ,カヤツリグサ).  水への適性;水生(ミズガヤツリ,ホテイアオイ),湿生(アゼスゲ),乾生雑草(メヒシバ).  生活型;一年生(多く),多年生雑草(根茎;ミズガヤツリ,塊茎;クログワイ,ウリカワ).  繁殖法;種子(多くの一年生),栄養繁殖雑草(多くの多年生).  植物分類;広葉(コナギ,アゼナ),イネ科(ヒエ類),カヤツリグサ科雑草(カヤツリグサ).  発生場所;水田(コナギ,アゼナ,ヒエ類,カヤツリグサ),畑雑草(メヒシバ,ヤエムグラ). 雑草防除法  耕種的;播種前の耕うんや代掻き,麦畑の中耕,輪作など栽培方法による.  除草剤;雑草の光合成阻害,植物ホルモン作用の撹乱,酵素生成阻害などを生じる薬剤の使用. 除草剤の分類  化学構造;無機(例;石灰窒素,塩素酸ソーダ),有機除草剤(2,4-D,NIP).  生理作用;選択性(イネ科に害が少なく,広葉に大きい.例;2,4-D,MCP),       非選択性除草剤(全植物に強い毒性.パラコート).  植物への移行;接触型(薬剤が接触した部分が枯れる.パラコート),         移行性除草剤(茎葉や根から移行.2,4-D,MCP).  植物生長物質;ホルモン型(2,4-D,MCP),非ホルモン型(無機,多くの有機除草剤). 除草剤使用の注意事項 除草剤を適正に保管,管理する.圃場以外への流出,飛散を防止する.適性使用量な どの使用基準を守る.散布時に防護具を着用する.長年同一剤を使用すると優占雑草が変化するの で他の剤とのローテーションを組む. 土性や腐植含量で薬効や薬害に差がある.砂土では剤の吸着力が少なく,薬害がでやすいので 少な目とする.水田では土性の差による効果の差は少ないが,減水深の大小で効果に差がでる. [温室効果ガス] 大気のなかの温室効果のある気体.二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,オゾン,フロンなど. メタン以下の微量気体全体の温室効果はきわめて大きく二酸化炭素の温室効果と同程度 の役割をしている.
[地球環境の変化と作物学](堀江 1991)
大気中のCO2濃度は,1890年頃には280ー290ppmと推定されている.現在は350ppmに達している.CO2濃度が現在の倍の660ppmに増加すると農作物の収量は33%増加するとされる.CO2増加への反応は作物で異なりC4作物で大きい.CO2濃度が倍増すると地球平均気温は3±1.5度上昇するとされる.すると日本の稲作は東北以北で増収,それ以南で減収すると予測される.アメリカのトウモロコシの天水栽培では,CO2増加によるプラスを考慮しても大平原地方で30ー60%,南部諸州で60ー90%の減収が予想されている.
[養分吸収]
リービッヒ Liebig, Freiherr Justusvon
1803年〜1873年 ドイツの化学者.1840年植物が無機栄養で生育し,
窒素 ・ リン ・ カリウム の3要素を提唱し,これによる人造肥料をつくって,
農芸化学の父と仰がれる.

[肥料]
古くは野草や下草,人間や家畜の排泄物,マメ科植物の緑肥.
1913年;ハーバーとボッシュによるアンモニア合成工業は安価で大量な肥料供給を可能に.

アンモニアは大気中窒素と水素を高圧下で反応させて作る.窒素は無尽蔵だが,
水素を作るためにはエネルギーが必要.現在は天然ガスが主原料である.
リン酸肥料の主原料はリン鉱石でモロッコ,中国などから輸入.資源枯渇が問題となっている.
カリ肥料の原料はカリ鉱石でカナダから輸入.資源量の問題はまだ少ない.
有機質肥料のナタネ油かす,骨粉なども輸入依存度が高い.コスト,品質などの問題がある.

水耕と液肥によるイネ栽培 (松島 1980)
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Year  Yield(kg/a)   Field
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1962   77.2    (54.7)
1963  77     (56)
1964   64.2   (63.3)
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無機養分供給(水耕)でも充分収量はあげられる.

