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農学部について
農学部生物資源科学科・農学研究科生物生産科学専攻動物生産学講座
栗原 望

講師

栗原 望

くりはら のぞみ

クジラは、なぜ海で生活できるのでしょうか?コウモリは、なぜ飛べるのでしょうか?モグラは、なぜ暗い地中で自由に行動できるのでしょうか?そんな疑問を解くため、動物の体の「かたち」に注目して、研究を進めています。現在は、特に鯨類に注目しています。今後は、鯨類に近縁の偶蹄類(ウシ、ブタ、ヤギ、シカなど)の体も調べたいと思っています。

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ハクジラ類の歯数の進化について

図1-1. 年齢と歯数の関係。縦軸は1歯列上の歯の数、横軸は年齢を示しています。図a,上顎; 図b,下顎の歯数。
図1-2. カズハゴンドウの歯槽(左図,写真;右図,スケッチ)。上から順に、歯がしっかりと埋まっている歯槽、歯がゆるく埋まっている歯槽、歯が脱落する時期の歯槽、歯の脱落後時間が経過した歯槽。

ハクジラ類の歯数は、種によって大きく異なります。各歯列に約60本の歯を持つ種から、下顎に1対の牙しか持たない種もいます。このような多様性は、どのようにして生じたのでしょうか。最近、カズハゴンドウの頭骨を観察していて、思わぬことを発見しました。歯が年齢とともに脱落していくのです(図1-1)。歯の脱落は、下顎ではほとんど起こらず、上顎でのみ、奥の歯から順に起こっていることが分かりました。歯槽を見ると、歯槽の底が上がっていき、歯を押し出しているように見えます(図1-2)。明らかな法則性のある歯の脱落は、プログラムされたイベントのように見えます。クジラの化石記録を調べると、本種でみられたのと同様のパターンで歯数が減少しています。カズハゴンドウの歯数の減少は、あたかも進化の過程を示しているようです。

スナメリの背側稜にみられるイボについて

図2-1. 下関市に漂着したスナメリ(幼獣)。
図2-2. スナメリの背側稜にみられるイボ状構造。

スナメリは、アジアの沿岸域に棲息する体長1.7mほどの小型のハクジラです(図2-1)。日本では最も一般的なクジラといえます。本種は背びれがなく、背中に船のキールのような稜があることで特徴づけられます。その稜には複数の小さなイボがあります(図2-2)。このようなイボ状構造は、他の鯨類では見られません。また、このイボの機能は、未だに分かっていません。現在、このイボについて組織レベルでの調査を進めています。

文献リスト

  1. Kurihara, N. and Oda, S. Cranial variation in bottlenose dolphins (Tursiops spp.) from the Indian and western Pacific Oceans: additional evidence for two species. Acta Theriologica. 52. 403-418. 2007.
  2. Kurihara, N. and Oda, S. Effects of size on the skull shape of the bottlenose dolphin (Tursiops truncatus). Mammal Study. 34: 19-32. 2009.
  3. Kurihara, N. and Kawada, S. Inconsistencies between morphological and genetic subspecies in Grant’s gazelle (Nanger granti). Asian Journal of Animal and Veterinary Advances. 8 (4): 683-690. 2013
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