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農学部について
バイオサイエンス教育研究センター
岡本 昌憲

助教

岡本 昌憲

おかもと まさのり

移動できない植物がどのように乾燥ストレスなどの外部環境に対して抵抗性を示すのかを化学的・分子生物学的手法を駆使して明らかにしたいと考えています。そして、得られた科学的知見を応用して、ストレス耐性作物の創出やストレス耐性を付与するような化合物開発を目指して研究しています。

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アブシジン酸(ABA)の量の制御機構の解明

図1-1.ABA生合成と不活性化酵素の変異株の表現型
図1-2.ABA不活性化酵素を標的とする阻害剤の効果

植物ホルモンの一つであるアブシジン酸(ABA)は、陸上植物に共通に存在し、植物の乾燥ストレス、種子休眠、気孔閉鎖に中心的な作用を示す低分子有機化合物です。ABAがどのように合成され、どのように不活性化され、そしてABA量の変化がどのように植物の生理応答に影響を与えるのかを研究しています。ABA生合成に欠陥がある変異株では乾燥に弱く、反対にABA不活性化酵素に欠陥を持つ変異株は乾燥に強くなります(図1-1)。また、ABA不活性化酵素の酵素活性を阻害する化合物を投与することで、通常の植物でも乾燥ストレス耐性を向上させることができます。蒸散量が抑えられるので、葉温が若干高くなります(図1-2)。

ABAシグナル伝達の解明と応用研究

図2-1.ABAと同様の効果を示す人工化合物のキナバクチン
図2-2.ABA受容体に結合したキナバクチン

ABAのシグナル伝達を解明するために、化学遺伝学的手法により研究を行っています。特定の受容体に選択的に結合するキナバクチンは、ABAと化学構造が異なりますが、ABAと同等の作用をもたらします(図2-1)。ABA応答をモニターできるトランスジェニック植物や大規模な遺伝子発現解析により、アゴニストの分子的な特徴を研究しています。さらに、アゴニスト非感受性変異株の遺伝学的な解析を行っています。また、タンパク質結晶構造解析を通じて、新たなアゴニスト開発にも取り組んでいます(図2-2)。その他、ABA受容体を利用して、ストレス耐性作物の創出も行っています。

文献リスト

  1. 岡本昌憲・妻鹿良亮 「植物の乾燥ストレス応答を制御するアブシジン酸の働きとその応用」 極限環境生物学会誌 12: 78-88 (2015)
  2. Takeuchi J. and Okamoto M. et al., 「Designed abscisic acid analogs as antagonists of PYL-PP2C receptor interactions」 Nature Chemical Biology, 10(6) 477-482 (2014)
  3. Okamoto M. et al., 「Activation of dimeric ABA receptors elicits guard cell closure, ABA-regulated gene expression, and drought tolerance」 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 110: 12132-7 (2013)
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