有機物の働き
1.化学性
 @土壌微生物による分解で養分供給(含微量要素)をする給源. 
 A.保肥力,微量要素の有効化. 
 B.生理活性増進.不良条件での収量低下防止,緩衝能力.
2.物理性
 @団粒化が促進され耕起し易くなる. A通気,透水,排水,保水性.
3.生物性
 @土壌微生物を盛んに活動させる. A根の発達 

などの作用を持つが,堆肥施用により耐病性や食味が向上するという証拠はない.
窒素量が少なくなり,そのため稲体が抑えられて耐病性が向上すること,
などはありえようが.

堆肥の必要量
水田では通常,1〜2t/10aの投入する.
成分は変動が大きいが,通常窒素0.5%前後(5〜10kgN/10a),リン酸0.1〜0.2%,
カリ0.5%前後.

[コンポスト]
生ごみなどから作った有機肥料.藁や家畜糞尿を好気的に発酵させた堆肥などの有機肥料.
都市からの生ゴミや下水汚泥から作られる有機肥料のこともいう.
家庭では生ごみを発酵菌とともにプラスチック製容器に入れ発酵させて作る. 

[食品ロス率](農水省2001)
世帯が7.7,外食産業が5.1%(厨房含まず).

供給熱量(農水)−摂取熱量(厚生)=
700kcal/人(=食べ残し,廃棄)くらいである.

一人一日摂取食糧;穀類 270+いも類 58+でんぷん 48+豆類 25+野菜 2799+果実 114+
肉類 79+鶏卵 47+乳製品 258+魚 101+糖類 55+油類 42+みそ 12+醤油 23+その他 12
=1426g(生重)

蛋白質摂取 86.6g=(14.4gN)/日/人(平12食料需給表)
=約5kgN/年 

糞200g(2%として4gN)/日/人 + 尿から7gN/日/人 
=> 11gN程度/日/人 => 4kg程度/年/人 
この糞尿を全量圃場に還元したとして;
=> 6〜10kgN/10a (1.2億人が500万haへとして)となる.

日本全体約9400万トンが農業由来の産業廃棄物,大半が家畜排泄物.
日本国内で約1.2億tの食料が消費(自給率は約40%のため,7千万tが海外からの輸入).
食料の約5〜20%がロス,10%と仮定して約1200万t.
 
食料平均N%=1とすると[(86.6/1426)×(N係数1/6)],
ロスは12万tN. これを全量500万haに還元すると  => 2.4kg/10a 
にはなるが…

[施肥以外の窒素供給量]
 水稲生育期間中灌漑によって2〜4kg/10a全N流入(水田 2001).
 微生物固定が2.58kg(小野ら 1984).
 さらに地力窒素が7〜12kg(施肥窒素より多い)吸収(山本 1995).
 一方,浸透と地表排出で1〜5kgは水田外へ再流出(田淵 1997).
 灌漑水の硝酸態窒素が水稲に吸収されるのは36%程度(日高 1995).
 N施肥量は通常10〜15kg/10a.
 
 アイガモの糞は2kg/10a程度.

[アゾラ]
 日本名はアカウキクサ.Azolla imbricata,オオアカウキクサ A. japonicaの2種.
 葉に窒素固定性らん藻が共生し,N固定を条件のよいところで10アールあたり
 1日300-500g,年間5ー15kg(渡辺 1992).
 
[農薬]
 病害虫,雑草,ねずみなどを防除して作物を保護したり,生理機能を増進または抑制をし
 て生産性を高めるために用いる薬剤.

 安全性確保のため,毒性試験や環境関連の試験データによる国への登録が必要.
 残留農薬基準や安全使用基準が設けられている.
 江戸時代にウンカ防除に鯨油を水田に注いだのが農薬の第1号である.

[生物農薬]
 微生物や天敵昆虫を用いた農薬.微生物農薬にはBT剤(昆虫病害菌であるBacillus
  turingiensisの産出毒素を製剤化)が野菜害虫であるコナガ殺虫剤として使用する.

 天敵農薬には,寄生バチ,捕食性ダニなど(ハダニ類などを対象).
 欠点は,対象作物が限られる,効果が緩慢,製品の不均一性などがある.
 生物的防除はより広い意味であり,誘引性フェロモン利用,害虫不妊雄の大量導入なども含む. 

[総合的病害虫管理]
 化学的農薬のみでなく,生物的農薬,耐病虫性品種,被害を避けうる栽培方法など,
 各種方法の長所をあわせ,環境負担を少なくしながら,総合的に防除すること. 

