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佐々木茂明

2005.3修了
学位論文要旨本文PDF 1.8MB)

既発表論文

1.ウンシュウミカンに関するデータベースの開発. 佐々木茂明. 農業情報研究 11(2):133-140(2002).
要旨:
農業改良普及活動において,農業経営体育成及び支援を行う上で,日頃,農家に作物栽培技術,経営技術等の各種農業情報を提供していた.それらの情報を特定農家や特定団体にとどまらず,より多くの農家に伝達した方が地域の活性化に貢献できると考えた.それらの農業情報をインターネット上に公開し,農家が必要に応じ情報を自主選択できるシステムを開発した.和歌山県有田地方はウンシュウミカンの産地であることからウンシュウミカンの統計データ,現場調査データ,各種事業紹介,自作図鑑類,気象データ,果樹試験場研究データ,JA情報,みかん栽培の歴史,機能性データ,栽培指針等に関する情報を提供するシステムとした.インターネット上へのウエッブページ公開手順は簡単に行えるようになったが,有益なコンテンツ作りは容易ではなかった.有益なコンテンツとは何かを追求すると同時にそのコンテンツづくりの手法開発に取り組み,農作業のための支援ツールとしてのデータベースが完成した.このシステムを「有田みかんデータベース」(http://www.mikan.gr.jp)と称し,農家及び消費者に対する地域資源となれるよう関係機関と連携しながら現在もコンテンツを増殖することとした.一方公開内容の適正化を評価してもらうためにアンケートを実施した.

2.携帯電話対応の雨量データベースの開発. 佐々木茂明・木浦卓治・古屋挙幸. 農業情報研究 11(3):231-238(2002) 農業情報学会誌論文賞受賞 !!
要旨:
ウンシュウミカン露地栽培において,ほ場への降雨量を把握することは的確な病害発生予察を可能とする.また,降雨が果実品質におよぼす悪影響を回避することも可能とする.和歌山県土木部砂防課は県内137カ所の雨量を観測している.しかし,砂防課防災データステーション(2002)で公開されているデータはリアルタイムの時間雨量データであり,過去データは表示されない.そこで砂防課防災データステーション(2002)が公開している時間雨量を自動的に集積し過去24時間の時間雨量,過去1ヶ月の日別雨量,ある月の日別雨量,また,ある日付から現在までの積算雨量を計算して栽培管理に必要なデータに置き換え,有田みかんデータベース(2002)(http://www.mikan.gr.jp)内に公開するシステムを開発した.本システムは農家が農作業中にも簡単に利用できるよう携帯電話向けに作成した.

3.IT活用による新たな農業改良普及活動の開発.佐々木茂明.農業普及研究 第9巻第1号(2004):64-73. これも農業普及学会奨励賞受賞 !!
要旨:
ウンシュウミカンの生産・販売に対する意欲を高めるための農業者の集団活動をネットワーク上で支援する手法を開発した.この手法は日頃の農業改良普及活動である巡回指導、講習会の開催など,直接農業者に接して行なう活動とは別に、インターネットを使って間接的に農業者に接し,農業生産方式の合理化,その他農業経営の改善などの知識情報を時間や場所に左右されず情報交換を行なう農業改良普及活動である. 著者は1986年から2000年までPC-VAN、AGネット(農と食)での運用実績からインターネット時代に対応した情報公開システム「有田みかんデータベース」http://www.mikan.gr.jpを開設した.電子掲示板はローカルネットを活用し情報交換の活性化を促進することとした.また,メーリングリストをEI-NET(農業改良普及協会)及びWSAI(和歌山農業情報利用研究会)のメールサーバーを利用し開設した.情報交換の内容はウンシュウミカンの統計データ,現場調査データ,自作図鑑類,気象データ,みかん栽培の歴史,栽培指針等に関する情報はホームページを活用することとし,緊急性の高い生産現場での病害虫発生情報やその防除体系などはメーリングリストを使用した.この二つのシステム活用によりインターネット上にバーチャル普及センターを開設し,新たな農業コミュニティを形成した.このバーチャル改良普及センターは改良普及員と農業者との交流頻度を高めた地域密着型の農業改良普及活動を容易にするとともに,農業者及び改良普及員のパソコン習熟度をアップさせた.

