宇都宮大学農学部生物生産学講座>Labo>栽培学研究室ホーム>insei(旧学生)>sigenume

重宗明子 (中央農研北陸センター)

2006.9修了

学位論文要旨 (本文PDF 745MB)

発表論文
1.北陸研究センターで育成した水稲品種系統の家系分析.重宗明子・三浦清之・笹原英樹・後藤明俊・吉田智彦.日作紀 75:153-158.
要旨: 水稲の育成地における材料の遺伝的多様性を把握し,優良形質の集積を図る品種育成戦略を構築することを目的として,中央農業総合研究センター北陸研究センター (旧北陸農業試験場) で過去80年以上にわたって育成された水稲品種系統 (配付済みの北陸系統115系統と未配付系統28系統) について家系分析を行った.総祖先数は,20年前から増加し始め,最近10年で2倍に増加し,未配付系統の平均は1122に達していること,祖先品種との寄与率からみて遺伝資源の幅が狭いことが明らかになった.供試系統とコシヒカリとの近縁係数は1960年代に増加した後は頭打ちになっており,2004年に奨決に供試した北陸系統16系統では,コシヒカリとの近縁係数は平均で0.463であった.また,コシヒカリとの近縁係数と食味との相関係数は有意ではなかった.供試した全143系統はキヌヒカリと血縁関係があり,さらに現在育成中の系統 (44系統) の86%がキヌヒカリの後代であることから,育成当初から改良を積み重ね,現在もコシヒカリの改良後代であるキヌヒカリの寄与が大きいことが示唆された.

2.水稲品種育成地における食味試験の精度の検討.  重宗明子・笹原英樹・後藤明俊・三浦清之・吉田智彦.日作紀 76:306-310.
要旨:食味官能試験の精度を確認するために,各食味評価項目(総合評価,外観,香り,うま味,粘り,硬さ) の識別性,各パネル員の評価値と全体の評価値平均との相関と品種識別能力との関係,あきたこまちとコシヒカリの識別性について解析した.5回の試験について各評価項目別に品種を要因とした分散分析の結果,総合評価,外観,うま味,粘り,硬さは全ての回で品種間の差が1%水準で有意であり,品種間差の識別性が高かったが,香りは他の項目に比べて品種間差の識別性が低かった.外観,香り,うま味,粘りと総合評価には正の相関がみられたが,硬さとは有意でない負の相関がみられた.重回帰分析の結果,総合評価はうま味によって多くが説明された.食味総合評価値が異なる材料として,コシヒカリ,あきたこまち,コチヒビキを用いて,3回の試験,15名のパネル員の,これら3品種の分散分析のF値 (品種の識別性) は,6名が5%水準で有意であった.品種の識別性が高いパネル員の,全体の平均値との相関は高かった.5回の試験,10名のパネル員について,コシヒカリとあきたこまちの2品種の分散分析のF値が大きいパネル員は,この2品種の食味評価値の差が大きかった.

3.Role of maternal tissues in qLG-9 control of seed longevity in rice (Oryza sativa L.)
Akiko Shigemune, Kiyoyuki Miura, Hideki Sasahara, Akitoshi Goto and Tomohiko Yoshida.
Breed.Sci. 58 (2008):1-5.
We examined the roles of hull, seed coat, and embryo on the effect of three quantitative trait loci (QTLs; qLG-2, qLG-4, and qLG-9) that control seed longevity in rice. We used chromosome segment substitution lines (CSSL) to isolate each QTL. To examine seed longevity, a germination test was performed after an aging treatment. Both in seeds and in brown rice, qLG-9 (located on chromosome 9) increased seed longevity, but qLG-2 and qLG-4 (located on chromosomes 2 and 4, respectively) did not. A germination test using the seeds of reciprocal crosses between 'Koshihikari' and SL226 revealed that CSSLs containing qLG-9 exhibited no maternal effect from the hull or seed coat on the longevity produced by qLG-9. Thus, the increased seed longevity caused by qLG-9 seems to be associated only with embryonic factors.

修士論文名
Breeding Anther Culture Derived Lines and their Application to Hybrid Breeding of Pearl Millet   発表論文→   現地→

宇都宮大学栽培学研究室へ戻る.
吉田HP