農薬工業界Hpより
  日本植物防疫協会は全国のべ59ヵ所で主要12作物について農薬使用しない栽培をし,
  下表の通りその実態を報告した. 

農薬を使用しないで栽培した場合の収量の減少率
−−−−−−−−−−−−−−−−
 作物名 ( )は試験例数.収量減少率 
−−−−−−−−−−−−−−−−
水  稲 (10) 28% 
小  麦 (4) 36% 
大  豆 (8) 30% 
り ん ご (6) 97% 
も  も (1)  100% 
キャベツ (10) 63% 
だいこん (5) 24% 
きゅうり (5) 61% 
ト マ ト (6) 39% 
ばれいしょ (2) 31% 
な  す (1) 21% 
とうもろこし (1) 28% 
−−−−−−−−−−−−−−−−
日本植物防疫協会 1993 
現在の栽培体系では「農薬なしには現在の生産量,品質を維持することは困難である」とした. 

[アイガモ農法]
合鴨(アヒルと鴨F1)を活着後から出穂期頃まで15匹/10a程度放飼.
除草,糞からの養分供給,害虫摂食,接触での稲体の健全化,中耕などを計る.
収量品質が安定しない.熟練を要す.合鴨生産でもある.
 
[鯉除草]
安定的ではない.

[カブトエビ]
雑食性で泥と共に微小生物や有機物を食べ,浮き草など雑草の幼根をかじる.
水田の中を這い回り,濁らせ雑草の光合成を妨げる.
1平方メートル30〜40匹のカブトエビがいれば,比較的高い除草効果が認めら
れたという報告もあるが,実効性は疑問である.

[ジャンボタニシ] 
スクミリンゴガイ.もとは南米原産の巻き貝.食用として輸入・養殖されたものが野生化.
現在大量に繁殖し水稲に食害.繁殖力おう盛で適切な駆除の方法がない.
直播で特に問題.

[バイオレメディエイション 生物的浄化] bioremediation
ホテイアオイなどによる水質浄化.実効性が疑問.

[CO2以外の温室効果ガス]
メタンは1.7ppm,一酸化二窒素は0.3ppm,オゾンは0.03ppm,フロンガスは0.001ppm
とわずかな量だが,二酸化炭素の温室効果と同程度の役割があるとされる. 

メタンガスはCO2についで大きな温室効果をもち,現在毎年2%の速度で増加.発源は水田,
湖沼での嫌気性発酵や,動物の腸内発酵が主要.

イネが栽培されている水田からは,裸の水田よりも多くのCH4が放出(堀江1991). 

[中山間地域]
平地の周辺部から山間地に至る,まとまった平坦な耕地の少ない地域.
過疎法などの法に指定された市町村.
森林や急傾斜地が多い,交通条件が悪い,就業機会が少なく過疎化や高齢化が進ん
でいるなどの不利な条件.耕作放棄地が増えており,農地や農業用施設の持つ公益的機能の低下が懸念.
国土の約7割,総人口の約14%が居住.耕地面積,農家数,農業粗生産額は全国の約4割. 

[水田の公益的機能]
豪雨時の雨水の一次的貯水による洪水防止.地下水かん養による水資源確保.土壌流
出の防止.自然環境の保護.都会との交流.
日本全国の水田が蓄える水の総量は,およそ81億トン.
日本各地に作られている治水ダムの貯水量の3.4倍.水田と同じ貯水力をダムでまかなお
うとすれば,その建設費は9兆1,300億円. 

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採種・奨励品種制度

農業改良助長法のもとで,農業に関する試験研究やその普及,優良種子の確保といった ことを国が協力,補助している. 普及新品種の農家への導入や栽培方法の指導は各地域の農業改良普及センターの 農業改良普及員,農協の営農指導員などが行っている.

日本では農作物,特にイネやムギ類などの主要な作物の品種改良は国や県などの 公的機関で古くから行われてきた.最近は民間も積極的.園芸作物は民間での品種改良が 盛んである.品種育成者の権利を守るために種苗法による登録制度がある.