4.産地と市場の連携によるトレーサビリティモデル
(青果ネットカタログをベースにした農業生産法人と卸売会社のトレーサビリティへの取り組み)
佐々木茂明.農業情報研究、13(2)(2004)、117-126.
要旨:
ウンシュウミカンのトレーサビリティを確保するため農業生産法人のWebと卸売会社のWebをリンクさせ,新たな生産方式で栽培した商品の生産工程や流通経路を公開することとした.栽培履歴の詳細には農業日誌V6(ソリマチ株式会社)などの既存のものを使用し,それらの組み合わせによるトレーサビリティ確保システムを開発した.そのため,生産情報,出荷情報などの詳細は農業生産法人のWebに入力し,卸売会社のWebには市場から先の流通を公開することとし,それぞれの公開情報は商品に添付したカタログ番号で管理した.また,ウンシュウミカンは従来の10kg入りダンボールではトレーサビリティの確保が困難なため,消費者に商品が届くまでカタログ番号を維持できる新たにパッケージを開発した.仲卸会社や一般小売店は顧客に情報公開するシステムを有していない現状から,生産履歴情報表示用POPは卸売会社が作成して店内で消費者が閲覧できるように配布した.これらの取り組みにより,農場から食卓までのトレーサビリティを低コストで確保することができた.

5.マーチャンダイジング企画に基づく経営体育成モデル.佐々木茂明・澤井克文・山本浩之.農業普及研究投稿中.
要旨;
ウンシュウミカンの消費減退のなか有田みかん産地の経営体を強化するため、経営体を研究機関及び流通業界と連携させ、実需者が要求する新商品の開発に取り組むこととした。商品とするウンシュウミカンは独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構近畿中国四国農業研究センターが開発したマルドリ方式を現地実証することで生産することとし、商品化は卸売会社の支援を受けることとした。有田地域におけるウンシュウミカン振興は地域全体の課題であり、これら課題解決にむけ有田振興局はプロジェクト「有田みかんニューブランド開発プロモーション事業」を立ち上げた。プロジェクトメンバーを指導農業士、市・町、県総合技術センター果樹試験場及びありだ農業協同組合の代表者らで構成した。プロジェクト活動は経営体と研究機関及び流通業界との連携を支援し、有田みかん新商品「紀の国有田まるどりみかん(商標登録申請中)」の開発とマーチャンダイジングを企画した。著者ら有田振興局職員はプロジェクトメンバー、研究機関、流通業界との意見調整をおこなった。これらの一連の活動が有田地域の多くの経営体から注目されることとなった。

ミカンデータベース

修士相当と認定された業績
1 2001年 農業情報研究発表「携帯情報端末(携帯電話)対応有田みかんデータベース開発」
2 2001年 技術普及「ミカン農家とIT農業コミュニケーションづくり」
3 2000年 情報研究会「みかんデータベース構築とその有効利用」
4 2000年 第12回農業情報ネットワーク全国大会
5 2000年 農業情報セミナー2000「普及・営農指導は情報サービス」
6 1999年 農業技術成果発表会「みかんデータベースへの取り組み」
7 1998年 果実日本「みかんデータベースに取り組む有田ネット21」
8 1998年 和歌山の果樹1月から12月まで連載「パソコン講座」
9 1998年 農業情報ネットワーク全国大会in和歌山&AFITA国際会議
        パネル発表
10 1993年 やさしい農業パソコン(T)を出版
11 1992年 農業情報利用研究「pc-van等における農業情報ネットワーク活動」
12 1990年 技術と普及「データこそ内懐を開かせる」
13 1990年 農業情報1990「pc-van sig/AGネット」
14 1989年 農林水産試験研究におけるソフトウエアー開発・利用研究
        「ネットワークシステム構築事例」
15 1989年 農業情報1989「和歌山のBBS「Wave−net」
                 「農業情報システムpc-van sig/AGネット」
16 1989年 農業気象学会近畿支部「パソコン通信を利用した農業改良普及活動」
17 1989年 農業情報パソコン通信大会(第1回)
                 「農業情報システムpc-van sig/AGネット」


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