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家畜繁殖生理学

研究室紹介

バイオテクノロジーは、今や私たち人間が社会生活を営む上でなくてはならない存在であり、英国におけるクローン羊"ドリー"の誕生をはじめ、畜産分野や医学分野への応用も盛んです。当研究室では、附属農場に研究室があるという地の利を活かして、まずは人工授精や胚移植技術、あるいは分娩介助や搾乳などの生産現場の知識と技術を幅広く体験します。そしてそれらを通じて、生き物としてのウシへの理解と愛情を深めると同時に、酪農・畜産や医学・発生工学に対する問題意識を高めます。その上で、ウシの卵子、精子あるいは受精卵(胚)を研究材料とした受精や胚発生メカニズムに関する基礎的研究や核移植(クローンウシ作出)や顕微受精などの技術確立に取り組んでいます。そして、得られた研究成果が、バイオテクノロジーを駆使した家畜生産技術の確立や不妊治療や再生医学などの応用医学の発展に貢献することを目指しています。また、附属農場に繋養されている約60頭の乳用牛(ホルスタイン種)・肉用牛(黒毛和種)を実験牛として活用して、種々の発生工学的処置を施した胚の個体発生試験、あるいは周産期栄養生理学や飼養管理学に関する応用試験にも取り組んでいます。

教員

  • 長尾 慶和

特徴

  1. 農場のウシたちの分娩や治療を支えています(少し遠いけど素敵な!?別世界)。
  2. (泣いても笑っても)指導教官は長尾一人きりです
  3. ウシ(家畜)の繁殖・発生工学について総合的に学べる、今や全国唯一の研究室です。
  4. 地域の子どもたち(小中学生)向けの体験教室に積極的に取り組んでいます。

テーマ

「卵子・精子から屠畜場まで」をモットーに、ウシの受精・発生から分娩・泌乳に至るまでの、ウシが産まれる前から、そして産まれたあとの一生の全ての過程を研究対象としている変わった研究室です。どのテーマも基礎的側面とフィールド応用的側面の両面から切り込んで行きます。

  • ウシの体外受精分野(各地の試験場や研究所や獣医師と共同研究)
    基礎:
        ・ウシ精子の受精能獲得に関する研究
        ・ウシ顕微授精技術を応用した卵子と精子の相互作用に関する研究
    応用:
        ・ウシバイオプシー胚のガラス化保存に関する研究
        ・ウシ生体由来卵巣を活用した体外受精産子獲得法の検討
        ・ウシ生体由来胚の胚質に及ぼす栄養条件の影響に関する研究
  • イヌの人工繁殖分野(栃木盲導犬センターと共同研究)
    基礎:
        ・イヌ卵子の体外成熟に関する研究
        ・イヌの体外受精に関する研究
    応用:
        ・雌イヌの発情周期の人為的調節に関する研究
        ・イヌ精子の凍結保存法の検討
        ・盲導犬の人工授精技術の確立
  • 再生医学・幹細胞分野(自治医科大学と共同研究)
    基礎:
        ・ウシ乳腺幹細胞の分離・培養と分化誘導に関する研究
    応用:
        ・ヒツジ胎子内微小環境を用いたヒトES(IPS)細胞の分化誘導
  • ウシの飼養管理学分野(様々な民間企業や研究所と共同研究)
    応用:
        ・乳牛の低カルシウム血症の予防に関する研究
        ・食品産業副産物や飼料添加剤の給与効果に関する研究
        ・繋ぎ牛舎におけるトンネル換気システムが暑熱ストレスの軽減に及ぼす影響
        ・放牧を取り入れた飼養管理体系による高品質乳の生産
  • 児童の動物介在教育における家畜の活用価値について
  • その他:
    (1)大人数ですが、ワントップのファミリー制です(今のところ何とか・・・)。
    (2)週一回のゼミでは、研究テーマについて英語で勉強します。
    (3)スポーツ(とくにバスケ)にもハードに取り組みます。
    (4)農場へ通う交通手段として、原付バイクか自家用車が必要です。
  • ニュース:
    平成11年より毎年、附属農場において「宇都宮大学こども開放プラン」が開催しています。地域の小・中学生とその保護者を対象に、牛が牛乳を作る仕組みの解説や乳しぼりや餌やり、赤ちゃん牛への哺乳などの体験 実習を行っています。また実験室ではクローン牛作出実験にも挑戦します。第一回目(平成11年)の様子を写真で少しだけ紹介していますので、興味のある方はご覧下さい。

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