優良種子の生産や普及を促進するため主要農作物種子法(ここでいう主要農作物とはイネ, コムギ,オオムギ,ダイズ)が制定されており,都道府県の農業試験場が管内に適する優良品種 の選定(奨励品種決定調査,現地試験)および優良種子の生産(原々種や原種の生産, 採種圃場の審査)を行っている.その他の作物で同様な制度がある場合がある.

[農業改良助長法] 第2条  都道府県及びその他の試験研究機関に対し補助金を交付する. 第3条  農林水産大臣は試験研究につき必要な忠告及び助力を与える. 第4条  都道府県農業試験場は必要な助言及び協力を求める. 第13条  農業に関する普及事業を助長する. [種苗法] 新品種育成の振興を図るため,植物の育種者の権利保護を目的とする法律.一定期間育成 者に一定の独占的な地位を付与(種苗の販売権の独占)する.UPOV条約(植物新品種保 護国際条約)に基づき設けられており,植物品種の国際的な流通の促進に寄与するものとな っている.登録の要件は,  a.重要な形質に係る特性によって,既存の品種と区別できること(区別性).  b.同一の世代において,その特性が十分な均一性を保持していること(均一性).  c.繰り返し増殖させた後においても,特性が安定していること(安定性). [主要農作物種子法] 目的:都道府県は, @管内に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するための試験, A原種及び原原種の生産, B指定種子生産ほ場の指定, C優良な種子の生産及び普及のために必要な勧告,助言及び指導, を行うこととしして,その経費の一部を国庫補助している. 主要農作物種子法 第6条の3  には,都道府県は,当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種 を決定するための必要な試験を行わなければならない. とある. わが国の多様な気象土壌条件下で主要農作物の生産力が維持向上されてきたのは この種子法の下で優良種子の生産普及が促進されたことが大きい. 現在稲の奨励品種は250にものぼる.これは各々の農業地帯別に試験し, 最も適する品種を細かく見いだし,普及させているためでもある. 県内にも多くの品種が産地,作期,用途など別に奨励されている. 栃木県水稲奨励品種(2001) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 品種名  熟期 組合せ      育成地  採用年 長所 欠点    適地 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ひとめぼれ 早 コシ/初星    宮城県  平4 耐冷性強 倒伏    県中,北部 早植 コシヒカリ 早 農林22/同1   福井県  昭32 良質   倒伏いもち 県下一円 アキニシキ 中 マンリョウ/コシ 北陸農試 昭49 倒伏強  いもち   高冷地除く 月の光   中 あ系/F1     愛知県  昭61 縞葉枯  収量   発病地帯 晴れすがた 早 朝の光/コシ   栃木県  平7 縞葉枯  耐冷性   県中,南 あさひの夢 中 愛知71/    愛知県  平12 縞葉枯  白葉枯   発病地 オトメモチ 早 こがねもち/奥羽 東北農試 昭43 短稈  紋枯   県北部限定 モチミノり 中 喜寿糯/関東120 農研セ   平3 葉枯枯  収量  高冷地以外 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 栃木県麦奨励品種(2001) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  品種名       育成地  採用年 長所   欠点    適地 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ビール大麦  ミカモゴールデン  栃木県  昭62 縞萎縮病  皮剥け  県下全域   あまぎ二条     キリン  昭57 品質    倒伏   発病地除  タカホゴールデン  栃木県  平6  縞萎縮病       県下全域   なす二条      キリン  平2  醸造品質  皮剥け  発病地除  みょうぎ二条    栃木県  平7  品質    皮剥け  県下全域  スカイゴールデン  栃木県  平12 新縞萎縮病 高蛋白  新汚染地 小麦  農林61号      佐賀県  昭27 良質    倒伏   県中,南部  バンドウワセ    農研セ  平3  倒伏   凍霜害  県南  イワイノダイチ   九州農試 平12 めん適性       県中南部 六条大麦  シュンライ     長野県  平7  加工適性  赤かび病 県下全域  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 栃木県大豆奨励品種(2001) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  品種名   育成地  採用年 長所   欠点    注意    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− タチナガハ  長野県  昭61  多収   センチュウ 連作避ける たまうらら  東北農試 平11  加工適性 紫班病   連作避ける −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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花序,形態

