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小林俊一 (栃木県農業試験場生物工学部)

2007.3 修了

学位論文 (要旨本文PDF)

発表論文
1.RAPD分析による栃木県水稲優良品種の品種識別. 小林俊一・吉田智彦.日作紀74(2):207-211 (2005.6). 
    要旨:栃木県産麦類の品質向上及び原種,原々種の混種防止を目的に栃木県の奨励品種及び有望視している品種を中心に関東周辺地域に作付けされているコムギ17品種、二条・六条・裸オオムギを含むオオムギ19品種についてRAPD分析による品種識別技術を開発した.これらの品種識別はコムギでは5種類のランダムプライマーを用いてDNAを増幅した後,1.5%アガロースゲルで電気泳動しエチジウムブロマイド溶液で染色し,現れた6種類のDNAマーカーの多型を確認することで可能であった.オオムギでは6種類のランダムプライマーで現れた9種類のDNAマーカーの多型を確認することで可能であった.1945年育成の古い品種である小麦農林61号は原種の採種地により多型が認められた.雑種第13世代の二条オオムギ関東二条35号の系統間に多型は認められず,固定しているものと考えられた.

2.RAPD分析による栃木県を中心とした関東周辺地域のムギ類優良品種識別.小林俊一・吉田智彦.日作紀 75(2):165-174.
要旨:栃木県産麦類の品質向上及び原種,原々種の混種防止を目的に栃木県の奨励品種及び有望視している品種を中心に関東周辺地域に作付けされているコムギ17品種、二六条・裸オオムギを含むオオムギ19品種についてRAPD分析による品種識別技術を開発した.これらの品種識別はコムギでは5種類のランダムプライマーを用いてDNAを増幅した後,1.5%アガロースゲルで電気泳動しエチジウムブロマイド溶液で染色し,現れた6種類のDNAマーカーの多型を確認することで可能であった.オオムギでは6種類のランダムプライマーで現れた9種類のDNAマーカーの多型を確認することで可能であった.1945年育成の古い品種であるコムギ農林61号は原種の採種地により異なる多型が認められた.雑種第13世代の二条オオムギ関東二条35号の系統間に多型は認められず,固定しているものと考えられた.

3.関東周辺地域のムギ類優良品種における近縁係数と分子マーカーから推定した遺伝的距離との関係.日作紀 75(2):175-181.小林俊一・吉田智彦
要旨:品種育成において,交配親を選定する際に遺伝的背景を把握しておくことは,育種の効率化のために有効である.そこで,関東周辺地域のムギ類品種を用い,交配記録の系譜から統計的に近縁係数を算出した.次にこれらの品種間でRAPD分析による同一のバンドを示すDNAマーカー数と根井の遺伝的距離Dを算出した.同一のマーカー数と近縁係数の間の相関係数はコムギで0.581〜0.904,オオムギでは0.731〜0.805であった.遺伝的距離と近縁係数の間の相関係数はコムギで−0.511〜−0.892,オオムギでは−0.659〜−0.770であった.このことは,コムギ,オオムギにおいて今回の分子マーカーから得た遺伝情報は,育成の過程で後代にほぼ均等に分離していったことを示すと考えられた.遺伝情報を利用したDNAマーカーおよび近縁係数による簡易な血縁関係の推定は利用価値が高いと考えられる.なお,同一マーカー数と遺伝的距離の相関係数は極めて高かった.遺伝的な多様性の維持を意識しながら品種育成するためにもこれらの情報の有効利用が必要と考えられた.

4.RAPD分析によるユウガオ (Lagenaria siceraria) の品種分類.小林俊一・吉田智彦,日作紀 76(1):93-99(2007.1).
要旨:ユウガオを育種している栃木県農業試験場栃木分場の保存品種について,維持保存の参考とするため,栃木県育成品種5品種を含むユウガオ14品種とヒョウタン10品種,合計24品種についてRAPD分析とクラスター分析を用いて分類を試みた.45種類のランダムプライマーを用いて32種類のDNAマーカーが得られた.その内,栃木県由来の品種間では5種類の多型がみられたのみであり,近縁関係が極めて近いと示唆された.県外や海外からの導入品種は近縁関係が遠いことが示唆された.これらのことから,今後も保存品種を維持するにあたり,県内品種については表現型で分類し代表的な品種を,導入品種については広い地域からの品種を数多く保存することが望ましい.

