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内村要介
2005.9修了
学位論文要旨 (本文PDF 2.6MB)



発表論文

1.国内二条大麦のDNAマーカーによる品種識別. 内村要介・古庄雅彦・吉田智彦. 日作紀 73:35-41(2004).
要旨;二条大麦の種子の純度維持,品種育成者の権利保護および農作物の品種の適正な取引の検査を目的として,DNAマーカーによる二条大麦品種の識別技術を確立した.識別が可能な二条大麦品種は,近年国内で栽培されている22品種,および外国2品種の合計24品種である.これらの品種識別は,9種類の STSプライマーと6種類の制限酵素の組合せによる9通りのPCR反応と制限酵素処理を行ったDNA断片について,1.8%アガロースゲルを用いた電気泳動で分画することで可能であった.さらに,同様の24品種間において1.8%アガロースゲルを用いた電気泳動で多型検出が可能で,視認性かつ再現性に優れているCAPSマーカー28種類,SSRマーカー1種類,RAPDマーカー5種類も選定した.

2.二条大麦品種における近縁係数と分子マーカーから推定した遺伝的距離との関係. 内村要介・古庄雅彦・吉田智彦.日作紀 73:410-415(2004).
要旨:品種の遺伝的背景を明らかにするには,品種の家系図から統計的に算出する品種間の近縁係数と,分子マーカーで検出したDNAの類似程度による品種間の遺伝的距離とがあるが,この両者の関係をみた.遺伝的距離はここでは根井の遺伝的距離Dを計算した.二条大麦で,国内で近年主に栽培されている22品種について解析した結果,両者の間にはr=−0.526〜−0.650の相関が認められた.従って,近縁係数は,両親から半分ずつ遺伝物質を確率的に受け継ぐとされて算出するが,この値はDNA多型の検出頻度からもある程度裏付けされた.また一方で,今回用いた分子マーカーで検出した染色体上の領域は,統計的な裏付けから品種育成の過程で後代にほぼ均等に分離していったと考えられる.

3.ビール大麦の有用遺伝子の遺伝解析のための半数体倍加系統の作出.内村要介・古庄雅彦・馬場孝秀・山口修・甲斐浩臣・塚ア守啓・吉田智彦.日作紀 74:444-449(2005).
要旨:分子マーカーを利用して有用遺伝子を効率的に導入する育種法を確立する目的で,遺伝解析の材料として,徳島モチ裸由来のオオムギ縞萎縮病抵抗性品種縞系6とオオムギ縞萎縮病罹病性品種lk2のF1に野生オオムギcb2920を交配して得た胚を培養し,コルヒチン処理をして半数体倍加系統を作出した.半数体倍加系統群の作出率は,野生オオムギを受粉したF1の頴花数に対して,1.7〜4.5%であった.半数体倍加系統群95系統のオオムギ縞萎縮病 (T型) に対する表現型は,抵抗性47系統と感受性48系統で,期待分離比1:1によく一致した.また,連鎖分析に利用するための分子マーカーにより検出した遺伝子型の分離比も,26マーカー中25マーカーが縞系6型:lk2型が1:1の期待分離比に適合し,ヘテロ型は全く検出されなかった.半数体倍加系統群は遺伝解析の材料として,完全なホモ接合体でヘテロ型が判定できない優性マーカーも有効に使えること,表現型および遺伝子型の分離比が単純であること,同一の遺伝子構成の材料として維持・増殖が容易なため,異なる環境下で形質評価を繰り返し行うことが可能で,遺伝子発現の評価の信頼性を高めることができる点で優れていた.

福岡県農業総合試験場

修士相当と認定された成果

1. 研究課題名:水稲湛水直播栽培の改善に関する研究
1)水稲湛水直播栽培におけるケイ酸施用が倒伏,収量,食味および精米の理化学的特性に及ぼす影響
 水稲奨励品種選定において,直播用水稲品種を採用するにあたり,倒伏軽減と良食味米生産技術を確立しておくためケイ酸の施用効果を明らかにした。
2)酸素発生剤を用いない湛水土壌表面直播栽培の出芽苗立ち評価
 水稲直播栽培に適する品種選定において,さらなる省力,低コスト化を図るために,従来から使用されていた酸素供給剤を粉衣しない直播栽培における出芽苗立ちについて明らかにした。

2. 該当する業績一覧
学術論文、研究発表・報告・     発表又は      発行所、発表雑誌等又は     備考(共著者名又
 特  許  等  の  名  称    発表の年月日  発 表 学 会 等 の 名 称   は共同発表者名)

ツルマメ胚軸根の皮層における  1996.9         日本作物学会紀事           古屋忠彦・井之上凖
  破生細胞間隙について                                             
水稲湛水直播栽培におけるケイ  2000.12        日本作物学会紀事           尾形武文・佐藤大和・松江勇次
  酸施用が倒伏,収量,食味および精米の理化学的特性に及ぼす影響
酸素発生剤を用いない湛水土壌  2001.9        日本作物学会紀事            佐藤大和・松江勇次
  表面直播栽培の出芽苗立ち評価



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