成長点,葉原基,二次分裂組織,シュート,頂芽,芽,ファイトマー, 幼穂,花,単性花,両性花,雌雄(異花)同株,雌雄異株,花序,無限花序,有限花序,総穂花序, 穂状花序,総状花序.集散花序,小花,小穂,護穎,外穎,内穎,籾,雌ずい, 果皮,子房,種皮,胚珠,果実,雄ずい,配偶体,配偶子,接合子,種子,胚,芽ばえ, 胚乳,穎果,キセニア,多胚,子実の形成,脱粒性, 葉,葉序,子葉,鞘葉,前出葉,第一葉,初生葉,止葉,托葉,葉枕,単葉,苞葉,葉齢指数,葉耳, 茎,短稈品種,匍匐枝,地下茎,むかご,枝,維管束,胚軸, 根,種子根,同伸葉同伸分げつ,葉面積比,葉面積指数 → 
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発芽,休眠,開花,結実

晩性,短日,長日作物,有効積算温度,限界日長,穂発芽,基本栄養成長性,播性,休眠, C3とC4植物,明反応と暗反応,太陽エネルギー利用効率,植物ホルモン,ソースとシンク, 野生型と栽培型,生殖様式の違い,自家受粉作物,他家受粉作物,栄養繁殖作物, 細胞質雄性不稔,自家不和合性,重複受精,育苗 →
作物学用語集参照 戻る

最近の育成品種

作物学用語集の関連部分(遺伝資源,育種,品種など),及び 作物学特論最近の品種の特徴,遺伝的ぜい弱性の項目参照. 戻る

米の食味

作物学(稲)の食味の欄を参照.
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その他

[Malthusの法則]
Thomas R. Malthus 1798 argued that man could increase his subsistence only in arithmetic progression, whereas his numbers tend to increase in geometric progression.

[Anonymous]
It has been stated that a man who goes without food for 24 hours will quarrel; one who is denied food for 48 hours will steal; one who without food for 72 hours will fight. Thus, the difference between peace and anarchy in most countries is a matter of only a few days without food. 

[緑の革命への批判へのボーローグの反論]
ボーローグは,緑の革命へのいくつかの批判については真剣に懸念しているが,批判の多くは退けている.彼は自分の仕事について,“正しい方向である.しかし世界をユートピアにするものではない”と述べている.
また,環境ロビイストについては以下のようにも述べている.“西欧の環境ロビイストの中には耳を傾けるべき地道な努力家もいるが,多くはエリートで空腹の苦しみを味わったことがなく,ワシントンやブリュッセルにある居心地の良いオフィスからロビー活動を行っている.
もし彼らがたった1ヶ月でも途上国の悲惨さの中で生活すれば,それは私が50年以上も行ってきたのだが,彼らはトラクター,肥料そして潅漑水路が必要だと叫ぶであろうし,故国の上流社会のエリートがこれらを否定しようとしていることに激怒するであろう” .
(出典;http://en.wikipedia.org/wiki/Norman_Borlaug を吉田訳)

[ビルゲイツによるボーローグへの追悼文]
歴史上の誰よりも多く飢餓への戦いをしたノーベル賞受賞者の作物学者であるボーローグに自分は会ったことはないが,長い間彼を尊敬してきた.自分が農業の発展について学び始めたとき,彼の名前がしょちゅう出てきたので,まるで彼は自分の先生であるかのように感じていた.
彼の仕事は1940年代に始まり,品種改良により,メキシコの農民が収量を6倍にも高める手助けをした.以後の40年間,その成功は南米やアジア中に広がっていった.彼の生涯のこの仕事は“緑の革命”と言われ,世界の飢餓を半分に減らした.
批評家のなかには,世界が貧しい人々の生活を向上させようとする試みには望みがないと言う人がいる.しかし,彼は大規模な進歩が可能であることを証明した.彼は本当の英雄であり,彼の物語は将来について我々を楽観的にさせるに違いない. −Bill Gates,Bill & Melinda Gates Foundation
(出典はTimeの「2009年の人」;http://www.time.com/time/specials/packages/article/
  0,28804,1946375_1946448_1946363,00.html#ixzz0aRIBklvo を吉田訳)

注) “緑の革命”については
ここ参照.
“緑の革命”でウィキなりGoogle引いてご覧なさい.悪口が9割だから.義憤を覚えこの項目を追加した.
マイクロソフトが嫌いな人にとってはBill Gatesの追悼文は逆効果かもだが,私はWindowsの標準化のおかげで多大の得をしたと思っている.

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以上