修士相当と認定された研究上の成果

1.成果名: 栃木県における優良品種の選定とそれらの品種の普及に関する研究

2.成果の概要
1)オオムギ縞萎縮病抵抗性ビールムギ品種および縞葉枯病抵抗性水稲品種の育成
 オオムギ縞萎縮病抵抗性ビールムギ品種「ミサトゴールデン」を育成するとともに、岡山大学で発見したオオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子(ym5)とエステラーゼ同位酵素遺伝子型の関係を利用した選抜法の実用性について明らかにした。また、栃木県南部に適応する縞葉枯病抵抗性品種「晴れすがた」を育成した。

2)小麦早生品種「フクホコムギ」及び水稲品種「コシヒカリ」の高品質栽培法の確立
 1982年に栃木県の奨励品種に採用された小麦早生品種「フクホコムギ」の凍霜害を回避し安定的に栽培する技術を明らかにした。また、水稲品種「コシヒカリ」では、緩効性肥料を利用した追肥が収量・食味に及ぼす影響を明らかにしその施肥診断技術を明らかにした。

3.該当の業績一覧
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 学術論文、研究発表・報告 発行又は発表 発行所、発表雑誌又は 備考(共著者名又
 ・特許等の名称          の年月日     発表学会等の名称     は共同発表者名)
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 大麦の渦・並性isogenic系  1980.10    育種学雑誌 別冊     岸谷幸枝       
 統対の光合成・生育特性                                    角田重三郎     
                                                         
 転換畑の麦跡大豆晩播栽培  1982.12    栃木県農業試験場研究 前波健二郎  
 における砕土条件及び栽植              報告                 太田 章    
 様式に関する研究                                          久保野実     
                                                         
 栃木県における小麦早生品  1983.12    栃木県農業試験場研究 前波健二郎   
 種「フクホコムギ」の栽培              報告                  太田 章    
 特性について                                               鈴木一水      
                                                                          
 大麦縞萎縮病抵抗性ビール  1984.4     育種学雑誌 別冊     瀬古秀文      
 ムギ品種育成に関する研究                                   USHA R.DAS    
 3.初期世代における抵抗                                   藤井敏男      
 性の分離、農業形質の比較                                  
                                                         
 大麦縞萎縮病抵抗性ビール   1984.4     育種学雑誌 別冊     藤井敏男       
 ムギ品種育成に関する研究                                   瀬古秀文       
 4.抵抗性系統の有用性                                   
                                                         
 大麦縞萎縮病抵抗性ビール   1984.4     育種学雑誌 別冊     藤井敏男      
 ムギ品種育成に関する研究                                   瀬古秀文      
 5.栃木県における「関東                                  
 二条22号」の実用性                                       
                                                         
 BREEDING FOR RESISTANCE    1986.10    BARLEY GENETICS X   H.YOSHIDA      
 TO YELLOW MOSAIC DISEASE                                   K.SOUTOME      
 IN MALTING BARLEY                                         
                                                         
 エステラーゼ同位酵素遺伝  1990.12    栃木県農業試験場研究 早乙女和彦   
 子型によるオオムギ縞萎縮              報告                 吉田 久     
 病抵抗性系統の選抜                                        天谷正行      
                                                         
 醸造用二条オオムギにおけ   1988.4     育種学雑誌 別冊     早乙女和彦    
 るオオムギ縞萎縮病抵抗性                                   天谷正行      
 系統のエステラーゼ同位酵                                   吉田 久      
 素遺伝子型による選抜                                     
                                                         
 水稲「コシヒカリ」の生育  1993.12    日本作物学会関東支部 山口正篤       
 量に応じた追肥法と食味向              会                   手塚俊介       
 上に関する研究 第1報                                    福島敏和       
 緩効性肥料による一発穂肥                                  
 が収量・食味に及ぼす影響                                  
 と利用報                                                 
                                                        
 水稲品種「晴れすがた」の  1996.12    栃木県農業試験場研究 大谷和彦・小島隆
 育成                                 報告                 ・佐藤恭子・大久
                                                           保堯司・伊藤浩・
                                                          五月女敏範・古田
                                                           土通・藤井敏男・
                                                           栃木喜八郎     
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